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ダイエットや海外移住で本当に「自己肯定感」は高まるのか?海外在住パーソナルトレーナーが考えたこと


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海外に住んだら自己肯定感は高まる?
結論から言うと、海外に住んでも自分が好きになれるとは限りませんし、人生が好転するとも限りません。個性を尊重すると言われるニュージーランドや欧米諸国でも、「誰かから太った身体をからかわれた」とか「生まれ故郷は社会のプレッシャーがあって嫌だ」という話は聞きますし、モデルのような見た目をしている人でも「自分が醜くて嫌いだ」と、強迫感からジムに毎日通い出す人もいます。反対に、日本で「やっと自分の居場所を見つけた」と自分らしさを謳歌している人たちも沢山います。「日本を出たら幸福度と自己肯定感が爆上がりした!」という話題が人気になる一方で、こうしたケースはほとんど公になることはありません。「日本はダメで、海外はイイ」というメッセージじゃないと遠くに飛ばないのです。「海外移住は自己肯定感の決定打ではない」という話は人々の期待するシナリオではないのかもしれません。
「海外に出てみて初めて自分らしい自分を認められるようになった」という発見も「私が求めていたものは海外には無かった」や「日本にいる時の方がいい」という発見も、どちらもその人にとって必要だった発見です。その発見を他人がどうこうジャッジするべきものではないし、どちらが正解だと誰かが定義する必要はありません。
この違いは、美術館に行った時に、ある作品の前で雷に打たれたように感動する人もいれば、退屈してソファで居眠りする人もいるのと似ているかもしれません。「海外」という環境に自己肯定感を上げる魔法がかかっているのではなく、人によっては移住が自分の人生の可能性に気付くきっかけになる。それだけのことなのです。
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