【プロが解説】紅茶界のシャンパン!旬の春摘紅茶「ダージリン・ファーストフラッシュ」魅力と楽しみ方
ロンドンに暮らしていた頃、公園の緑が鮮やかになるとハロッズに旬の紅茶を買いに出かけるのが楽しみでした。「今年の出来はどう?」と会話をしながら、カウンターで茶葉を量ってもらう至福のひととき。今回はイギリスの初夏の風物詩、ダージリン・ファーストフラッシュの魅力をお伝えします。
ダージリンが「紅茶界のシャンパン」と言われる理由
ダージリンの産地はインドの北東部にあるヒマラヤ山麓の高地です。
生産量が少なく、朝夕に発生する濃い霧が華やかで独特な香りを生み出すと言われています。その希少性と美味しさから「シャンパンオブティー」(紅茶のシャンパン)とも呼ばれ、世界中で愛されています。
茶葉のシーズンと異なる名称、それぞれの特徴は?
茶摘みの時期は3月から11月の間。産地であるダージリン地方には日本と同様に四季があり、春、夏、秋に茶葉を収穫します。
春摘み(3~4月)
「ファーストフラッシュ」と呼ばれ、最初に摘まれる茶葉です。草原の中にいるような爽やかさと、キリッとした渋み、華やかな香りのバランスが良い、春の喜びを詰め込んだような味わい。淹れた時の黄金色の水色(すいしょく)とあわせて楽しめます。
夏摘み(5~6月)
「セカンドフラッシュ」と呼ばれ、夏の陽ざしを浴び成長した茶葉はマスカットフレーバーと呼ばれる芳醇なフルーティーさが魅力です。
秋摘み(10~11月)
「オータムナル」と呼ばれ、円熟した茶葉からはほのかな甘みを感じます。初めてダージリンを飲む方に向いていると言われる優しい味わいが人気です。
初夏の「ダージリン・ファーストフラッシュ」の楽しみ方
気温が少しずつ上がるこの季節、旬の春摘みダージリンを楽しむなら、水出しアイスティーがおすすめです。
作り方はいたって簡単。茶葉15gをボトルに入れ、浄水かミネラルウォーター(できれば軟水)1Lを注いで冷蔵庫で一晩寝かせるだけです。翌朝にはレストランで飲むような本格的なアイスティーが完成します。
24時間以内に飲み切るのがよいでしょう。ホットティーの場合は和菓子とあわせると茶葉のほのかな苦みとあんこの甘みが相性抜群ですよ。紅茶のシャンパンの魅力を引き出すペアリング、是非お試しください。
*茶葉は加熱を前提としているものもあります。紅茶を買う時にお店で水出し可能か確認してください
Happy Tea Time!
AUTHOR
林原真澄
紅茶コンサルタント /(株)Masumi English Tea NY代表取締役。ロンドンで紅茶の専門家としてキャリアをスタートし、英国紅茶会社のブランドアンバサダーとして世界の5つ星ホテルで紅茶研修やイベントを数多く手がける。その後NYに拠点を移し、セミナーの主宰や執筆活動をへて帰国。16年の海外経験をいかし、東京で紅茶の可能性を広げる活動を行う。現在は、企業向けのティーコンサルティングや研修を中心に、ブランドや飲食店とのコラボレーションを実施。南青山のヴァルカナイズ・アカデミーにて「モダン・ブリティッシュティークラス」を毎月第3金曜日&第4水曜日開講中。★★ハーニーアンドサンズ紅茶セミナー9/26(火)募集中です。
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