「単なるスキンケアではない」アリシア・キーズが自身のビューティブランドに込めた思い
2001年のデビューアルバムでグラミー賞を獲得したスーパースター、アリシア・キーズが、昨年遂に自身のビューティブランド”Keys Soulcare”を立ち上げた。業界きっての美肌の持ち主として知られ、デビュー当時から様々なチャリティ活動に勤しんできた彼女が、ブランドに込めた思いとは。
「私たちにはスキンケアもヘルスケアもあるけれど、“ソウルケア”はありません。私は、ビューティとは自分を躊躇なく愛すること、そして自分の価値を高め、気分を上げてくれるものであるべきだと常に考えてきました。同時に、精神と外見に確実な効果をもたらすものであるべき、とも。ですから、そういった意味では私のビューティブランドは、単なるスキンケアではありません」。
昨年自身のビューティブランド”Keys Soulcare”をローンチした歌手のアリシア・キーズは、米メディアのインタビューに対しこう語った。
アイルランド系イタリア人の母とジャマイカ出身の父を持ち、NYで生まれ育ったアリシアは、幼少期からクラシック音楽に親しみ、その後ポップからジャズまで幅広いジャンルで活躍。’01年のデビューアルバム『Songs in A Minor』でグラミー賞最優秀楽曲賞と新人賞など合わせて5部門を独占し、メロウで深みのある声とともに、「If I Ain’t Got You」等数々のヒットナンバーで世界中を魅了するスーパースターだ。
一方で、抜群のルックスと美肌の持ち主として様々なメディアで取り上げられてきた彼女は、昨年満を持して“納得の自信作”をラインナップしたビューティブランド“Keys Soulcare”をローンチした。そのきっかけを彼女はこう語る。
「何年もかけてこのブランドの構想を練ってきました。きっかけは、私自身がいつでも心地よくいるためには、自分自身と自分の魂を慈しむ時間を持つということが、いかに価値ある大切な事かということに気づいたから。これまでも私は、常に自分自身の内面と対話し、注意を向けることを意識してきました。その大切さと素晴らしさを、このブランドを通じて気づいてほしいと思ったからです」。
そこで1日のどこかで、必ず自分自身のために費やす時間を持つために最も有効なのが、スキンケアルーティンの時間ーーそんな考えから、今回のブランドローンチに至ったのだという。しかし、彼女がブランドをローンチした昨年は新型コロナウィルスが猛威の真っ只中だったが、今回のローンチにどう影響したのだろうか。
「パンデミックの最中にブランドを立ち上げるということはまさに挑戦でしたし、これまでにない経験でした。ですが、むしろこんな状況だからこそSNSでグローバルに多くの人と1対1の心の交流をすることができたのだと思いますし、それこそが今私たちが必要としているものだと思います。“Keys Soulcare”の精神は、自分自身を慈しみ、自分自身のための時間とスペースを作ってあげること。こんな状況だからこそ、心の奥底まで届くようなケア製品が必要だと思うのです」。
デビュー当時から様々なチャリティ活動に取り組んできたことでも知られているアリシア。今回のブランドローンチでもその姿勢は変わらず、子供達にホリスティックな教育を提供するアメリカのNPO団体「The Happy Organization」をサポートするため、売り上げの寄付等を通じて様々なサポートに取り組むという。
二人の子供、イージプト・ダオウドとジェネシス・アリとともに。
「”Keys Soulcare”のミッションは、一人ひとりがそれぞれに輝きながら、幸せになってもらうこと。未来を担う次世代の子供達が、健康で、幸せで、きちんとした家に住み、ちゃんとした教育を受けられるのが当たり前の世の中に生きていって欲しいーーこれが、私の心からの願いです」。
AUTHOR
横山正美
ビューティエディター/ライター/翻訳。「流行通信」の美容編集を経てフリーに。外資系化粧品会社の翻訳を手がける傍ら、「VOGUE JAPAN」等でビューティー記事や海外セレブリティの社会問題への取り組みに関するインタビュー記事等を執筆中。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く