五島列島に咲く藪椿の魅力とパワーを詰め込んだスキンケア「五島の椿」
椿といえば、雪景色の中でも真っ赤なお花を咲かせる日本原産のお花です。カメリアとして世界中で愛され、ラグジュアリーブランドのアイコン的存在でもあり、欧州のお花と勘違いされることもありますが、学名が「Camellia japonica」。日本原産ということがわかります。そんな椿が日本一自生しているのが、世界遺産としても知られる五島列島です。列島全体では、1千万本以上自生しているといわれています。その椿を軸として、商品開発から消費まで循環させ、持続可能な産業と雇用を生み出すプロジェクトから誕生したのが、スキンケアブランド「五島の椿」です。
五島列島の椿を活用するプロジェクト
「五島の椿」は、会社名でもあり、ブランド名でもあります。五島列島にしかない価値を再発見し、磨き、輝かせることで、島を元気にしたいという思いから、2020年に「五島の椿プロジェクト」が発足しました。プロジェクトの主旨は、「五島列島の椿をブランディングし、椿を活用した産業で五島を活性化させる。さらに、五島での成功事例を全国に広め、地方活性のよきモデルとなる」ことだそう。島の宝である椿が十分に活用されていなかったことから、産学官民協働で、椿研究会を発足させ、これまでばらばらだった取り組みをつなげることからプロジェクトがスタートしています。
五島の椿プロジェクトでは、五島列島の椿のブランディングを行っていますが、ブランド化するには品質管理が重要と考え、プロジェクト運営を行っている一般社団法人松下財団では、認定商品制度を導入し、認定基準をクリアしたブランドは、椿の花をモチーフにした認定マークを掲げることができます。そのマークを掲げているのが、スキンケアブランド「五島の椿」です。プロジェクト名も、キープラントも、すべて「五島の椿」なのです。プロジェクトと同じブランド名にした理由をうかがうと、「私たちは『長崎県・五島列島に新たな産業を創り、多くの雇用を生み出し地域に貢献する』という事業ビジョンのもと活動しています。椿の商品を作って販売する会社を作ることが目的ではなく、椿を産業化して地域を活性化することも目的としているため、「五島の椿」というブランド名で多くのプロモーションを行い、全国でメジャーになっていくことで、『五島列島の椿はよいものなんだ』『五島って素敵なところだろうな』とみなさんに感じてもらい、弊社以外の地元の椿関連商品なども売れたり、五島への観光客が増えたりすることを期待して、「五島」と「椿」という言葉を冠してブランド名にしました」(五島の椿株式会社取締役の岡田誠教さん)と教えてくれました。
五島列島、そして椿への愛情が感じられるブランドです。
過酷な環境下で生きる椿の生命力に着目し、椿をまるごと使ったスキンケア
「五島の椿」のラインナップは、椿の葉 保湿水、椿酵母せっけん、椿酵母オイルの3アイテムです。椿といえば、椿油の効能は広く知られていますが、五島の椿から見つけ出された独自成分の肌への効果も確認されています。なかでも、新たに抽出された保湿成分「椿葉クチクラ」は、世界初の事実上の化粧品成分の国際表示名となるINCI(International Nomenclature of Cosmetic Ingredients)に登録されました。椿の花、葉、実、すべてを余すところなく使った高機能でナチュラルなスキンケアです。
「椿の葉 保湿水」は、さらりとしたテクスチャーでありながら、肌にのせたあと、しっとりうるおいます。これは、椿の葉から低温真空蒸留法でじっくり抽出した「ヤブツバキテルペン」が水分を抱え、角質層まで浸透し、乾燥から肌を守ってくれるからです。自然由来100%で、浸透力はヒアルロン酸の約4倍(椿葉水とヒアルロン酸水溶液各1mLが0.2μmのフィルタを通る速度を測定)だなんて、椿の葉がつやつやしているのは、そんなパワーを秘めていたからなんですね。また、椿の花酵母は、抗酸化やコラーゲン生成をつかさどるグルタチオンを含有し、ハリと明るさを与えてくれます。軽いテクスチャーでありながら、うるおい実感なのが、これから汗ばむ季節にもうれしいですね。この保湿水は、サステナブルコスメアワード2022審査員賞地方創生部門を受賞しています。島で暮らしていると、海洋プラスチック問題が常にそばにあることからパッケージをガラス瓶にこだわるなど、製品自体がナチュラルであるほか、五島列島での持続可能なものづくりが表彰されました。
椿オイルがうるおうのは、広く知られているところですが、もともと水分保持能力の高い椿油に、世界初の潤い成分である椿葉クチクラを加えたことで、さらに高い保湿効果を実現しています。1滴で伸びがよく、浸透力が高いため、べたつかず、しっとりします。今までオイルが苦手だったという人も、これなら大丈夫かも。乳液やクリームの代わりに使え、朝のメイク前やブースターとしても使えます。
椿葉クチクラは、「椿酵母せっけん」にも配合され、高密度泡が古い角質の隙間に入り、角質をはがれやすくし、椿果皮の柔らかい繊維がくすみやゴワゴワ感の素となる古い角質をからめとってくれます。さらに、うるおいを逃がさないため、洗顔後のツッパリ感もありません。椿葉クチクラすごいと、乾燥肌の私は感動しました。椿のお花の形をしているのも、なんだか愛らしいです。
日本原産で古い書物にも登場する椿には、これほどのパワーがあったのだと、改めて知るきっかけになった「五島の椿」。椿の花の季節は、そろそろ終わりを迎えますが、椿まるごとの恵みが詰まったスキンケアでお肌にしっかりうるおいをチャージしたいですね。
AUTHOR
林ゆり
ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。 関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育つ。LOHASを実践しながら、ファッション、コスメ、食べ物など、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてライフスタイルマガジンやブログで発信中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く