日本人の3人に1人が高血圧?気になる高血圧対策に【里芋とわかめの味噌汁】管理栄養士のレシピ
素朴な香りと味わいで私たちを癒してくれる味噌汁は、日本人の食卓に欠かせない一品です。どんな具材とも相性がよく、おいしく食べられるところも味噌汁の魅力のひとつですね。味噌汁は食材との組み合わせ次第で、さまざまな健康効果が期待できる料理に変わります。今回は血圧上昇を抑える味噌汁の具材を紹介するので、高血圧に悩んでいる人は参考にしてください。
高血圧対策におすすめの具材は【里芋とわかめ】
里芋とわかめの健康効果
高血圧は日本人に多く見られる疾患であり、日本人の3人に1人が高血圧であるといわれています。放置していると生活習慣病につながるおそれがある疾患であるため、高血圧を甘く考えてはいけません。塩分の取り過ぎが高血圧の最大の原因であり、高血圧の予防・治療と食事は深い関係があります。そこで今回は、高血圧対策に役立つ味噌汁を紹介します。
高血圧が気になる人におすすめの味噌汁の具材は、里芋とわかめです。里芋特有のぬめりは、ガラクタンやグルコマンナンといった食物繊維によるものです。高血圧の主な原因は食塩、つまりナトリウムの過剰摂取といわれています。ガラクタンやグルコマンナンなどの食物繊維は、腸の中でナトリウムを吸着し、排出する作用があります。余分なナトリウムを体の外へ出すことで、高血圧を予防する効果が期待できるのです。
さらに里芋には、ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれます。カリウムは体内のミネラルバランスを調整し、余分なナトリウムを排出する作用がある栄養素です。里芋からカリウムを摂取することでも、高血圧を防ぐ効果が見込めます。
味噌汁の定番具材であるわかめは、マグネシウムが豊富な食材です。マグネシウムには、体内のナトリウムやカルシウムの量を調整する作用があります。ナトリウムの取り過ぎは高血圧をまねきますが、カルシウムも多く取り過ぎると血管を収縮させて血圧を上げてしまうため、マグネシウムの摂取が有効です。さらにマグネシウムには、血管を弛緩させて血圧を下げる作用もあるため、さらなる降圧効果が期待できます。
手軽に料理に使うなら、便利なカットわかめがよいでしょう。しかしカットわかめには塩分が含まれるので、気になる場合はわかめを一度水戻ししてから料理に加えてください。
味噌汁は高血圧をまねく?
味噌には塩分が含まれるため、味噌汁を飲むと高血圧をまねくのでは、と思うかもしれません。しかしさまざまな実験により、味噌には血圧上昇を抑える効果があることがわかっています。さらに味噌の原料である大豆は、マグネシウムが豊富な食材です。味噌にも、血圧抑制作用があるマグネシウムが多く含まれています。
余分なナトリウムを排出する作用があるカリウムは、里芋だけではなく、野菜や豆類、海藻などにも多く含まれる栄養素です。味噌汁にこれらの具材をたっぷり加えてカリウムを摂取することも、高血圧対策に効果的といえます。
里芋とわかめの味噌汁の作り方
【材料】2人分
里芋:大きめ2個
カットわかめ:大さじ1
塩:大さじ1
だし汁:350ml
味噌:大さじ1と1/2
【作り方】
1.里芋を洗って水気をよく拭き取り、包丁で皮をむく。大きいものは一口大に切り、塩をもみ込んで流水で洗い、ぬめりを取る
2.鍋に1と水を入れて、火にかける。沸いたら火を弱めて、7〜10分ほどゆでる。やわらかくなったら湯から上げて水気を切る。
3.カットわかめを水に5分ほど浸して戻し、水気を切る。
4.鍋にだし汁を入れて、火にかけて沸かす。
5.2を加えて、中火で3分ほど加熱する。3を加えてひと煮立ちさせる。
6.鍋の火を止め、味噌を溶き入れる。
里芋は水煮でもかまいませんが、冬に旬を迎えるおいしい生の里芋を使って、味噌汁を作ってみませんか?里芋は水気をよく拭き取ると、ぬめりを気にせずに調理できます。
AUTHOR
いしもとめぐみ
管理栄養士。国立大学文学部を卒業後、一般企業勤務を経て栄養士専門学校に入学し、栄養士資格を取得。病院給食、食品メーカーの品質管理、保育園栄養士を経験して2022年に独立。食が楽しくなるレシピを発信するほか、栄養・健康分野の記事執筆を中心に活動中。
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