言葉のキャッチボールに潜むリスクーテキストベースな人は時間と手間を無駄に使っている?!

言葉のキャッチボールに潜むリスクーテキストベースな人は時間と手間を無駄に使っている?!
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「なぜ、同じようなミスを何度もしてしまうのか?」「なぜ、問題は起きてからしか気づけないのか?」「なぜ、慎重に進めたはずなのに失敗するのか?」その原因は、 能力不足ではなく「見えているつもり」で仕事をしていることにあります。『仕事のミスは、この思考で9割防げる』(フォレスト出版)より内容を一部抜粋して紹介します。

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「テキストのやりとり」に潜むリスク

最近は、電話を使う機会がずいぶん減りました。
ほんの30年ほど前までは、まだ電子メールも発達しておらず、学校の同窓会を企画する際には、一人ひとりに電話をかけて予定を確認していました。しかも使うのは会社の固定電話です。今では信じられないような、牧歌的な時代でした。

それが今ではどうでしょうか。
さまざまなコミュニケーション手段が登場し、メールすら使う機会は減り、チャットツールが主流になりました。職場によっては電話がほとんど鳴らず、全員がパソコンに向かってキーボードを叩き、静まり返っているという光景も珍しくありません。

しかし、この電話という手段、この先も完全にはなくなりそうにありません。それは、テキストによるやりとりには目に見えにくいリスクがあるからです。

テキストベースのやりとりでは、一文を書くにも時間がかかります。誤解がないようにと正確に伝えようと考えるほど、文章は長くなり、推敲にも時間を使います。

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photo/Adobe Stock

さらに、すぐに返事が来るとは限りません。ちょっと確認したいだけなのに聞けない、という状態も生まれます。一見効率的に見えて、実は多くの時間と手間を使っているのです。

電話でのやりとり、テキストでのやりとり、正確に伝わるのはどっち?

だからといって、それで正確に伝わっているかというと、必ずしもそんなことはありません。それは、テキストで伝わる情報量は、リアルの会話と比較すると圧倒的に少ないからです。

言葉のニュアンス。間の取り方。相手の反応。こうした要素が削ぎ落とされるため、同じ文章でも人によって解釈が変わります。

そして人は情報が少ないとき、無意識のうちに「自分に都合の良い解釈」をしてしまいます。

しかし、その都合の良い解釈は、問題を解決してはくれません。むしろ、ズレを見ないようにすることで、問題を先送りしてしまいます。そして、そのズレは後になって一気に表面化します。

「え! そういうことだったの?」「前提がまったく違っていた」

後からメールを見返すと、なるほどそういうことだったんだ、と気づくことがあります。仕事を進めていく中では、そのズレに気づかないまま徒労を重ねてしまうことも決して珍しくありません。

電話でのやりとりの威力

だからこそ、少しでも違和感を覚えたら、電話に切り替えることです。

電話であれば、その場で確認ができます。その場でズレを修正できます。1分あれば、テキスト何往復のやりとり以上の威力を発揮することができるのです。

テキストでのやりとりは、人類の知恵がつくりだした偉大な産物です。しかし、その便利な手段に頼りすぎると、見えないリスクが積み上がります。

言葉のキャッチボールには、電話を使う。一見古典的ですが、それがリスクを未然に防ぐための、シンプルで確実な一手です。

書影
『仕事のミスは、この思考で9割防げる』(フォレスト出版)

この本の著者…伊豆原孝(いずはら・たかし)

元SOMPOホールディングス株式会社グループCRO執行役員(最高リスク責任者)。元・一般社団法人日本損害保険協会常務理事。大阪府立北野高等学校を経て京都大学文学部卒。国際大学大学院国際経営学研究科(MBAコース)修了。日本を代表する大手保険グループおよび業界団体の第一線で39年間にわたって活躍し、特にERM(統合的リスク管理)を専門とする。米国格付会社Standard & Poor’sによるERM評価では、日本の保険会社として当時最高ランクとなる「Strong」の獲得に貢献した。「月曜日が待ち遠しい社員であふれる社会」の実現を目指し、60歳にして社会保険労務士の資格を取得。現在は、企業の組織づくりや管理職育成を支援するマネジメントコーチとして活動するほか、リスク管理・コンプライアンスと組織マネジメントを融合した研修・講演を全国で行っている。人が生き生き働く組織づくりを学ぶオンライン講座「ひといき会」主宰。一般財団法人日本プロスピーカー協会認定シニアプロスピーカー。神奈川県藤沢市在住。休日は妻と合唱や海辺のランを楽しんでいる。

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