駆け引きしない、ありのままを伝え、知りたいことは聞く「セキララカード」を活用して感じた変化

 株式会社セキララカードよりご提供
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「相手の価値観や人生観など深い話を聞きたいし、自分がどう考えているかも伝えたい。でも真面目に話すのにはハードルを感じる」そういった思いをサポートしてくれるのが、コミュニケーションカードゲーム「セキララカード」。カップル用とフレンズ用の2種類があって、価値観と恋愛観に関するさまざまな問いがレベル1(カジュアル)・レベル2(ディープ)、恋愛観の話がレベル3(カジュアル)・レベル4(ディープ)で分類されています。後編では、株式会社セキララカードの藤原紗耶さんに、セキララカードを通じて得たご自身の変化や、パートナーとのコミュニケーションなどについて、お話しいただきました。

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一般論ではなく、あなたの話が聞きたい

——セキララカードにはいくつかルールがありますね。

Conversation Tipsでは、哲学対話のルールをいくつか取り入れています。「なんでも話していいよ!」というのは、普段言いにくいことや「言っても大丈夫なのかな」と思うようなことでも、セキララカードをしているときは安心して話してほしいと思って入れました。

「答えたくないカードはパスしよう」というルールも、人それぞれ話したくないことがありますし、話すことを強制したくはないので「パスで」と言えるように設定しました。

「女は/男は/みんなは」といった一般論で話すのではなく、自分の経験から話すというルールも、「普通はこうだよね」という話し方をしてしまいがちなので入れています。「普通」がどうかではなくて、あなたがどう思うかを聞きたいのであって。恋愛は男女二元論や異性愛をベースに語られがちですし、「普通はどうか」という観点で話すから、自分は違うと思うことを言い出せなかったり、我慢したりしてしまう。だから主語を「自分」にして話すのって大事なことなんですよね。

イベントで実施する際には、最初に全部ルールを伝えるようにしています。そうすると、話し方や、話す内容に対する意識が変わっているのがわかるんです。たとえば「男は…」って言いかけたときに「自分の話だった」と言い直す場面を見たこともあります。

なお「相手の話を最後まで聞こう」というルールは、今発売されている第二弾から足したものです。イベントやYouTubeの撮影で実際にプレイしているのを見て、人が話している途中で、自分の話を始めてしまう人もいるので、ルールにしています。

セキララカード
株式会社セキララカードよりご提供

——カードのデザインや素材のこだわりを教えていただけますか。

実は……よくよく見ていただくと、カップル用はスパイダーマンキスをしていて、フレンズ用はおでこをくっつけて寄り添っているデザインになっています。

デザインは、高校の先輩で、車中泊しながら日本を巡っているアーティストのアニーさんに依頼しました。多くの人に興味を持ってもらうためには、手に取りたくなるようなデザインが重要だと思い、内容の重さや深さを一切感じさせない、かわいらしいデザインにしました。

より鮮やかになるような印刷方法で依頼しましたし、飲み会などでも使えるよう、カードの質も多少は濡れても支障がないようにしています。

マッチングアプリでの出会いでもセキララカードを

——藤原さんはどのカードがお気に入りでしょうか?

「両親の関係から取り入れたいこと・反面教師にしたいことは?」のカードです。両親について話すことはあるかもしれませんが、両親の関係性について話さないカップルも少なくないはず。両親の関係性が自分の恋愛に影響を与えていると思いますし、自然な流れの会話としてはあまり出てこないことなので、カードにすることに価値があると思っています。

フレンズ用の「パートナーといい関係を続かせる具体的な3つの方法は?」も好きです。その人の恋愛パターンがわかりますし、話を聞いたあとで、知識として持って帰って活かすこともできます。

「友情を築くうえで大事なことは?」については、大人になってから友達を見つけるのが難しいことに気づいたので採用しました。どういうことを大切にしているのか、友達ってどういう存在なのか……友達の存在の意味も人によって違う。この間、これだけで友達と2時間話していました(笑)。

なお、フレンズ用は恋愛が関係ない友達だけでなく、付き合う前の気になる段階でも使えるよう想定してつくっています。

——たしかに、フレンズ用の「パートナーとの関係に、何を求める?」「過去の恋愛から学んだ関係性において大切な3つのことは?」なども、確認しておくとミスマッチが減らせそうですね。

「マッチングアプリで出会った人と初デートに行ったときに、途中で話す内容がなくなったので、セキララカードを出したらすごく盛り上がった」というお声をいただいたこともあります。

実際にマッチングアプリとコラボをして、クリスマスパーティーでセキララカードを使ってもらったこともあって。自分と相手が合うかを見極めるのにも使いやすいと思います。

前もってカードをピックアップしておいて、自分が選んだカードの中から相手に選んでもらうという方法も。カードの量的にも全部は聞けないですし、あらかじめカードを選ぶことで、自分がどういうポイントにこだわりたいかも確認できます。真剣にお付き合いする相手を探しているのであれば、最初から自分が求めることを伝えておくと効率が良いと思います。

セキララカード
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恋の駆け引きはやめた

——藤原さんは恋愛でこじらせて悩んだとお話しされていましたが、いつくらいからこじらせを解消することができたのでしょうか。

最初は友達とセキララカードのプロトタイプをつくっていたのですが、セキララカードをつくっている途中で魅力に感じる人と出会って。セキララカードをつくっているなかで、言いたいことを言って、気になることを相手に聞いていかないと矛盾がある。恋の駆け引きをやめて、全て自分をさらけ出し、ダメだったら仕方ないという、良い意味で諦めのマインドになっていました。

結果、その人とはお付き合いすることになって、パートナーとカードの試作品や友達から借りた海外のカードを使い、最初から話し合う基盤を作っていくことができて、そこからすごく楽になりましたね。ちなみにパートナーとは2023年に婚約しました。

——おめでとうございます!セキララカードの効果をご自身で体現されているのですね。

セキララカードを使ったことで、出会って最初の半年で、将来のことやどう生きたいかとか、深い話ができて。カードに助けられながら、自分が聞きたい内容を全部聞くことができ、合うところと合わないところが明確になって、合わないところは一緒に考えていくことができました。すれ違ったり、ケンカをしたりしたときも、話し合って解決をするカップルの形になりました。

——ケンカをしたときのコミュニケーションは、セキララカードを用いたコミュニケーションとはまた変わると思うのですが、どのようなことを意識していますか?

ヘルシーリレーションシップを学ぶなかで、アサーティブコミュニケーション(相手を尊重しつつも、自分の考えや意見を伝える方法)を実践するようにしました。

それまでは「なんでこうしてくれないの?」「まじでありえない」という責める言い方をしていたのですが、たとえばパートナーが遅刻をしたときなら「私は自分の時間を大切にされていないと思ったし、悲しかった」「遅刻をするなら早めに連絡をしてくれたら嬉しかった」と自分を主語にして伝えるようにしています。

とはいえ、どうしても感情的になりがちなのもわかりますし、今でもケンカをすることは結構あって……。わかり合えないこともありますし、パートナーにない感覚を私が持っている部分については、頻繁に衝突しています。

——わかり合えない部分は、話し合いが平行線になってしまうと思うのですが、どうやって落としどころをつけているのですか。

お互いに「文化が違う」と割り切っている部分もあります。わからないことは想像しても共感はできないので「自分はこう考えている」と説明し、「そういう人もいるんだ」と理解しようとしています。

セキララカード
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好きな人が自己開示をしてくれるのは嬉しい

——藤原さんご自身がセキララカードを使って、印象に残っていることはありますか?

パートナーが自分の話をしているときに幸せを感じました。パートナーは自ら進んで自分の話をする人ではないのですが、自分の過去の話をするカードを引いたときに、たくさん語ってくれて。好きな人のことを知るのが楽しいですし、普段自分のことをあまり話さない人が自己開示してくれたのが嬉しかったです。

——セキララカードを通じて、どのようなことを伝えたいですか?

パートナーでも友達でも、対等でヘルシーな関係を築きたいなら、自分から向き合って話し合う努力が重要だと思います。気まずくて話しにくいことや、照れることもあって、プロセスは綺麗なものではありません。でも、自分とも他人とも向き合うことで、未来の自分がハッピーになるはずです。

ジェンダーの観点ですと、女性は嫌われたくなくて我慢し、男性は自分の弱いところを見せるのが苦手な傾向があると思います。それに、性別関係なく、向き合うのが難しいポイントが人それぞれありますよね。それらを「仕方ない」で済ませてほしくないですし、苦しさを自分のせいだとも思ってほしくなくて。私自身も女性だから仕方ないと思っていましたし、自分を大切にできていませんでした。セキララカードを通じて、そういった気づきを広げる活動をしていきたいです。

ヘルシーリレーションシップは、他人との関係性を良くするためのものですが、結局は自分のために人と向き合っているとも思います。セキララカードをきっかけに、パートナーが自分のことをどこまで考えているかとか、将来についてどう思っているかとかがわかって楽しいですし「対話を重ねることでもっと幸せになろう!楽に生きよう!」という思いを込めています。

 

■セキララカードの詳細はこちら
https://sekiraracards.com/

■Instagram:@sekiraracards

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雪代すみれ

雪代すみれ

フリーライター。企画・取材・執筆をしています。関心のあるジャンルは、ジェンダー/フェミニズム/女性のキャリアなど。趣味はヘルシオホットクックでの自炊。



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