【皮膚の痛いブツブツ】コロナの影響…50歳以上で15%急増!帯状疱疹の予防と治療法を医師が解説

 【皮膚の痛いブツブツ】コロナの影響…50歳以上で15%急増!帯状疱疹の予防と治療法を医師が解説
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中高年になるにつれて発症が増える帯状疱疹。治療後、長く続く慢性痛に悩まされる人も多いと言います。50歳以上で急増する傾向にある帯状疱疹の予防と最新の治療法について、大阪なんばクリニックの森本昌宏院長にお話をお聞きしました。

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幼いころの水疱瘡ウイルスが帯状疱疹に

――まずは、帯状疱疹とはどのような病気なのか改めて教えてください。この痛みを感じたら、というサインはありますか。

森本院長:帯状疱疹とは、小さいときにかかった水疱瘡(みずぼうそう)のウイルスが、免疫低下などにより再び活性化して皮膚に水疱を作り、神経障害を残す病気です。これは、末梢神経の中継地点的な神経節というところに潜んでいた過去の水疱瘡ウイルスが、ある日突然に暴れ出すことが原因とされています。

当初は、痛みが先行します。皮膚にピリピリとする痛みがあり、2~3 日後(遅い人でも1週間後)に水疱が身体を半周するように帯状に出現します。

――帯状疱疹を発症しやすいタイプなどはあるのでしょうか。最近の傾向などありましたら教えてください。

森本院長:中高年になるにつれて発症が増えることから、高齢社会を迎え年々増加しています。また、コロナ感染によって、50歳以上の患者さんでは帯状疱疹の発症が15%増えたという報告もありますね。

帯状疱疹
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治療は先手必勝!で慢性痛への移行を防ぐ

――帯状疱疹を発症した際に気をつけるべきことはありますか。また、帯状疱疹の水疱が治ったあと、神経に障害が残り帯状疱疹後神経痛(PHN)という慢性痛(神経障害性疼痛)になる可能性もあるそうですが、慢性痛への移行を防ぐために必要なこともあわせて教えてください。

森本院長:帯状疱疹にかかった方が、帯状疱疹後神経痛(PHN)を引き起こす確率は年齢とともに高くなります。50歳代では50%ぐらい。60歳代では60%ぐらい。70歳代を超えるともっと上がります。

帯状疱疹が発症したら、早い時期に痛みのある神経付近に局所麻酔薬を注射して痛みを抑える「神経ブロック」を行ってください。「神経ブロック」を行わない場合、PHNに移行しやすくなりますし、移行してしまうとずっと痛みが続くことに陥りかねません。

――帯状疱疹かもしれない、という症状が出たらすぐに治療を開始すべき、ということですね。

森本院長:帯状疱疹は、“先手必勝”が基本です。当院では『帯状疱疹のブツブツが治ってから1年以上たっているのに、まだ痛みが続いている』と受診する患者さんがあとを絶ちません。長年治療に通っている方も多いですし、帯状疱疹治療で一番大事なことは、PHNへの移行を予防すること。そのために、早急に治療をする必要があります。

帯状疱疹の痛みは、ピリピリとしたやけどのような痛みから始まると言われます。こういうときは通常の痛み止めでも良いのですが、ペインクリニックでもある当院では神経痛によく効く薬を早い時期から使っています。

使用するのは「ガバペンチノイド」(製品名はリリカ、タリージェ)という薬などです。あわせて、神経ブロックを早い時期から行います。顔面と胸の上の方に痛みが出ている場合には、首の6番目の骨の根元にある交感神経の集まりに麻酔薬を入れる「星状神経ブロック」、首から下では脊髄を包んでいる硬膜の外側へ局所麻酔薬を注入する「硬膜外ブロック」などがあります。

塗り薬
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――帯状疱疹を予防することは可能なのでしょうか。生活習慣など気をつけるべきポイントがあれば教えてください。

森本院長:帯状疱疹ワクチンを打って予防することが大事です。高価ではありますが、帯状疱疹からPHNに移行し、長期間痛い思いをすることを考えると受けるべきだと思います。

また、生活習慣においては、免疫が下がると発症しやすくなるので、早寝早起きやバランスのとれた食事、十分な睡眠をとるなど、できるだけ健康的な生活を送り、免疫力を高めることが有効です。

栄養バランスのとれた食事
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教えてくれたのは…森本昌宏 先生

大阪なんばクリニック院長。ペインクリニックを専門分野とし、痛み治療の第一人者として近畿大学医学部教授を務める。2020年、大阪なんばクリニック院長に就任。日本ペインクリニック学会名誉会員、日本在宅医療学会名誉会員。

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構成・文/吉田光枝

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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