“ヨガのロックスター”クリシュナ・ダスがキルタンを歌い続ける理由

 “ヨガのロックスター”クリシュナ・ダスがキルタンを歌い続ける理由
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――ダスさんがインドから離れて半年後に、グルが亡くなられたそうですね。

K.D:「それこそが僕が歌い始めた理由です。彼の魂が体から離れたとき、グルからもらっていた太陽に照らされるような大きな愛を、僕は僕自身のなかに見出さなくてはならなかった。ですからグルが亡くなった後はずっと、とても辛い思いを抱いていました。ところが、彼が亡くなった20年後、ある日、NYで、稲妻のような気づきがありました。“もし僕が人々ともにチャンティングをしなければ、決して心のなかの闇を拭い去ることはできない”という気づきです。僕の苦しみは、自身の心の闇が原因に他ならなかった。ですから、人々と一緒にチャンティングすることを始めたのです。94年、初めてのチャンティングに集まったのはたったの10人でした。しかも、その人たちはティーチャーズトレーニングのために、“そこにいなければいけない”人たちでした(笑)。でも、そこが始まりでした」

ニーム・カロリ・ババ
ステージの一角。ニーム・カロリ・ババ師を悼む

――今では世界中の人が集まってくれますね。

K.D:「僕はすごく恵まれています。皆さんに教えられることは何もないけれど、キルタンを通じて世界中の皆さんと共有できることは、たくさんありますから。そして、今僕がキルタンを奏でるのは、僕自身の決断ではありません。僕はいわば、ラジオのトランスミッター。グルからの言葉や愛をただ受け取り、発信するだけです。トランスミッターって、音楽をただ流すだけでしょう? ONにするもOFFにするのもグル次第。グルが僕の音楽を聴きたがっているから、今、ONになっている。それだけのことなのです」

クリシュナ・ダス プロフィール

1947年ニューヨーク州ロングアイランド生まれ。60年代後半アメリカ中を旅して過ごし、その後1970年8月にインドへ渡り、ラムダスのグルNKB(マハラジと呼ばれている)と出会う。ニーム・カロリ・ババに出会い、クリシュナ・ダスと名付けられ、信愛のヨガ、ハートのヨガであるバクティヨガの練習としてマントラチャンティングを開始。インドのマハラジのもとで2年半過ごした後、アメリカに帰国。1994年からNYのヨガスタジオでチャンティングを始め、増え続けるヨガオーディエンスに伴って世界中の人々と共にに歌うように。2012年『Live Anada』はグラミー賞ベスト・ニューエージ部門にノミネート。キルタンを世界に広め続けている。プロフィール出典:YOGA SPOT

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Text by Kyoko Nagashima
Special thanks to YOGA SPOT&Tamiko Hayashi



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