肥満、中性脂肪、老化が気になる人に〈納豆〉を勧めたい理由|管理栄養士が解説

 肥満、中性脂肪、老化が気になる人に〈納豆〉を勧めたい理由|管理栄養士が解説
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様々な栄養素が含まれており、優秀な食材として知られている納豆。その中の一つ「サポニン」が脂肪やコレステロールのお掃除役として、健康をサポートする成分であることはご存知でしょうか。 この記事では、納豆に含まれている「サポニン」のもたらす作用を紹介します。 年齢を重ねるとともに気になる生活習慣病や抗酸化力にも役立つと噂のサポニン。 ぜひ参考にして、日々の生活に納豆を活用してくださいね。

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サポニンってなに?

サポニンは、マメ科の植物に多く含まれている配糖体の一種です。

ラテン語の石鹸を意味する「サポ」から名前がついたといわれており、サポニンは水に溶かして良く混ぜると石鹸のような泡を作ります。この泡が、油脂を溶かして洗い流すようなはたらきをするため、天然の界面活性剤とも呼ばれています。

サポニンのもたらす作用

納豆にはサポニンが豊富に含まれています。サポニンは様々な健康をサポートするはたらきが期待できるといわれています。

以下に3つ紹介します。

コレステロール・中性脂肪のお掃除役

天然の界面活性剤とよばれるサポニンは、血管に付着したコレステロールや中性脂肪を洗い流す、いわば「血管のお掃除役」が期待できます。

血管にコレステロールなどが蓄積されると、血管が狭くなって血流が滞り、動脈が弾力を失う「動脈硬化」のリスクが高まります。動脈硬化になると脳梗塞や脳出血、狭心症といった生活習慣病になりやすく、命に関わる事態が引き起こされます。納豆を食べることでサポニンを摂取でき、血管のお掃除をすることでこれらの病気のリスクを減らすことに役立ちます。

肥満対策

大豆サポニンは、肥満の予防にも役立つといわれています。

その理由は、大豆サポニンがアディポネクチンの分泌を促進するはたらきがあるためです。アディポネクチンとは、脂肪細胞から分泌される物質で、脂肪の燃焼を促進するはたらきが期待できます。

また、小腸の脂肪吸収を抑制したり、便をやわらかくしてお通じをよくしたりと、サポニンは肥満予防に良いと期待されています。

脳やからだの老化予防

大豆サポニンの油を洗い流す効果は「過酸化脂質」にも期待ができます。

過酸化脂質とは、体内の腐った脂肪で、いわゆるサビともよばれています。この過酸化脂質(サビ)は、年齢を重ねると心臓や脳などにたまっていき、脳やからだの老化を進める原因ともされています。

サポニンは過酸化脂質を予防する効果が期待でき、サポニンの抗酸化作用により、脳やからだの老化を予防するといわれています。 

納豆
肥満の予防や過酸化脂質を予防する効果が期待できるサポニンを豊富に含む納豆。photo by Adobe Stock

サポニンの優秀パワーで健康を目指そう!

昔から日本人に愛されてきた納豆には「サポニン」と言った優秀な成分が含まれています。

サポニンの優れたはたらきから、肥満予防や老化予防、生活習慣病のリスク低減など、健康づくりやダイエット効果が期待できます。納豆を積極的に食べて、健康をサポートする強い味方「サポニン」をとりいれましょう!

 

参考:

健康長寿ネット「サポニンの効果と摂取量」

公益財団法人日本豆類協会「豆の主な機能性成分」

日本豆乳協会「豆乳の栄養成分」

農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター「大豆サポニンとビタミンK2(メナキノン-7)の構造・吸収・機能」

全国納豆協同組合連合会納豆PRセンター「納豆百科事典」

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小玉奈津実

小玉奈津実

管理栄養士。サプリメントの商品開発や外食チェーン店のメニュー開発、老人保健施設での献立作成や栄養価換算などに携わったのち、現在はフリーの管理栄養士として活動中。企業との共同でのサプリメント商品開発、オンラインでの栄養指導、食や健康に関するコラム執筆や監修、ママ向けの宅配弁当の作成など、実績300件以上をもつ。身体を作る「食」の重要性を、わかりやすく丁寧に伝えることが使命と感じている。プライベートでは、3児のママとして毎日育児に奮闘中。



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