ゴールにたどり着けない理由|スタンフォード大教授が語る「目標達成」の仕組みとは

 ゴールにたどり着けない理由|スタンフォード大教授が語る「目標達成」の仕組みとは
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目標を設定しても途中で挫折してしまうなら、そこにはなにか理由がある。ゴールへ向かうことを邪魔しているトリガーが何かを知ることは、ゴールまで歩いていくために必要だ。ヨガ指導者であり、スタンフォード大学で心理学を教えるマクゴニガル博士に「目標達成」の仕組みを解説してもらった。

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これまで、なぜゴールにたどり着けなかったかを振り返ることによって、これから起こりうる後退を予測することができる。なぜ努力が実らなかったのか、その理由を確認してみよう。

ゴールにたどり着けなかったのはなぜ?

目標そのものが、本当に重要だと思って立てられたものだったか?少しずつ段階を経ずに、いきなり全体に取り組もうとしなかったか?最初の後退で、自分には人生を本当に変えられる素質がないと決めてあきらめてしまわなかったか?このように、自分を失敗に追い込んだきっかけを明らかにすることによって、今後は同じことを繰り返さないように、うまく修正できるようになる。
ゴールが見えたら、あとはそこに向かうのみだ。その道のりは、自分の直感と動機によって導かれる、あなた独自のものだ。だが、すべての人に言えるのは、成功の秘訣は小さなことから始めることだ、とマクゴニガルは言う。「心から何かをしたい と思うとき、私たちはとてつもなく大きな目標を定めて、すべてを急いで一度にやろうとしがちです。しかし実際は、今、自分がいる位置から始めるべきなのです」

まずは、お酒のグラスを下に置く。デザートをパスする。今月のカードの明細に目を通す。起き上がって散歩をするなど、ほんのわずかな時間でできることをゴールへの一歩にし、そこからスタートしよう。決してあわてたり、適当にやったりしないこと。また、全体像にとらわれすぎたり、いきなり二歩進もうとしたりしないこと。むしろ、ゴールを見据えながらも、自分の直感を頼りにして、今いる地点から変えていこう。

流れに逆らわず、身をまかせる

「数えられる変化や、自分に責任を課すことにとらわれないように、とは言いません。ですが、自分の動機に重きをおいて、望みに沿って行動するという、人生が与えてくれる機会を探すほうがよいでしょう。ただ最初は、何がその機会となるのか、分からない場合が多いのです」

もしも減量が目標なら、第一歩は単に午後のクッキーをやめることかもしれない。それがうまくいけば、二歩目は健康的な夕食を選ぶことかもしれない。ここまで自分の意志力がよい選択をしたと思えたら、次は夜に散歩をするかもしれないし、今週は低カロリーの食事にしようとレシピを調べ始めるかもしれない。自分を次のステップに引き上げてくれる最も高い目標に向かって、自然な流れに任せて選択していこう。

それらの一歩一歩がどうあるべきかどうしたら分かるのだろうか、と思うかもしれない。そのときは自分自身に聞いてみよう。体はいつでも本能的に反応してくれる。集中すれば、無数の選択の海での舵取りとなって、ゴールへと導いてくれるだろう。
誰にでも備わっているこの誘導システムへの意識を高めるために、マクゴニガルがすすめている練習を紹介しよう。

不快かもしれないが、考えを変えようとせずに、ただ気づくようにする。そして、あなたが感じている身体的な感覚に意識をシフトさせる。体や呼吸で特にその感覚が強いのはどこだろうか?次は、自分の好きな部分について考えてみよう。体はどのように感じているだろうか?呼吸にどのような影響を与えているだろうか?

今度は自分の人生に意味を与えるものや、毎朝起きる理由となるものについて思い浮かべてみよう。そうすることで、体はどのような感覚を示しているだろうか?

これらの感覚を敏感に察知できるようになれば、集中を乱すものや、絶え間ない誘惑に負けずに、ゴールへと進む助けとして利用することができる。例えば、みぞおちに違和感があったり、呼吸が浅く不自然になったりしたら、自分の嫌いな部分を思い浮かべたときと同じだと気づくだろう。ネックレスを買ったり、カップケーキを食べたり、お酒を飲んだりすると、たとえ今はそれを欲していても、あとできっと後悔する。自分の中ではある程度分かっているのだ。このようにして、今がやめ時だ、身を引く時だ、あるいは、努力の矛先を変えて望む力を高める決意を新たにする時だ、と知ることができる。

ポジティブな感覚に導かれるために

同様に、ポジティブな感覚もあなたを導いてくれる。それはとても簡単で、単にポジティブになれることをやればいいのだ。デザートをパスしたり、ヨガクラスに行ったり、子どもたちに本を読んでみて気分がいいなら、またやってみよう!

この自己探索のプラクティスを定期的に行うことで、日々の生活の中でわき起こる感覚に敏感になり、ゴールへの道のりから外れずに、すばやく軌道修正ができるようになる。それらはとくに大きな悟りである必要はない、とマクゴニガルは言う。一 瞬一瞬の気づきが大切なのだ。「ひとつひとつの小さく微細な心の働きが、意志力を鍛えるのです」

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Story by Hillari Dowdle
translation by Sachiko Matsunami
yoga Journal日本版Vol.28



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