【更年期のコミュニケーション】更年期で辛そうな女性へ男性はどう声をかけたらよい?NGな言動は?
体調が悪そうな妻を心配して「更年期じゃないの?」と声をかけたら、激怒されてしまった…このような経験のある男性は結構いるのではないでしょうか。心配しているのになぜ怒られてしまうのか、どのように声をかければよいのか、今回はこのテーマについて考えてみましょう。
“更年期”はいまだにネガティブに捉えられがち
先日、このようなご相談をいただきました。
「体調が悪そうだけど、更年期では?」と妻に聞いたら、激怒されました。最近しんどそうだったので本当に心配で聞いたのですが、いったいどう声をかければよかったのでしょうか。(50歳、男性)
同じような経験がある人は、結構いらっしゃるのではないでしょうか。きっとこの方は、パートナーを心配していろいろと調べ、「きっと更年期のせいだ」と思って声をかけてみたのでしょう。残念ながら、「更年期」というキーワードは、まだまだネガティブな印象を持たれることが多いのが現状です。声をかけられたほうは、「おばさんのレッテルを貼られてしまった」「もう若くないと言われた」「不調だからって更年期って決めつけないで」などと思ってしまったのかもしれません。
逆のパターンもあります。私の母は更年期に精神的に落ち込むことが増え、朝も起きられないような状況でした。そこへ父が「朝起きられないのは、怠けているからじゃないか」と声をかけ、大げんかになったということがありました。更年期は女性ホルモンが激減することで精神的に落ち込む、起きられないということも症状として起こりえます。それを軽く受け止められて母は怒ったのでしょう(ちなみに、更年期を過ぎた母は今、すっかり元気になっています)。では、いったいどのように声をかければよかったのでしょうか。
「更年期じゃない?」より「体調どう?」と声かけを
更年期の年代の人で体調が悪くてつらそうな人に、どう声をかけるか。私が提案するのはまず、どうしても「更年期」という言葉にネガティブな印象がある以上、単刀直入に「更年期」という言葉を使うのを避けて声をまずかけてみることです。そして、「体調はどう?」「体調悪そうだけど、何かあったの?」などと、自分から体調や状態について話しやすくなるような声かけをしてみましょう。なお、元気なときなら受け流すような言葉でも、体調が悪いときには心にひっかかり、悪く受け取りがちになるものです。声をかける側も、ネガティブに捉えられてしまったとしても、必要以上に落ち込んだり、声かけするのをやめるのではなく、ぜひ、相手が話しやすくなるような声かけを続けてみてください。
更年期はパートナーシップを見つめ直すチャンス
更年期は、英語で“Change of Life”とも言われます。決してネガティブなものではなく、人生の転機、人生を見つめなおすチャンスでもあります。女性の更年期には終わりがあり、そのころには心や体の不安定さから解放される人がほとんどです。人生100年時代、40代、50代の更年期はちょうど中間地点。これから続く更年期後の生活も見すえ、お互いのパートナーシップの在り方を考えるよいきっかけにしてもらえればと思います。
NPO法人ちぇぶらでは、更年期をよりごきげんに快適に過ごして行くためのヒントやアイデアを発信しています。更年期の症状別の対策ケア方法や更年期の体験談など気になる方は、ホームページ、YouTube公式チャンネル、Voicyをチェック! YouTube公式チャンネル更年期ケアの「ちぇぶらチャンネル」、Voicy 40代が美しく健康になるラジオで検索してみてくださいね。
AUTHOR
永田京子
株式会社ウェルネスシアター代表、ちぇぶら更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ6万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。
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