井浦新夫妻が手がける自然由来成分100％のサステナブルコスメブランド「Kruhi」

家族の髪の悩みから誕生したヘアケア

「Kruhi」のコンセプトは、『手のひらにのる自然』。自然由来成分100％で国内生産、地産原料や農業廃棄物をアップサイクルし、ボトルには、リサイクルアルミを採用。化学物質による長期的な肌や環境への負荷を考慮して開発されています。そんなサーキュラーエコノミーを実現する「Kruhi」を作ったのは、俳優の井浦新さん・あいさんご夫妻。中身はもちろん、パッケージまですべて循環するコスメづくりにこだわっています。ただ、最初から新たなブランドを立ち上げようと考えていたのではないと言います。井浦さんのご家族に皆それぞれ違った髪の悩みがあり、各自がシャンプーを選んで使っていたため、お風呂場には数種類のヘアケアが並ぶことに。みんなの悩みを解決できるシャンプーはないものかと探していたところ、「ボタニカルファクトリー」の石けんシャンプーに出会ったのが「Kruhi」誕生のきっかけです。

多くのシャンプーを試した中で、「ボタニカルファクトリー」の石けんシャンプーを使ったあとの仕上がりのよさが忘れられなかった夫妻は、つくりたいシャンプーがあることを「ボタニカルファクトリー」に相談。「きしみをできる限り抑え、毎日使い続けられる使用感で、石油由来成分を使用しない石けんシャンプーをつくりたい」とリクエストしたところ、ほかでは何社もむずかしいと断られましたが、「ボタニカルファクトリー」には快諾してもらい、開発がスタート。1年でローンチまでこぎつけました。

「不健康な髪を改善してくれ、地球への影響も少ないものを考えました。何度も試作し、オイルが多いと髪が束になってしまうなど、オイルと水分のバランス調整が一番大変でした」と、井浦あいさん。井浦新さんは短髪ですし、お子さまたちは、髪が健康なため、エラーを感じることは少なかったといいます。あいさんが一番、いろいろ試したのだろうなと感じました。

「従来のシャンプーって洗い心地のいいものは多いのですが、仕上がりがいいのって探しても見つけられなくて」（井浦あいさん）

洗っているときより、仕上がりがいいものの方がうれしいのは万人共通ですよね。しかも、生分解性が5日間で98.9％。髪を洗った後、地球にも負荷が少ないのは、自分もきれいになって気持ちもやさしくなれますね。

デザートのような甘さを持ち合わせたみずみずしい香り

原材料は「Kruhi」がつくられるファクトリーのある鹿児島県大隅町産のパッションフルーツをアップサイクルしたものや、椿油パーム油などの自然由来のもののみ。ここで多くの人が気になるのが、「石けんシャンプー」ということではないでしょうか。一般的に、きしみが苦手と敬遠されることがある石けんシャンプー。「Kruhi」では、いわゆる「水」を使用せず、パッションフルーツ蒸留水を使用し、特有のきしみを抑えています。また、石けんシャンプーでアルカリ性に傾き、キューティクルが開いた状態の髪は、専用トリートメントで弱酸性に整えてくれます。髪本来のハリやコシを取り戻せ、頭皮環境も整えてくれます。さらにトリートメントは、必ずしも洗い流す必要はありません。なので、特に乾燥が気になるときは洗い流さず使うこともできます。筆者も、最初のうちは、洗い流さずそのままにしていましたが、使い続けることで髪の乾燥が改善されたのかしっとりするようになり、最近は、軽く洗い流すようにしています。その日のコンディションに合わせて使い分けできるのもいいですね。老若男女問わず使えるだけでなくペットにも使用可能なナチュラルさです。

気になる香りは「キャンディフォレスト」。オーガニックやナチュラルなヘアケアではなかなかめずらしい、甘い香りが印象的です。パッションフルーツ蒸留水と9種の天然精油がブレンドされた深いグリーンとさわやかな果実、花の香りが広がります。バスタイムは一日のご褒美時間やリセットする時間だからこそ、香りにこだわったそう。

「ナチュラルコスメで、今までにないものを作りたいと考えました。役を演じるときにも香りをつくっているので、サステナブルを新たな人たちに発信できるよう香りや見た目をユニークにしようと考えました。」（井浦新さん）

森の中のお菓子の家を思わせるオリジナルの香りは、最初は驚き、そして童話の世界に誘われるようなリラックスしたバスタイムを演出してくれます。

100％リサイクルのアルミボトル

シャンプーやトリートメントがアルミボトルに入っているなんて、なかなか見かけませんが、スタイリッシュで目を引きます。これは、リサイクル効率の高さから採用を決めたそう。プラスチックもリサイクルされてはいますが、残念ながら平行リサイクルはかなり少ない状況です。平行リサイクルとは、ボトルからボトルなど、同じものに生まれ変わること。その点、アルミは、自治体でのリサイクル回収率も高く、平行リサイクルも行われていることから採用を決めたのだとか。過剰包装も気になるため、パッケージにダイレクトに成分も表記しています。アルミ製であることから、輸送時に割れる心配もなく、緩衝材なしで梱包されて届きます。ここまでミニマムな梱包は初めてでしたが、潔さを感じました。また、「1％ for the Planet」に所属し、収益の一部を環境保全に寄付し役立てるための活動も行っています。

ボタニカル石けんシャンプーとボタニカルトリートメントに続き、2023年2月には、バームも登場しました。赤と緑の2色のマルチバームは、植物から抽出された自然の色を活かしたもの。同じくキャンディフォレストの香りで、自然由来成分100％で、顔、髪、全身に使えます。半年も経たず新たなアイテムが登場したので、今後も新商品が登場するのかと伺ってみたところ、バームは全身に使えることから、ヘアケア、全身ケアができる3つのアイテムを育てていきたいとのこと。

「自分たちのカラダへのやさしさを考えてつくったら、地球にもやさしかった」という井浦夫妻の家族を思う気持ちからスタートした「Kruhi」。ブランド名の語源は、大和言葉で「明日」「いつか来る未来」を表しています。明日もハッピーになれますように。そんな気持ちでヘアケアしたくなりますね。