【紅茶が楽しくなる基礎知識】「アールグレイ」ってどんな紅茶?特徴と茶葉の選び方
こんにちは、紅茶コンサルタントの林原真澄です。ロンドンとNYを経て、いまは東京から、紅茶をおいしく楽しむライフスタイルを提案しています。今回は、世界中で愛されているフレーバードティー「アールグレイ」をご紹介します。
名前の由来
Earl Greyは英語で「グレイ伯爵」の意味。1830~34年にイギリスの首相を務めたチャールズ・グレイ(第2代グレイ伯爵)に由来すると言われています※。伯爵が中国に外交使節団を送った際に現地高官の窮地を救い、そのお礼に献上された柑橘の香り付きのお茶を大変気に入りイギリスでその味を再現したのが始まりです。※諸説あります
アールグレイの特徴
フレーバードティーは、香りを吸収しやすい紅茶の特性を生かしてフルーツやスパイスの香りを付けたお茶全般をさします。アールグレイの場合は、ベルガモット(イタリアが原産の柑橘系の果物)で香り付けをします。ベースになる茶葉は伝統的にはキーマン(安徽省キーマン市で作られる中国を代表する紅茶のひとつ)とされますが、現在は、スリランカやインドの紅茶を使ったり緑茶や白茶を使ったりすることもあり、幅が広がっています。ブルーに輝くコーンフラワー(矢車菊)が加えられることが多いのも特徴です。
アフタヌーンティーでも人気
紅茶の本場イギリスでも、アフタヌーンティーに欠かせないお茶として親しまれています。ホットでもアイスでも楽しめ、ホテルやレストランではアイスティーがウェルカムドリンクとしも重宝されています。白身魚やスモークサーモンとの相性が良くまたスイーツでは同じ柑橘であるレモンのマカロンやタルトと合わせると抜群のマリアージュが楽しめます。基本的にはストレートで飲みますが、with milkを前提に作られている茶葉もあり、個人的にはロンドンの老舗ブラウンズホテルで飲んだ、ミルクを入れる前提でブレンドされたアールグレイの感動が忘れられません。
茶葉の選び方
アールグレイは、ベースになる茶葉や香料でまったく味が変わります。選び方のポイントは2つです。
香料
ひとつは天然香料を使用していること。人工香料と違って後味がすっきりし、茶葉の風味を感じられます。
ベース紅茶の種類
ふたつめは、ベースの紅茶を確認することです。スモーキーさがお好みならキーマン、きりっとした風味がお好きならダージリン、すっきり系ならセイロンがおすすめです。
ひとくちにアールグレイと言っても、味も香りもさまざまです。ぜひ、お好みの一杯をみつけてください。茶葉でもティーバッグでも、沸かしたての熱湯で淹れることをお忘れなく。茶葉とベルガモットの香りに癒され、ホッと一息つく素敵な時間につながりますように。
Happy Tea Time!
AUTHOR
林原真澄
紅茶コンサルタント /(株)Masumi English Tea NY代表取締役。ロンドンで紅茶の専門家としてキャリアをスタートし、英国紅茶会社のブランドアンバサダーとして世界の5つ星ホテルで紅茶研修やイベントを数多く手がける。その後NYに拠点を移し、セミナーの主宰や執筆活動をへて帰国。16年の海外経験をいかし、東京で紅茶の可能性を広げる活動を行う。現在は、企業向けのティーコンサルティングや研修を中心に、ブランドや飲食店とのコラボレーションを実施。南青山のヴァルカナイズ・アカデミーにて「モダン・ブリティッシュティークラス」を毎月第3金曜日&第4水曜日開講中。★★ハーニーアンドサンズ紅茶セミナー9/26(火)募集中です。
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