【豆苗】実はこんな栄養素もとれる?豆苗に含まれる意外な栄養とは|管理栄養士が解説
年中スーパーで手軽に購入でき、さらに安くて価格も安定している豆苗。炒めたりゆでたりして、召し上がられる方も多いのではないでしょうか。 豆苗は、えんどう豆の若い葉と茎の部分を食べる野菜で、緑黄色野菜の一つでもあります。 栄養バランスに優れ、栄養価も高い野菜と言われていますが、具体的にどんな栄養素が含まれているかご存知でしょうか? 今回は、豆苗に含まれているけど意外と知られていない栄養素とその効能についてご紹介します。
豆苗に含まれている栄養素
豆苗は、中国で古くから食材として収穫されており、日本では1970年代頃から食べられるようになりました。
近年、工場で水耕栽培され、えんどう豆を発芽させた状態のものが安定して生産させるようになり、家庭にも浸透してきた野菜です。
ビタミン・ミネラルをはじめ、さまざまな栄養素が含まれており、野菜の中でもバランスが良いといわれています。その中でも、豆苗に含まれているのが意外な栄養素を3つご紹介します。
野菜だけど摂れる?「たんぱく質」
肉や魚、大豆・大豆製品などに多く含まれているたんぱく質ですが、実は豆苗にも含まれています。
たんぱく質は、内臓や筋肉など体を構成する成分になるほか、酵素やホルモンといった体の機能を調整する成分や、エネルギー源としての役割も持っています。
量としては、100gあたり3.8g含まれています。
実は緑黄色野菜!「β-カロテン」
豆苗には、β-カロテンと呼ばれる色素成分が含まれています。
β-カロテンは、体内でビタミンAに変換されて視覚反応を正常に保つ働きや皮膚や粘膜の健康維持に働きます。
また、β-カロテンは抗酸化作用を持っており、抗がん作用に効果が期待されている成分です。
同じく抗酸化作用を持つビタミンCやEも含まれています。
豆苗には、100gあたり3000μgのβ-カロテンが含まれており、緑黄色野菜の一つでもあります。
骨を強くする「ビタミンK」
豆苗には、脂溶性ビタミンの一つであるビタミンKも含まれています。
量としては100gあたり210μg含まれており、日本人の食事摂取基準2020年版における成人の目安量(150μg)よりも多く、豊富に含まれているといえるでしょう。
ビタミンKは、骨粗しょう症の治療薬としても認可されているように骨の形成を助ける働きがあります。
また、けがなどで出血した際に必要な血液凝固因子の働きをサポートしています。
加熱するとどうなる?
豆苗はゆでることでかさを減らし、沢山の量を摂取しやすくなります。
ビタミンCやカリウムなど、栄養素によっては水に溶け出てしまうものもあるので、ゆですぎには注意しましょう。
また、油で炒めることでもかさが減ります。
さらに、β-カロテンやビタミンEなどの脂溶性ビタミンは、油と一緒にとることで、吸収率が向上します。
毎回同じ調理法で作るのではなく、いろんな調理法を試してみると良いでしょう。
豆苗は安価で栄養たっぷりな野菜だった!
豆苗は植物工場で生産されていることが多いため、天候の左右を受けずに出荷することができるため、価格も安定して販売されています。
近年、物価高に家計は悩まされがちですが、豆苗を日々の食生活に取り入れることで、少しでも家計の助けになったら嬉しいですね。
比較的安価で一年中手に入る、さらに栄養豊富な豆苗、皆さんも取り入れてみませんか?
【参考文献】
- 文部科学省:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年
- 厚生労働省:日本人の食事摂取基準2020年版
AUTHOR
宮﨑奈津季
管理栄養士、離乳食アドバイザー、薬膳コーディネーター。 介護食品メーカーで営業を2年間従事した後、独立。料理動画撮影やレシピ開発、商品開発、ダイエットアプリの監修、栄養価計算などの経験あり。 現在は、特定保健指導、記事執筆・監修をメインに活動中。一児の母。
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