【知るだけで変わる】ランニングで膝が痛い「ランナー膝」にならない走り方のための思考術

 【知るだけで変わる】ランニングで膝が痛い「ランナー膝」にならない走り方のための思考術
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私たちは様々なしがらみによる思い込みによって、常に体を緊張させて生活しています。その緊張が、時には体のどこかに痛みなどを引き起こすことも。不要な緊張に気づいて効率的な体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークの実践者が、体の使い方と思考という面から動作を分析して、思い込みがどう影響して痛みなどの体の「負」となるのかを考察。解剖学的な視点を交えて、解決策を提案します。13回目のテーマは「ランニングで膝が痛い」です。

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ランニングで膝が痛くなるのは足が着地するときの衝撃に備え過ぎているから

ランニングは様々なスポーツの中でも手軽に始められる運動のひとつでで、ブームとして話題になったこともあります。コロナ禍で屋内に引きこもることを強いられることが多くなってからは、多くの人が健康やストレス解消のためにランニングを楽しんでいるようです。そんな中、ランニングで膝を傷めるという話をよく耳にするようになりました。走るとは歩くよりも確かに脚に負担がかかるものではありますが、ランナー膝と呼ばれるほど、ランニングで故障が起こりやすいのはなぜなのでしょう?

ひょっとしたら、それは踏み出した足が地面に着地するときの衝撃に対して、無意識に備え過ぎているせいかもしれません。特に膝を傷めた経験がある場合は、傷めないようにしなければならないと身構えていることと思います。

衝撃に備え過ぎると脚を固めて動きにくい状態を作る

走るという動作で膝を傷める原因に直結していると考えられるのは、踏み出した足のかかとが地面に着く瞬間でしょう。膝を痛めないようにと意識すると、どうしてもかかとに近い足裏や足首に必要以上の力が入るものです。足首は膝に連動しているので、足首に入った必要以上の力が膝にも伝わります。

また、脚を動かすことばかりを考えていると、意識や目線も下の方にいきがち。それに伴って、頭で脊椎を押し下げるということをしてしまいます。脊椎の先には骨盤、骨盤と脚をつなぐ股関節があり、脊椎の押し下げは最終的に股関節の詰まりとなります。股関節は膝と連動しているため、膝も動きにくくなります。

それぞれの事情で可動域に制限をかけている足首と股関節に挟まれ、膝への負担はより大きくなるのです。

走り始める前に全身を意識して、膝に曲がる許可を出す

走りはじめる前に、次のことを思考に取り入れるのをおすすめします。走っている途中でも、太ももなどに余計な力が入っているなと気づいたら、走るのを一旦やめて思考を整理するといいでしょう。

1. 脊椎の上で頭がバランスをとっていることを思い出す
 

走り始める前に全身を意識する
photo by Mia Hotaka


地面を蹴って踏み出すのは脚の仕事ですが、他の部分を全く動かさずに脚だけで走っているわけではありません。全身は連動しています。そして全身の連動性を促す起点は、頭が脊椎を押し下げているのをやめることです。そこで、波のように曲線を描いている脊椎の上で頭がバランスをとっている、頭も脊椎の波も常に自由に動いている、頭や脊椎に腕や脚もついていくといった様子をイメージしてみてください。イメージングによって脳が全身の連動性を思い出し、それに合わせた体の動かし方を指示してくれるようになります。

2. 膝は曲がっていいと思う
 

膝に曲がる許可を出す
photo & illustration by Mia Hotaka


膝は曲がる(屈曲する)ものではありますが、肉体が地面からの衝撃に備えて曲がることを抑制していることがあります。そのため走る前に軽くスクワットをして、膝は自分が思っている以上に曲がることができるところだと認識し直す必要があります。膝を見て触って、視覚や触覚で確かめるのも手です。また、膝裏に指の側面を当て、手で前に促すようにして、膝が曲がる方向「前へ向かう」を自分で自分に指示するのもいいと思います。

※本記事ではくるぶしから先の部分を足、太もも・脛・足を含めた全体を脚と表記しています。

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ホタカミア

ホタカミア

ライター、グラフィックデザイナーとして会社と自宅の往復に追われる中、ヨガと出会う。また、30代後半から膠原病であるシェーングレン症候群と咳喘息に悩まされ、病と共に生きる術を模索するようになる。現在は、効率的な身体の使い方を探求するアレクサンダーテクニークを学びながら、その考えに基づいたヨガや生き方についての情報を発信中。解剖学にはまり、解剖学学習帳「解動学ノート」の企画・制作も行う。



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