21歳のバレリーナが義足で踊り続ける理由「骨肉腫と診断されれば絶望的になる。でも」伝えたい思い

 21歳のバレリーナが義足で踊り続ける理由「骨肉腫と診断されれば絶望的になる。でも」伝えたい思い
イメージ画像:Getty Images
長坂陽子
長坂陽子
2022-12-02

21歳のバレリーナ、カーラ・スクルビスが、大きな注目を集めている。

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21歳のバレリーナ、カーラ・スクルビス。3歳の頃からバレエを習い始め、大学ではダンスを専攻。今は国内を飛び回り子どもたちにバレエを教えている。そう聞くと世界中にたくさんいるバレエの先生の1人のように思える彼女が、今大きな注目を集めている。それは彼女が義足のバレリーナだから。

膝に感じた"温かい塊"の正体

2019年10月、大学1年のとき彼女は左脚の膝に鋭い痛みを感じ目を覚ました。バレリーナにとって脚は命。救急病院に行ったが原因は見つからず、彼女はそのままその学期を終えた。その後も違和感が続いたことから12月にカーラはクリスマス休暇を使って整形外科に行った。膝に何か「温かい塊」があるのを感じたが彼女は血栓だと思っていたという。

しかしレントゲン写真を撮った結果、その塊は腫瘍であることが判明。2020年1月に骨肉腫、つまり骨のガンであると診断された。骨肉腫はガンの中ではまれな事例と言われているが10代の思春期で発生しやすい病気であると言われている。カーラは診断を受けたときのことを雑誌『ピープル』にこう振り返る。「13歳のときに突然父が亡くなり、それを受け入れなくてはいけなかった。ガンもそれと同じだった。私をうちのめす予想外の出来事だった。心の準備ができていたわけではなかったけれど全力で立ち向かっていかなくてはならなかった」。

彼女は化学療法を始めるが、しばらくしてから左脚を切断する手術を受けることを決断する。「化学療法はつらかった。もちろん切断は私の人生を一変させるものだったけれど、ただ腫瘍を取り除きたかった。これ以上化学療法を続けたくなかった」。2020年4月に膝の上で脚を切断する手術を受けた。

入院中、彼女は小児骨肉腫と闘う子どもたちや家族をサポートする非営利団体「MIBエージェント」の存在を知る。この団体の支援で脚を失ったショックを克服していった彼女は新たな目標を見出す。1つは骨肉腫だと診断されたばかりの子どもをサポートし、治療法の発見に向けて研究を支援することだが、もう1つは脚を失っても夢を持ち続けることができるということを自分の身体を見せることで知ってもらうこと。この骨肉腫という領域を超える大きな目標のために、彼女は今義足を隠さず子どもたちの前に立ちダンスを教えている。

カーラは同誌にこう語る。「私はまた踊れるようになると信じ、絶対に諦めなかった。私は子どもの頃とても背が高くて他の子どもたちから好かれなかった。バレエはみんなからいい反応を得るための手段だった。同時に誰からなんと言われようと自分の身体を美しく感じられる空間でもあった」。脚を失った今も、自分を受け入れる場所であることに変わりはないとカーラは語る。「他の21歳と同じようには見えないけれど自分の身体を美しく見せることはできる。他の子がするようなこともできる。”自分の望むことを恐れずにやる”。バレエは私にとってそういう気持ちを示すもの」と話す。

今はMIBエージェントの若手メンバーによる諮問委員会のプレジデントとして活躍しつつ、医療環境にある子どもや家族に心理的、社会的な支援を提供するチャイルド・ライフ・スペシャリストになるための勉強をしているそう。「骨肉腫と診断されれば絶望的になる。でもそのせいで夢を終わらせる必要がないんだということを他の子どもや若者たちに私の姿で示していきたい」とカーラ。義足で踊る彼女の姿を紹介した同誌の記事には「あなたの強さに憧れる」「揺らがない決意を尊敬する」というコメントが寄せられている。

出典:21-Year-Old Dance Major Continues Ballet Following Bone Cancer, Leg Amputation: 'I Never Gave Up'

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。

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