「パパと瓜二つ」という言葉に傷ついて|2世セレブが告白した身体醜形障害と知られざる苦悩

 「パパと瓜二つ」という言葉に傷ついて|2世セレブが告白した身体醜形障害と知られざる苦悩
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長坂陽子
長坂陽子
2022-03-05

「お父さん似ね」「お母さんにそっくり」と言われた経験がある人は多いのでは? この言葉に深く傷ついて思春期を過ごしたことをある2世セレブが告白、注目を集めた。

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その2世セレブとはタルーラ・ベル・ウィリス。父は俳優のブルース・ウィリス、母はデミ・ムーアである。トップクラスの売れっ子俳優を両親に持つ彼女は幼い頃からマスコミや映画ファンたちの注目を集めてきた。

母ではなく父に似ている自分に腹を立てていた

彼女は昨年、自分が身体醜形障害であることをSNSで明かした。聞きなれない障害だけれどこれは、実際にはそうではない、あるいは他人からはよく見てもわからない程度の些細な外見上の欠点にこだわりコンプレックスを持つ精神疾患。醜形恐怖とも言われる。タルーラは自分が「多分生まれたときから身体醜形障害に苦しんできた」と綴る。それは「幼い頃から、悪気があってもなくてもみんなに『パパと瓜二つ』と言われてきたことが根底にある」「外見重視のハリウッドでアクションヒーローの父親にそっくりというのは褒め言葉ではない。母に似ている方がいい、と思っていた」。

ブルース・ウィリス
2008年に撮影された、父ブルース・ウィリス(写真左から2番目)とタルーラ、母デミ・ムーア(写真右)の家族ショット。photo by Getty Images

母に似ていないことをコンプレックスに思うあまり自分自身を傷つけていたという。その結果、摂食障害や飲酒など自己破壊的な行動に。「母ではなく父に似ていることを理由に自分を罰していた。私は自分が愛されない唯一の理由が男っぽい顔にあると信じていたから父に似ている自分に腹を立てていた。でもそれは間違っていた」。

外見にこだわるようになるきっかけはほんの些細な言葉だったりする

「どんな人生のステージでも、どんな体型でも、どんな髪型でも私は本質的に価値がある。あなたもそう。外見を修正しようとする前に自分の心の中の傷を癒す必要がある」と同じようにコンプレックスに苦しむファンにメッセージを送ったタルーラ。さらにこんなアドバイスも。「あなたの周りにいる特別で多感な心を持つ人たちを気遣って。彼らがSNSを通して、心に何かを引き起こす可能性のある画像とか外見に過度にこだわるようになるきっかけに触れるかもしれないことに気を配ってほしい」。SNSでなくてもそれは同じ。例えば何の気なしに口にしたルックスに対するコメントが相手に大きな傷を残す可能性あり。タルーラの告白は「お父さんに似ているね」というよくある言葉が加害者になってしまう可能性を教えてくれる。

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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