更年期女性を悩ます「ぽっこり首」解消法【アンチエイジングではなくスローエイジング】
40歳を過ぎて、鏡や写真に映る自分の後ろ姿を見た時に「あれ…なにか違う」そんなことに気づく方がいらっしゃるのではないかと思います。その一つに首の根元がぽっこりとしてくる通称「ぽっこり首」がありますが、これが年齢を感じさせるだけでなく更年期女性の体調にも関わりがあるのです。今回はこの「ぽっこり首」を解消するセルフケア方法をご紹介します。
なぜ「ぽっこり首」が出来上がるのか
ぽっこり首の原因は「姿勢の崩れ」です。
体重の約10%ほどの重さのある頭を、首と胴体が連携して支えていますが姿勢が崩れることで首に大きな負担がかかります。
そして、湾曲しているはずの頸椎の配列が真っ直ぐになる「ストレートネック」となり、見た目は頭が前に出ている状態にとなります。
こういった姿勢が元となって、頭を支える首の後ろの筋肉が過剰に働き続けてしまい筋肉がガッチガチになります。この状況が長く続くと、血流・リンパの流れが悪くなって浮腫も重なり脂肪がつきやすくなった結果、首の後ろが盛り上がってきてしまうのです。
ホルモンのゆらぎで体調が左右されやすくなる更年期世代の女性はこのぽっこり首には要注意です。
40代を過ぎた女性は以下のようなストレスが多くかかりやすくなり、それが姿勢が崩れてしまう原因となります。
☑︎構造・環境のストレス
長時間のデスクワーク・スマポを見る・家事・育児、など体の前で行われる作業が続くこと、そういった負担が増えることが挙げれれます。
☑︎精神的ストレス
家庭・家族・社会的な変化が多い年代で、精神的なストレスを抱えやすいことが挙げられます。
こういったことが起こる更年期世代。
年齢と共に丸みのある姿になるのは美しさの一つですが「ぽっこり首」になるほど首に負担をかけていると、それが肩こり・頭痛・めまいといった症状だけでなく、生理トラブル・女性ホルモンバランス・メンタルバランスなどに影響を及ぼすことに繋がるのでセルフケアをして改善していきたいところです。
ぽっこり首を解消するスローエイジングエクササイズ
ぽっこり首を解消しやすくする簡単なマッサージ&エクササイズをご紹介します。
スローエイジングとは、年齢に抗うというアンチエイジングに対して、歳を重ねることに合わせて生きていく/ゆっくりと歳を重ねていく、という考え方です。
年齢と共に起こることを受け止めて、自身の体の環境を良くできるようにセルフケアしていくのが「スローエイジングエクササイズ」です。
今回は、ぽっこり首の原因となる一番表層にある「僧帽筋」の緊張を緩めてから、胸を広げ首の動きを良くするエクササイズを行うことで、自然と正しい筋肉の使われ方が始まりぽっこり首が解消されやすくなる内容です。
ぽっこり首を解消するには、日頃からセルフケアをしていくことが大切です。デスクワークや家事育児の合間そして夜寝る前など、1日の間で数回行うことをお勧めします。
やり方
首の両側の筋肉を中央にぎゅーっと寄せる。首の根元から頭の方まで行う。
首の筋肉を中央に寄せたまま、顎を上下に動かす。
右手を左肩の根元に回し、ぽっこり首になっているところのお肉を絞るように摘んでははなす、これを繰り返す。反対側も同じように行う。
右手を前から回して左の首の骨の横の筋肉をそーっと掴みながら顔を左向きに回す。上から下までまんべんなく行う。反対側も同じように行う。
後ろで手を組んで肘をできるだけ寄せたら、腕をまっすぐできる限り伸ばす。
首の後ろで手を組んだら顎をひき、そのまま頭を手のひらに向かってグッと押し当てる。
女性は首周辺のコリをほぐすことが大切
首は脳の一部で、首の一番上には自律神経の中枢でもある「脳幹」が存在しています。
構造・環境・メンタル的ストレスによって頸椎の配列が悪くなり首周辺の筋肉が硬くなると、自律神経のバランスに影響が出やすくなります。自律神経と女性ホルモンバランスには繋がりがあるため(参照:【あなたはどのタイプ?】女性の不調に関わる自律神経4つのタイプと知っておきたい対策法)、40歳を過ぎて女性ホルモンの揺らぎが起こる世代には体の方からサポートするべくケアをしておくと良いでしょう。
また、なかなか解消されないコリやハリは、女性ホルモンと関係しています。女性ホルモンの一つである「エストロゲン」は血管壁を柔らかく保つ働きがありますが、このエストロゲンの分泌が減少することで血流が悪くなりコリやハリを感じやすく、また悪化しやすくなります。心配な方は、婦人科で相談をしてご自身の体の状況を知り、必要に応じて女性ホルモンをサポートできるお薬などを取り入れることも良いでしょう。
AUTHOR
とみよし美里
女性専門トレーナー/ヨガ講師/食事療法士/官足法指導員。 日本最大手ヨガスタジオのプログラム開発、WEBコンテンツの製作、本、雑誌等、日本のヨガ業界に関わる。近年は女性をターゲットにした血流・代謝・排泄機能を改善する食養生と心身管理の方法論を追求している。妊娠、産後、更年期、ストレス、不眠、高血圧、自律神経失調、もの忘れなどのカリキュラム開発および指導者育成を行っている。
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