“ヨガのロックスター”クリシュナ・ダスがキルタンを歌い続ける理由

 “ヨガのロックスター”クリシュナ・ダスがキルタンを歌い続ける理由
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――自分の考えに自ら縛られてはいけないということでしょうか?

K.D:「そうです。常に自分をジャッジしたり、捌いたり、判断したり……。苦しみの種はいつもそこにあります。練習を深めると、自分が己のマインドに支配されていると気づき始めます。そして気づければ、苦しみもどんどん弱まってくる。僕は、『スピリチュアルの道』とは、自然の果実がどんどん熟れてくるというのと同じ感覚だとみています。実が熟れていくプロセスは、何人からも影響されず、自然に起こり、進行するでしょう? 私たちは心という果実を、プラクティスをすることで、太陽に照らしています。そして太陽とは、真実や光、愛です。喋りすぎたかもしれませんが(笑)、つまり私がお伝えしたかったのは、今回、日本の皆さんをみて、そのようにプラクティスが進んでいると感じられた、ということなのです」

――今回の来日ではキルタンのライブも行いました。ダスさんは世界各国でライブを行っていますが、オーディエンスの反応は国によって異なりますか?

K.D:「どの国に行っても、どんな人に会っても、一緒です。文化が異なると、表現の仕方は違うかもしれません。でも、皆、愛したいし、愛されたい。そして苦しみから解放される生き方を探しています」

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(Photo by YOGASPOT)

――逆に、ダスさんがライブで表現したいことは何でしょう?

K.D:「僕自身がライブで何かを表現することはありません。“私はあなたのために何々をしますよ”という努力ほど嫌なものはありません。何故なら、それはエゴでしかなく、僕にとっては崖から身を投げるような、自己犠牲の押しつけに近いように感じてしまいます。僕のプラクティスは、インドで出会った僕のグル(ニーム・カロリ・ババ師)の存在をより近く感じるためのものです。僕のグルは僕にとっての宇宙。宇宙なので先へ行けば行くほど深まります。そしてライブは僕自身のプラクティスであり、それを皆さんと共有しているだけなのです。そして、ボタンを押したらすべてがよくなるのがプラクティスではありません。練習を重ねるごとに、少しずつゆっくりですが、よりいい人間になる、ということです。もし続けていても、他者の気持ちを理解する気持ちが深くならなかったら、もっと優しくならなかったら、プラクティスする意味はありません」

――ヨガティーチャーではなくミュージシャンであり続ける理由は?

K.D:「グルが僕の歌を好きだったからです。私は歌うことで、グルと一緒に過ごす時間を得られました。僕のグルもこれをやりなさい、あれをやりなさい、こういう練習をしなさいと“教える”ことはしませんでした。太陽のようにただ、人々を照らし、そして周りにいた人々は皆、過去に経験したことのない愛をグルから感じました。何故なら彼は私たちに何も要求しなかったから。いい子になりなさいとも、同じユニフォームを着なさいとも言わなかった。僕のグルは僕たちをありのままの姿で、今も愛しているのです」

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Text by Kyoko Nagashima
Special thanks to YOGA SPOT&Tamiko Hayashi



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