英女優ヘレン・ミレン(78歳)「年を重ねるのはラッキーなこと」美とエイジングに対する考えを語る
英女優ヘレン・ミレン(78歳)の「自分はそんなに美しいとは思わない」との発言が話題となっている。タイムレスな輝きで称賛されてきた彼女が、雑誌「ピープル」に対して語ったその言葉は、多くの人々に共感と驚きを与えた。「そこそこには見えるでしょうけど、私はそんなに美しいわけではありません」と謙虚に述べるヘレン・ミレンだが、その魅力は外見だけでなく、内面からも溢れ出ている。
ヘレン・ミレン(78歳)は、数々の賞を受賞した実力派女優であり、彼女の経歴は華々しい。オスカー賞、トニー賞、そしてBAFTA賞を獲得し、2003年にはエリザベス女王からデイムの称号を授与された。映画『クイーン』や『バービー』などの様々な役柄でも知られているが、スクリーンの外でも独自のスタイルと前向きな歳を重ねていることで広く知られている。昨年のカンヌ国際映画祭ではベイビーブルーのヘアカラーでレッドカーペットに登場し、大きな話題となった。今年も再びカンヌを訪れ、存在感を示した。
真の美しさに必要なのは「ありのままの自分を受け入れること」
ロレアルパリのアンバサダーとしても活躍しているヘレン・ミレンは先日、カンヌ国際映画祭の期間内に雑誌「ピープル」に対し、“自己受容(ありのままの自分を受け入れる)”の重要性について語った。彼女は、「美しい人々は世界中にいる」と認識しており、「ナオミ・キャンベルやデヴィッド・ベッカムのような人々がそのカテゴリーに属しているが、自分はその中には入らない」と告白した。「それでいいの。そこそこには見えるでしょうけど、私はそんなに美しいわけではありません。でも私たちは皆それぞれ個性を持っています。最終的にはそれを受け入れ、自分自身であることを受け入れることが大切だと思います。」
ヘレン・ミレンは「若い女性たちには自分ではない他の何者かになりたがる傾向がある」ことについて指摘し、「精神的に不安定になってしまう可能性がある」と警告した。彼女自身、1960年代にはセクシーで可愛い女の子になりたくてしょうがなかったという。「私は必死でツイッギーになりたかったのですが、全くもってツイッギーにはなれませんでした。真の美しさの秘訣は、自分自身を受け入れ、愛すること。自分の絶対的な個性を受け入れ、それを誇りに思うことです」と彼女は語った。
年齢を重ねることができるのはラッキーなこと
「私のエイジングに対する哲学、それは老化は避けられないものだということ。すごくラッキーなら、年齢を重ねることができ、それはとても良いことです。若さが人生の一部であるように、年を取ることも人生の一部なのです。もちろん、この哲学は年を重ねるごとに変わっていきます。20歳の頃には、60歳になるなんて考えられないでしょう。まるで『そんなことは自分には起こらない。奇跡的に200年間ずっと20歳のままでいられる』とでも思っているかのようです。でもそんなことはありません!必ず60歳になります。そして60歳になった時に初めて、それが全く問題ないことだと理解できるのです。」
一方、「若い頃の自分に伝えたいことは?」という質問に対しては次のように述べた。「それは今お話ししたことと全く同じです。大丈夫だから心配しないで、と伝えたいですね。もちろん、人生には困難や悲劇、挑戦がつきものですが、それが人生の旅路です。そしてその旅路は誰もが経験するものです。それを受け入れ、楽しんでください。」
顔を生き生き見せるリップやグロスは必須アイテム
イギリスのメディア「ザ・テレグラフ」に対し、「大きなイベントの前夜に十分な睡眠を取ること」を心がけていると語ったヘレン・ミレンだが、スキンケアに関しては「ピープル」に次のように述べた。「私はルーティン的なことをするタイプではありません。(中略)その日の気分で選びます。正直なところ、儀式というものを信じていません。時々、朝は時間がなくて何もできないこともありますし、別の日には朝たっぷり時間があって、しっかりケアする時もあります。」唯一、日々のメイクに関しては口元の印象を大切にしているという。「常に少し色のついたリップバームやリップグロスを必ず携帯しています。それだけでも、顔が生き生きとして見えるからです。私の年代の人にとって、とても大切なことです。」彼女の言葉からわかるように、美しさとはやはり単に外見だけでなく、内面から湧き出る自信と個性なのかもしれない。
出典:
At 78, Helen Mirren’s Red Carpet Beauty Routine Is Surprisingly Simple
Helen Mirren Wants You to Enjoy the Ride When it Comes to Aging
Arts24 in Cannes: Helen Mirren on why swagger is better than beauty
AUTHOR
山口華恵
翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。
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