骨盤と太ももの骨である大腿骨をつなぐ股関節は、脚の付け根部分にあたります。大腿骨頭(大腿骨の先端)は球状になっているため、前後・左右・捻りの3次元方向に動かすことができます。
股関節にはさまざまな筋肉が繋がっていますが、私たち人間は前後の動きが中心の二足歩行の生き物のため、3次元的な動きを日常的に行うわけではありません。そのため使われる筋肉にも偏りが出てしまうので、その部分をほぐすことはとても有効です。
ただし、股関節は下半身の動作の起点として重要な役割を担うだけでなく、上半身と下半身をつなぐ土台となる役割もあります。弱りやすい筋肉を鍛え股関節が安定することで、立っている時や歩いている時の重心も安定し、どこかの筋肉が過度に緊張して張り出すということも防ぐことができます。
柔軟性だけを重視するのではなく、関節のはまりを安定させるための筋力アップも大切になってきます。
恥骨筋はいわゆる内ももと呼ばれる内転筋群の一つです。内転筋群の中でも最も脚の付け根に近いところに位置していて、太ももを内側に振ったときに使われるインナーマッスルです。脚を内側に振る動作は日常生活ではほとんどないため、弱りやすい部分でもあります。
恥骨筋をはじめとした内転筋群が弱ると、脚のラインが崩れるだけでなく股ずれを引き起こすことも。脚の付け根に近いインナーマッスルを鍛えることで大腿骨頭が正しくはまり、股関節の安定につながることが期待できます。
1)仰向けになる。
2)片方の膝を立て、立てた方の足は伸ばしている脚の膝の横にセットする。
3)腰の下に手の平1枚分のスペースを作る。
4)お尻が浮かないようにしながら、立てている方の膝を内側に倒す。(30回程度)
5)どうしても浮いてしまう場合は自分の手で腰骨を押さえて行う。
6)反対側も同じように行う。