なぜその日にそこまでやってしまうのか。更年期、調子がいいとやりすぎてしまう人に起きていること

なぜその日にそこまでやってしまうのか。更年期、調子がいいとやりすぎてしまう人に起きていること
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高本玲代
高本玲代
2026-10-08

更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。

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更年期の女性の相談に乗っていると、「調子がいい日にやりすぎてしまう」という話をよく聞きます。

普段はなかなか動けない。でも、たまに朝から調子がいい日がある。
すると、今までできていなかった家事をまとめてやったり、掃除を一気にしたり、久しぶりに外に出て長い距離を歩いたりします。

その日は「今日は結構動けた」と思うのですが、問題はそのあとです。
翌日からしんどくなって動けなくなる。場合によっては、そのまま寝込んでしまうこともあります。

相談では、「調子がいい日に動くこと自体がいけないのでしょうか」と聞かれることもあります。もちろん、動ける日に何かをすることが悪いわけではありません。

私が気になるのは、なぜその日にそこまでやってしまうのか、ということです。

話を聞いていくと、「普段動けていない自分はダメ」という気持ちを持っている方が少なくありません。

「家族に申し訳ない」が頑張りすぎにつながることも

普段思うように動けないと、家事ができない日も出てきます。
夕食を簡単なもので済ませたり、掃除ができなかったり、家族に何かを頼んだりすることもあるでしょう。

そんな日が続くと、「家族に申し訳ない」という気持ちが出てきます。
本当はもっと家のことをしたい。以前は普通にできていた。家族にも迷惑をかけたくない。

また、「早く元気になって、以前のように動けるようになりたい」と思っている方も多くいます。

だから、久しぶりに調子のいい日が来るとうれしいのです。
「今日はできそう」と思ったら、今までできなかったことまでやっておきたくなります。

調子
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洗濯をして、掃除をして、気になっていたところも片づける。買い物にも行く。
少し歩いてみて大丈夫そうだったら、「今日は調子がいいから、もう少し歩いてみよう」と距離を伸ばす。

本人は無理をしているつもりではないこともあります。
むしろ、「早く元気になりたいからやっている」という感覚に近いと思います。

ところが、その日に一気にやったことで、翌日から動けなくなる。
すると、
「昨日はあんなに動けたのに」
「やっぱりまだダメなんだ」
となります。

家事ができなければ、また家族に申し訳なく感じます。そこで次に調子がいい日が来ると、また頑張ってしまう。

この繰り返しになっている方がいます。

頑張ることが近道とは限らない

こういう方には、私は「今は逆に頑張りすぎると、元気に動けるようになるまでに時間がかかってしまうから、焦らず進めましょう」とお話ししています。

これは、「何もしないで休んでいましょう」という意味ではありません。

大事なのは、自分がどのくらいなら動けるのかを知ることです。

私は相談の中でも、自分の調子をよく観察してもらうようにしています。

  • どこまでなら大丈夫なのか。
  • どこまで予定を入れると、そのあとしんどくなるのか。
  • 家事はどのくらいならできるのか。
  • 歩くなら、どのくらいの距離なら大丈夫なのか。

これは人によって違います。

同じ人でも、そのときの生活によって変わることがあります。
だから「これくらい動きましょう」と最初から決めるより、自分にとってちょうどいいところを探していきます。

その日ではなく「そのあと」まで見る

調子がいい日にやりすぎてしまう方は、その日の状態だけを見てしまうことがあります。

たとえば久しぶりに散歩に出て、思っていたより歩けた。
「まだ歩けそう」と思って、そのまま距離を伸ばす。その時点では歩けていますから、「今日は大丈夫」と思います。でも、自分に合った量だったかどうかは、その場では分からないことがあります。

私は、その日だけではなく、そのあとどうなったかまで見ることをおすすめしています。

翌日はどうだったか。
その次の日はどうだったか。

ここまでを一緒に見ます。

私が一つの目安としてお伝えしているのは、「翌日に休んだとしても、2日目にはまた動けるくらい」です。

たとえば、少し多めに歩いた翌日に「今日はちょっと休みたいな」と思ったとします。
そこで一日休む。そして、その次の日にはまたいつものように動ける。

そのくらいなら、今の自分にとって一つの目安にしてもいいのでは、と考えます。

反対に、一日休んでもまだしんどい。2日目も動けない。そこから何日も引きずってしまう。
そういう場合は、前回やった量が今の自分には多かったのかもしれません。
だったら、次は減らします。

30分歩いて数日動けなくなったなら、次も30分歩く必要はありません。
距離を短くする。時間を短くする。そして、そのあとどうだったかをまた見ます。

こうやって少しずつ、自分がどのくらいなら大丈夫なのかを探していきます。

「休んだ日」をダメな日にしない

このやり方をするときに、もう一つセットでやってほしいことがあります。
休んだ日に、「今日も何もできなかった」と思わないことです。

これは、相談でもかなり大事にしています。

動いた翌日に休むと決めたのであれば、その日は休んでいい日です。最初からそれも含めて考えます。

ここで、「昨日は動けたのに、今日はまた何もできなかった」と考えてしまうと、休んでいる間も焦ります。

家族が動いているのを見ると、「自分だけ休んでいて申し訳ない」と思うこともあるでしょう。そうすると、休むこと自体が嫌になります。

そして次に調子がよくなったときに、「昨日何もできなかったから、今日はやらないと」となります。

また、やりすぎてしまいます。だから、休む日まで含めて自分の予定だと考えます。

「昨日動いたから、今日は休む。それでいい」と、自分に許可することも必要です。

休む
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実際、ここがなかなか難しい方は多いです。
体を休めることより、「休んでいる自分をどう思うか」のほうが難しいこともあります。

特に、これまで家事や仕事をずっと頑張ってきた方ほど、何もしないことに慣れていません。
「何もしていない時間」があると、何かしなくてはいけないような気持ちになります。

でも、翌日に休むことまで含めて自分に合ったペースなのであれば、その日は休む。そこを何度も練習していきます。

調子がいい日に「まだできる」で止める

自分のちょうどいい量が分かってくると、調子がいい日の過ごし方も少し変わってきます。

以前なら、調子がいいと家事を全部やっていた。散歩に出て調子がよければ、そのままどんどん歩いていた。

でも、そのあと何日しんどくなったかを見ていくと、「ここまでやると、あとがしんどい」ということが少しずつ分かってきます。

そうすると、調子がいい日でも途中でやめられるようになります。

まだできそうだけれど、今日はここまでにしておこう。
掃除も全部ではなく、今日はここだけ。
歩いていてもう少し行けそうでも、今日はここで帰ろう。

最初は物足りなく感じるかもしれません。

「せっかく今日は調子がいいのに」と思うこともあります。

でも、その日にどれだけできたかだけではなく、翌日、その次の日まで含めて考えるようになると、「今日はここまで」という判断がしやすくなります。

休むことへの罪悪感が減ると、動ける日も増えていく

相談に乗っていて、自分のちょうどいい量が分かってくると変わってくることがあります。
休むことへの罪悪感が少なくなっていくことです。

「今日は休む日」と思えるようになる。そして、調子がいい日に全部取り戻そうとしなくなる。結果として、寝込むほどやりすぎることも減っていきます。

そうすると、少しずつ動ける日が増えていきます。

これは、「たくさん動けるようになったから休まなくてよくなった」という話ではありません。
休むことも含めて、自分に合った動き方が分かってきたということです。

更年期で思うように動けない時期があると、「早く元気になりたい」と思うのは自然なことだと思います。家族に申し訳ないと思うこともあるでしょう。だからこそ、調子がいい日に頑張りたくなります。

でも、そこで一気に取り戻そうとして、翌日から何日も動けなくなってしまうのであれば、少しやり方を変えてみてもいいと思います。

今日はどのくらい動いたか。
翌日はどうだったか。
その次の日はどうだったか。

まずはそこを見てみてください。

一日休んで2日目にはまた動けるのであれば、今の自分にはそのくらいが一つの目安。
2日目もまだしんどいのであれば、次は少し減らしてみる。
そして休む日は、「今日は休んでいい」と決める。

早く元気になりたいときほど、たくさんやることを考えてしまいます。

でも、その時期に必要なのは、無理に以前と同じように動くことではなく、「今の自分はどのくらいなら大丈夫なのか」を知ることなのだと思います。

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