「相手を好き過ぎた過去の自分が恥ずかしい」彼女が恋愛をこじらせた理由|かくれ繊細さんの恋愛

 「相手を好き過ぎた過去の自分が恥ずかしい」彼女が恋愛をこじらせた理由|かくれ繊細さんの恋愛
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かくれ繊細さんは、好奇心旺盛で、感受性の高い人たちです。 普通の人たちから見たらメンドクサイ反応や思考回路を持っているので、自信をなくすことが多い。その反面、観察力、洞察力、想像力、集中力に優れているので、その力の扱いようによってはすごい力を発揮します。 「いったいどうやったら結婚できるの?」という疑問をいただくことも多いので、この方たちの恋愛・結婚について(果てしなさそうですが)傾向やちょっと一般的でないこだわりや落とし穴があることがわかっていますので、そこを掘り下げてみたいと思います。

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かくれ繊細さんにとっての結婚とは「モヤモヤすることの集合体」

結婚って、女が男と「あなただけと一生一緒にいる」と決める作業です。

これって、かくれ繊細さんからしてみたら、ちょっと想像したくないものだったりします。

かくれ繊細さんは、一過性の恋愛や、逃避行的な隠密旅行(いや、隠密でなくてもいい)や、ちょっとした同棲には、ものすごく関心がありますし、積極的に行動すると思います。

でも、じゃあいざ、世帯を持つとなると「おじいちゃんとおばあちゃんになったら縁側でふたりでゆったりしようね」という先のことを「望まなければならない」。

ああもう、このあたりでモヤモヤするんじゃないかと思います。

自分がそのことを望んでいられるのかどうかわからないずっと先のことを、望んでいるフリを少なくともしなければならない(文字で書くと、すごくひどいことを言っているように見えるから怖いです)。

かくれ繊細さんの特徴については、ご本人にしかわかりえないところが多々あると思うので、一般からの批判をうけそうな書き方になるのはツライですが、それを覚悟の上で申し上げますと、かくれ繊細さんはまっとうでない自分を隠して生きている人たちです。

そのことに気づいているかどうかで、この部分についての反応はおそらく大きく異なると思います。「誰だって、まっとうでないところ、非社会的な面は持ち合わせているんだから、自分だけが特別まっとうでないということではない」と思いたいかもしれません。それもその通りかと思います。おそらく、誰もが、まっとうでない部分は持ち合わせています。ですが、かくれ繊細さんから見たら、その「まっとうでなさ」は「まっとうな範疇」での「まっとうでなさ」なのです。

具体的な例を挙げるとしたら、常識の範囲内での男女交際は1対1ですが、「わたしちょっとまっとうじゃなくて」という範疇に「私、つきあっている人がいるのに、他の人が気になってる」とか「私、彼女がいる人を好きになってしまった」とか「奥さんいる人がカッコいいと思ってて困ってる」とかです。ところが、かくれ繊細さんは「彼氏?体の関係を持ってる人は〇人いる。そのうちの一人は既婚者で、別の一人はいきなり体の関係から入った相手。ノリで時々会ってる。お金もらってる人は、今は、いないかな」という状態だったりしますが、その状態にあることは、常識の範囲をいったん意識するとおくびにも出せない。なので、職場では黙っていて、「自分、まっとうな人たちの範囲内にいますよ」という醸し出し方をしているのですね。

かくれ繊細さんみんながみんな、こんなふうにアウトサイダーなわけではないです。ひとりの中でも、このような極端な自分を強く律する必要があって「だらしない恋愛」をしない時期があります。人によっては、ずっとそういう「だらしない恋愛」を忌み嫌い続けてしまっているかもしれません。

それは、「まっとうさ」を守るためで、間違ってはいません。

社会から抹殺されないように、我が身を守る必要は、誰にだってありますから。

そういった前提の上で、ここからは「まっとうな人とつきあっていると、自分がまっとうじゃないことを思い知らされる」という話になります。

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AUTHOR

時田ひさ子

時田ひさ子

HSS/HSP専門カウンセラー。繊細で凹みやすいが同時に好奇心旺盛で新しいものへの探求欲が旺盛なHSS型HSPへのカウンセリングをのべ5000時間実施。講座受講生からのメール、LINEのやりとりは月100時間以上。著書に『その生きづらさ、「かくれ繊細さん」かもしれません』(フォレスト出版、2020年)がある。



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