独自の発酵技術でトレーサブルなアイテムを生み出す「ファーメンステーション」の魅力
ようやくマスクがはずせると喜んでいる人も多いと思いますが、手指消毒は、感染症予防としてだけでなく、食事前などの衛生面からも続けたい習慣のひとつです。商業施設のエントランスなどには、ハンドスプレーのボトルが設置されていますが、ときには強すぎて手荒れの原因になることも。手にやさしいハンドスプレーを持ち歩くなら、「ファーメンステーション」のお米でできたハンドスプレーがおすすめです。「サステナブルコスメアワード2022」では、シルバー賞に輝いています。
独自の発酵技術でサーキュラーエコノミーを実現
「ファーメンステーション」は、独自の発酵技術で未利用資源を再生・循環させる社会を構築しています。岩手県奥州市の休耕田を活用し、有機米を栽培するところから始め、発酵・蒸留してエタノールを製造します。残った発酵粕は、石けんなど化粧品の原料として使用されるほか、鶏や牛のえさになります。その鶏糞や牛糞は、畑や田んぼの肥料になり、廃棄物ゼロのサーキュラーエコノミーを実現しています。地域に根差した開発を行っているため、原材料の生産者が見えるだけでなく、何年に収穫の有機米を使ったのか、いつ発酵・蒸留したものか、すべてがトレーサブル。2022年3月には「B corp認証」も取得しました。「B corp認証」とは、2006年、米国で設立された非営利団体「B Lab」が運営し、地域社会、環境、カスタマー、従業員に対して、多面的・包括的な利益を生む事業活動を実践する企業を認証する国際的な制度のこと。スタートアップで「B corp認証」を取得しているのは、国内初です。新たなチャレンジを常に続けているブランドだということがわかります。
ほかにも、大企業から廃棄される食品や飲料残渣などのフードウエイストを利用して、アップサイクル商品の開発も行っています。他社には真似できない独自の発酵技術を活用した商品は数多く、コラボ商品もあり、知らないうちに「ファーメンステーション」の恩恵を受けているかもしれませんよ。ちなみに、国産の有機米由来のエタノールは、他にはないため、それは「ファーメンステーション」のエタノールということになります。
「サステナブルコスメアワード2022」シルバー賞を受賞した『お米でできたハンドスプレー』は、アルコール濃度70w/w%で、自社のアルコールを使用しているだけでなく、オリジナルオーガニック発酵原料の米もろみ粕エキスも配合されています。米もろみ粕は、抗酸化作用、抗老化作用、ヒアルロン酸保持効果において、外部分析機関での検査結果で認められている美容成分です。化粧品クオリティで手指をリフレッシュしてくれるのはうれしいですね。使っていて、ちょっとしっとりするような感覚もあり、今まで乾燥が気になっていたという人にもおすすめです。ペパーミントとほんのりお米の香りがする無香料の2タイプがあり、好みで選べるのもいいですね。
アウトドアスプレーはマルチに活躍
アウトドアが心地いい季節になったので、パークヨガなどに出かける機会も増えます。そんなときにうれしいアウトドアスプレーも、もちろん自社のエタノールが使われています。ファーメンステーションのエタノールは、特有のツンとした香りがなく、やわらかい香りがします。この特徴を活かしつつ、ネパール産フェアトレードのエッセンシャルオイル、新潟の杉水など、由来のわかる素材を厳選配合し、虫が嫌いな香りに仕上げたとのこと。虫よけとして外出時はもちろん、ルームフレグランスやマスクスプレーなど、ナチュラルな成分のみだからこそ、マルチに使えます。ヨガの前やリフレッシュしたいときに、シューっとしたくなります。
新たなチャレンジは「リンゴだったサニタイザー」
エタノールは、化粧品や香水など、多くの製品に活用されていますが、やっぱり消毒や除菌のイメージが強いですよね。そこで、新たに開発したのが、サニタイザーです。除菌するのが当たり前になったこの3年。せっかくなら心地よく除菌してもらおうと開発されました。りんごの搾りかすを活用したので、名前は「リンゴだったサニタイザー」です。わかりやすいですね。りんごシューズやシードルを作る過程で出てしまう搾りかすを回収して、独自の技術で発酵させたエタノールが使われています。りんご由来ならではの特徴や魅力を残せるよう研究を重ねてベストな調合を発見したという除菌スプレーです。香料は、一切使用していないというのですが、サンプルを試したところ、りんごの香りがほのかにします。原材料であるりんごの香りを損なわず、ポジティブに除菌してもらいたいと開発されたもの。添加物不使用でキッチン周りや子どものおもちゃなど、大切な場所に安心して使えます。
ボトルには、酵母が分裂する「発酵の瞬間」をイメージしたというカバーペーパーが巻かれていて、はがすと「循環の広がり」のイメージが描かれています。インテリアに合わせて、どちらでも使えるようにとデザインされているのですが、ボトル本体には、「リンゴ」の文字がなく、「だったサニタイザー」になっています。
「今後、りんご以外の原材料を使ったサニタイザーを作ったときに、このボトルが使えるようにと思って、リンゴといれていないんです。」(ファーメンステーションの酒井里奈さん)
アイデアですね。きっと、いろんなサニタイザーができるのだろうなと、今からワクワクします。ちなみに「リンゴだったサニタイザー」は、現在、Makuakeにてクラウドファンディング中です。クラウドファンディングにした理由は、
「多くの人に取り組みと一緒に知ってもらいたかったからです。1次目標は達成しましたが、最終目標まで、まだまだなので応援よろしくお願いします。」(酒井さん)
確かに、そのまま店舗に並んでいたら、かわいいボトルの除菌スプレーと思うだけかもしれませんね。
デイリーに使うものだからこそ、原材料やその作られる工程も知ることで、環境も家族や大切な人も守ることができる気がします。循環できる社会の一員として、ものづくりの工程にも目を向けていきたいと改めて感じました。
AUTHOR
林ゆり
ロハスジャーナリスト。フリーアナウンサー。 関西を中心にテレビ、ラジオ、舞台などで活動後、東京に拠点を移し、執筆も始める。幼いころからオーガニックに囲まれて育つ。LOHASを実践しながら、ファッション、コスメ、食べ物など、地球にやさしく、私たちにもやさしいものについてライフスタイルマガジンやブログで発信中。
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