クリスティン・デイヴィスが語る「SATC新章」と年齢差別への批判
1990年代から2000年代にかけて世界中で大ヒットした「セックス・アンド・ザ・シティ」。昨年その続編の「AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章」が制作された。残念ながらキム・キャトラル演じるサマンサは登場しないけれどついに完成、日本でも配信が始まった。
「セックス・アンド・ザ・シティ」では30代だった主人公のキャリー、ミランダ、シャーロットの3人も50代に突入。続編では年齢を重ねて変化した彼女たちの人生、そして変わらない友情を描いている。シャーロット役のクリスティン・デイヴィスが今、この年代の女性を描いたドラマを作る意味をウェブサイト「ニュービューティ」のインタビューで語っている。「オリジナルのドラマを作ったとき、私たちはこれをセックスについて赤裸々に語る場所にしたかった。1998年にこのドラマが始まったとき、それは衝撃的なことだった」。当時は男女差別があって女性がセックスを話題にすることが批判されたと指摘する。今度の続編はエイジングについて語る場所にしたいとも。「今は年齢差別があるから。年を取ったからといって私たちが面白いストーリーが語れないというわけではない」。50代の女性たちにも物語があると話す。
クリスティンの指摘する年齢差別はこの続編を巡る報道にも見られた。クリスティンたちがロケをする様子をパパラッチがキャッチ、一部のマスコミがそれを見て「老けた」「年齢には抗えない」とからかったのである。クリスティンはその報道について「人目に晒されながら年をとること、今の自分を若い頃と比べられるのはとてもストレス」と話す。「普通の暮らしをしていれば気にしなかった。私は健康だし体力もある。だから快適に年齢を重ねていたと思う。でもテレビに出ていると違う。外見が細かいところまでじろじろ見られ、評価される」とクリスティン。「そう言われるたびに若い頃の自分を思い出して『昔は綺麗だった』と感じるのはつらい」。
続編ではキャリー役のサラ・ジェシカ・パーカーやミランダ役のシンシア・ニクソンが白髪を染めずありのままの姿で登場。年齢を受け入れ楽しむ姿勢を示した。オリジナルのドラマが数々のトレンドを生み出し女性たちのセックス観や恋愛観を変えたように、続編も女性たちの意識を変えていくのか注目が集まっている。
AUTHOR
長坂陽子
ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く