【世界の更年期】ドイツ女性の更年期をサポート|ホットフラッシュや生理不順を和らげる3つのハーブ

 【世界の更年期】ドイツ女性の更年期をサポート|ホットフラッシュや生理不順を和らげる3つのハーブ
Getty Images

ドイツのドラッグストアを覗くと、更年期症状を緩和する紅茶やオイル、サプリメントなどがずらりと陳列されており、その種類の多さに驚きます。これらの売り上げはマーケットでもかなり大きな比重を占めており、メノポーズへの関心の高さが伺えます。健康問題に非常に関心の高いドイツ女性は、更年期をどのようなものでやり過ごしているのでしょうか。

広告

世界共通の女性の関心事「メノポーズ」

更年期は人生におけるただの通過点であり、病気ではありません。しかし日本では更年期症状の話題に触れる事がためらわれるように感じます。一方で、ドイツの女性たちは比較的オープンにお互いのことを話し合うため、多くの有益な情報交換を行うことができます。逆に言えばオープンにするのは当たり前の事とみているため、積極的。いつでも話し相手に困らないことは、私たち女性のメンタルに非常に良いと感じます。

最後の生理を終えてから正式に「メノポーズ」と呼ぶのですが、ドイツ人女性の平均は51歳。私の知人たちの経験談では、主にめまい・イライラなどの気分のムラ・不眠症・体重増加・デリケートゾーンの乾燥などに悩まされているといいます。あまりに酷いうつ病に悩まされてしまう人もちらほらいて、これが決してレアケースではないのが怖いところ。またドイツ人女性の3人に1人は5年以上の酷いホットフラッシュに悩まされているとか(ドラッグストアのマガジン「Apotheken Umschau」Wechseljahre: Beginn, Symptome, Hilfe bei Beschwerden | Apotheken-Umschauより)。何かがあるとすぐに医者にかかる日本人に対し、ドイツ人はまず自宅で何とか対処しようとします。その理由からもハーブは手軽で、非常に人気なのです。

アーユルヴェーダで使用されるインド・ハーブ「シャタバリ」が人気

副作用などの心配から、更年期症状にもできるだけ自然のものを取り入れたいドイツ人女性たち。日本人の私たちが漢方を重宝するのを考えれば、古来からの「ハーブの知恵」に頼るのは納得がいきます。ドイツで現在もっとも手に入れやすく、そして多くの女性に愛用されているハーブ3つを挙げてみました。

シャタバリ(Shatavari)

シャタバリはアスパラガスの種。女性ホルモンのバランスを整えてくれる植物性エストロゲンとして知られており、生理不順やその他更年期特有の症状全般を和らげてくれる働きが期待できます。通常カプセルに入っており、無味無臭。「滋養強壮」や「アンチエイジング」のサプリメントとしても人気であるが、商品の質を見極めて購入するのがお勧め。

セージ(Salbei)

ドイツでは歯が痛い時に葉っぱを口に中に入れ、クチャクチャと噛む子供が多く見られます。身近なハーブであり自宅でも育てやすく、肉料理などにもよく使用されるほど。そう、セージは炎症を抑えてくれるハーブとして極めて効果的と言えるのです。セージに含まれるサポニンや、エッセンシャル・オイルに含まれる成分ツジョン(Thujon)が、手・足の発汗を防ぎ、またホットフラッシュの熱を取ってくれます。新鮮なハーブ、もしくは乾燥させた葉っぱにお湯を注ぎ、8分ほど待ってお茶としていただくと良いです。一日3回ほどに分けていただき、これをおよそ3週間に渡って続けると、あらためて改善効果が期待できます。

ハゴロモ草(Frauenmantel=ラテン語名はAlchemilla vulgaris)

ハゴロモ草は葉の周りがギザギザしているのが特徴的な植物。名前が「Frauen=女性、 Mantel=コート」とあるだけあって、古来から更年期症状緩和には欠かせないハーブです。子宮だけでなく骨盤辺りの臓器に特にやさしく働きかけ、生理不順を解消。女性が本来の姿のまま、自然に健康にいられるためのハーブといったらハゴロモ草だったようです。ホットフラッシュの「熱さまし」に大きく働き、ホルモンバランスを整え体温調節を行ってくれる。心も体も包み込んでくれる、まさにコートのような存在。これも新鮮な葉っぱ、もしくは乾燥させた葉に熱湯を注ぎ、およそ12分ほどゆっくりと淹れていただくのがおすすめ。

ハーブとはいえ、使用量を正しく守っていただきたいです。そして副作用に心配が少ない半面、効果には個人差が大きいのが特徴です。もしこれらのハーブに頼っても症状が改善しない場合、早い段階で医師に相談し、指示に従って症状に見合う薬を服用されることをおすすめします。いずれにせよ、ハーブが改善の糸口となり、気持ちの良い穏やかな更年期をおくれたらいいですね。

 

 

 

 

 

広告

ドラッグストアのマガジン「Apotheken Umschau」Wechseljahre: Beginn, Symptome, Hilfe bei Beschwerden | Apotheken-Umschau

AUTHOR

キュンメルめぐみ

キュンメルめぐみ

外資系企業勤務を経て、ストラスクライド・ビジネススクールにて経営学修士号(MBA)を取得。1999年独渡。現在はお茶ソムリエ・栄養士・ヨガインストラクターとしてカルチャースクールで教室を開催する傍ら、個人やスポーツ選手の栄養アドバイスなども行っている。日々のつぶやきをnoteで発信中。



RELATED関連記事