「軸があるから、世間に合わせることも外すこともできる」ニガミ17才岩下が語る、独自の表現スタイル

 「軸があるから、世間に合わせることも外すこともできる」ニガミ17才岩下が語る、独自の表現スタイル
ニガミ17才 平岩下優介(vocal)

お洒落且つ変態な楽曲を表現し、話題沸騰中のバンド、ニガミ17才のボーカリスト岩下優介インタビュー。「世の中の基準からあえて外す」という独自の世界観をどのように仕掛けているのか。自分の信じるものを貫く表現をする理由とは? 古くからの友人であるヨガジャーナルライター臨床心理士の石上が、コロナ禍で思うことやリフレッシュ法、ニガミ17才が目指すクリエイティブについて話を聞いた。

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漠然とした不安を抱えているなかで、達成感と一体感が欲しかった

ーーーコロナ禍によって、閉塞感や変化を感じることはありましたか?

「ライブができないことは大きかったよね。曲が育っていかん。ただ、ライブができないこと自体を楽しめたような気もするんだよね。じゃあどうする?と。コロナ禍でメンバーも、ファンの子達も、みんなどうしよう……みたいな漠然とした不安を抱えていたから、2020年にニガミ17才公式YouTubeチャンネルで17時間トーク配信をしたんだ。バンド名にかけて「217項目の挑戦」を掲げて、メンバー、スタッフ、視聴者も参加して、一丸となって達成に向けて挑戦して、最後に都内ライブハウスでの無観客ライブ配信をする「ニガミ17じかん」という試みで。達成感や一体感が欲しかったから。」

ーーーコロナ禍で未来が見えない不安の中、17時間先のゴールを設定することで、未来を作っていくような達成感を得られたのですね。実際にやってみてどうでしたか?

「そうね、実際に17時間配信でニガミチームは強くなったよ。打ち合わせの機会も増えたし。何に向かっていけばいいか分からなかったから、そういう少し先の未来をイメージしたり、目標を持って取り組むことは意味があるのかもね。」

ーーー岩下さん自身は、ストレスを感じる時や落ち込んだ時、どんな方法でリフレッシュしているのですか?

「今はコロナだから行けないけど、バンドメンバーで飲みに行くことかな。とにかく、スタッフとかメンバーとバンドのことを話しているときが癒される。自分は音楽が軸なわけやん。それについてみんなで話している時間は、落ち込みようがないというか。いつもポジティブになれる。楽しいんだよね。」

ーーー抱えている問題から目をそらすんじゃなくて、現実的に問題を解決していくことで安心できるタイプなんですね。

「そうね。それにバンドの話をしている時に、17時間ライブとか突拍子もないことが出るのも楽しいしね。」

ーーー現実にやれることを考える中で、閉塞感に風を吹き込むようなクリエイティブなアイディアも降ってくるんですね。岩下さんは、コロナ禍で音楽ができる事はどんなことだと考えているのですか?

「どんなことが起きても、変わらないでいることじゃないの。コロナ禍でラーメンの味を濃くしました言われても、意味わからんし。俺らは選ばれる方やから……寄り添える場所としていつもそばにいて、寄り掛かられても折れないようにただ幹を太くしていくだけ。リスナーの皆さんが寄り掛かりたいところに寄りかかればいいし、コロナ禍やからって軸をブレさせて、音楽ができることってなんだろうって考えるのも、なんか違うなって思う。コロナ禍関係なしに音楽ができることは、自分という専門店の軸をしっかりさせること。それが結果的に、誰かの傷ついた辛い気持ちを癒せるのかもしれないしね。」

世間と基準を同じにした上で、そこを外していきたい

ーーー8月末にニガミ17才主催ライブを開催されるそうですが、どんなコンセプトの企画なのですか?

「さっきも話した17時間配信トーク&ライブイベントが達成感をテーマにしたというところで、今年の企画はお祭りみたいにしようと最初は考えていて。余興があったり、知り合いの芸人さんに出てもらったりとか。「楽しかったね今年の夏も」って言ってもらえるようなことをしようと思ったんやけど、今、みんなが見たいものは、お祭りよりも『純粋な音楽ライブ』じゃないかなと思い始めて方向性を変えました。

コロナ前はお祭りをやりたかったから、俺らもバラエティ番組出たり、音楽を知らない人も楽しめるようなバンドになりたかった。それが今この状況でさ、音楽を純粋に見せる必要性に気付いたんだ。音楽ってすごいなって。そこに焦点を当てるってことで、シンプルな2マンにガラリと変更したの。だから、今回は会場にお客さんを入れて、配信はやらないことにした。」

ーーーどのような人に来て欲しいですか?

「来たい人はみんな来てほしい。特に、今きついと感じている人にも来て欲しいわ。あとは、音楽に乾いている人、ニガミ17才が好きな人は当然来て欲しい(笑)。俺らは選ぶ立場じゃないから、どんな人でも気になってくれる人は来てほしいな。」

ーーーこれから音楽でやっていきたいことや今後の活動予定はありますか?

「ニガミ17才はみんなが抜けるまで、もしくは俺が死ぬまでは続けたいと思っている。これからの音楽でやっていきたいことは、今はニガミ17才で『世間と基準を同じにした上で外していきたい』というのがあるから、世間がどうなるかで、俺の音楽感は変わっていく。世間の基準をお題としてどこに外すのが面白いかな、っていうのをやり続けていく。」

ーーーお題の感覚なんだ。つまり、大喜利やってるのね?(笑)。自分たちの軸をもちながら、世の中の流れもしっかりとらえていく、できるようでとても難しいことだね。

「個性的だと言われるけど、俺は韓国ドラマもtiktokも見るし、瑛人の『香水』とかバズっている音楽のMVとかも何度も見るし、世の中をとらえてお題を作るような感覚でやっているかも。コロナになって、俺らが今までやっていたことも今は違うかもねという話になっているから、世間の動きによって変えていくののかな。でも、俺らなりのぶれない軸を持っているから変われるのだと思うよ。」

▶岩下優介インタビュー前編:超個性派アーティスト、ニガミ17才岩下「ダイバーシティを音楽で体現することが、俺らの理想」

岩下優介(いわした・ゆうすけ)
ニガミ17才ボーカル。ニガミ17才は、おしゃれ且つ変態な楽曲の表現。というテーマのもと、2016年に結成された岩下優介(vocal)、平沢あくび(synthesizer)、イザキタツル(bass)からなるクリエイティブバンド。メンバー全員偶数月生まれ。約1年半ぶりの自主企画「ニガミ17才と」8/27(金)に開催!チケット一般発売中!詳しくは公式サイトにて。

自主企画「ニガミ17才と」

日時:8/27(金)
会場:Zepp DiverCity
出演者:ニガミ17才 / 打首獄門同好会
料金:前売 ¥6,000 別途ドリンク代
開場 17:15 / 開演 18:00

岩下優介(いわした・ゆうすけ)
ニガミ17才ボーカル。ニガミ17才は、おしゃれ且つ変態な楽曲の表現。というテーマのもと、2016年に結成された岩下優介(vocal)、平沢あくび(synthesizer)、イザキタツル(bass)からなるクリエイティブバンド。メンバー全員偶数月生まれ。

ニガミ17才
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ヨガジャーナルオンライン編集部

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ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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