【男性の更年期】まずは知っておくことが大切。命に関わることもある「男性更年期障害」原因と注意点
今回のテーマは男性更年期です。更年期というと女性にだけのものというイメージがありますが、男性にも更年期があります。男性ホルモンの急激な低下によって起こる男性更年期症状ですが、実は命に関わる可能性のあるケースもあり、決して知らなかったでは済まされません。今回は男性更年期についてその症状や原因、起こりやすい年代、注意点などについて紹介します。
男性更年期の症状は幅広い年齢で起こる
まずは、男女の性ホルモンの加齢による変化を見てみましょう。このグラフは、横軸が年齢、縦軸がホルモンレベルです。赤い色の線が女性の体内の女性ホルモンの変化のグラフ、青い色の線が男性の体内の男性ホルモンの変化のグラフです。
男性の体内の男性ホルモンは、10代前半から後半にかけて一気に増加します。そして、20代からしばらくは高い状態をキープし、やがてゆるやかに低下していきます。一方の女性は、更年期(閉経の前後5年間の計10年程度の時期。45歳〜55歳くらいに多い)に女性ホルモンが一気に低下しますが、男性の場合は変化がゆるやかなので、70歳ごろでも20代の半分くらいの男性ホルモンが分泌されていることがあります。
女性の更年期症状はまさにグラフにあるとおり、女性ホルモンが急激に低下する更年期の時期に現れやすく、男性の更年期症状も男性ホルモンの減少が引き金になります。ただ、男性の更年期症状は実は年齢関係なく起こります。若い年代でも、強いストレスを感じたり、睡眠不足が続いたりすると、男性ホルモンがうまく分泌できなくなることがあります。すると、男性ホルモンが一気に下がり、まさに女性と同じような更年期症状が起こるのです。とはいえ、最も症状が出やすい時期があります。それは、女性の更年期の約10年後、55歳から65歳くらいの時期です。
更年期症状とは、急にほてったり汗をかく「ホットフラッシュ」、運動などしていないのに起こる「動悸」、眠れない・夜中に目が覚めるなどの「不眠」、気持ちのコントロールができずにイライラしたり、うつうつする「情動不安定」、などさまざまあります。そしてこうした症状によって日常生活に支障を来たしている状態を、「更年期障害(LOH症候群)」と呼びます。
AUTHOR
永田京子
NPO法人 ちぇぶら代表理事、更年期トータルケアインストラクター 1,000名を超える女性たちの調査や医師の協力を経て “更年期対策メソッド”を研究・開発・普及。口コミで広まり、企業や医療機関など国内や海外で講演を行い述べ3万人以上が受講。2018年カナダで開催の国際更年期学会で発表。著書「女40代の体にミラクルが起こる!ちぇぶら体操(三笠書房)」、「はじめまして更年期♡(青春出版社)」。
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