ダイエットや海外移住で本当に「自己肯定感」は高まるのか?海外在住パーソナルトレーナーが考えたこと

 ダイエットや海外移住で本当に「自己肯定感」は高まるのか?海外在住パーソナルトレーナーが考えたこと
mikiko
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2022-10-04

自己肯定感というキーワードが注目されるようになり、「こうすると自己肯定感が高くなる!」という記事や本もよく見かけるようになりました。そのうちの1つ「海外に住んだら自己肯定感が高くなる」について、海外で指導をしているパーソナルトレーナーの視点から考えていることを紹介します。

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雑誌でも広告でも「痩せたら自信がつく…」「可愛くなって…」「かっこよくなって…」「モテて…」「着たい服が着れるようになって…」といった身体改革で自信を取り戻すための自己肯定感向上メソッドが取り上げられ、その注目が高まる一方の様子。年齢や性別にかかわらず、多くの人が自分に自信を持てるようになるための方法を探しており、その1つとして「海外に住んだら…」という話もあがります。日本の外の世界に希望を抱く人は多く、「日本にいると自己肯定感が下がる」「海外はもっと自由で幸福度も自己肯定感も高い」という話を一度は耳にしたことがあるのではないのでしょうか。

私が実際に海外生活をきっかけに自分を受け入れることができるようになった1人でもあるため、人から「やっぱり海外に住むと自分に自信が持てるようになりますか?」と相談されることがあります。しかし、日本を出て6年がたった今、私は「日本の外での生活に自己肯定感の魔法がかかっているわけではない」と答えるようにしています。自信の根本にあるのは、痩せた身体でも、綺麗な顔でも、キラキラな海外生活でもなく、「自分の人生を自分で操縦している感覚」だからです。

ダイエットや海外移住で生まれる自己肯定感

私はパーソナルトレーニングの指導をしている時に「痩せることが自信や幸せにつながるとは限らない」ということを軸に話します。10kg痩せたところで「まだ脚も太いし、こんな醜い自分を好きなんてなれない…」と泣いている人もいる。いくら身体が変わっても、ジーンズの上にちょっと乗った脂肪に1日の気分を台無しにされる人もいる。「痩せたら自信がつく!」と勘違いしている人ほど、いつまでたっても自分に自信が持てるようにならないのを現場で目にしてきたからです。

ダイエットの世界で自己肯定感を高めるのは、自分の身体を思い通りにコントロールできる安心感です。自分の好きな時に、自分の好きなように、体型や食事やライフスタイルをコントロール出来る感覚。「自分の身体を自分で操縦する」という小さな成功体験を重ねることが自信につながっていくんです。

海外生活には、それと似た「自分で人生を操縦する感覚」を掴むきっかけが沢山散りばめられているように思います。自分が生まれ育った環境を抜け出して、自分の好きな環境を”自分で選んで”移り住む。一度人生にリセットボタンを押すような、RPGで冒険に出かける日の朝のような、人脈も土地勘も全部イチから築きなおす、新たな章の始まり。残念なサプライズや失敗もあるけれど、それも自分で解決して学んでいくことになります。

「親ガチャ」という言葉もありますが、運だけで決まった環境とは対照的に、自分で選んだ、自分が住みたい環境に、自分の意志で、移住する。嫌だったら抜け出すことだってできる。自分の心が満たされない「与えられた」環境から抜け出し、自分にピッタリの「求めていた」環境に移り住むという「自分の意思でどうにでもできる環境」が自己肯定感や幸福度に影響しているのではないでしょうか。

その「求めていた」環境が海外にある人もいれば、生まれ故郷にある人もいる。国外移住までしなくても、別の環境に行けば見つかる人もいるのです。

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パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞



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