「イライラする」は本当に更年期のサイン?更年期のイライラ対処法とイライラの感情以上に大事なこと
更年期と聞いてイメージするのは何でしょうか?イライラしている、のぼせて汗をかいている…そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、実は肩こりや頭痛、疲れやすさも更年期症状なのです。そんな"知られざる更年期"について、更年期の方に向けたサービス「よりそる」を運営する高本玲代さんが綴るコラム連載です。高本さんご自身もまさに更年期世代。わかりやすい不調だけではない更年期の影響について、体験を交えてお話しいただきます。
「更年期と言えばイライラ」が代名詞になるように、40代からイライラするようになった、と言ったお悩みは多くの方が抱えておられます。最近では年間で約500件もののご相談をうけるようになったのですが、こういった感情のゆらぎに関するご相談は多いです。
今日は更年期のイライラ対処法についてお伝えします。
まずはイライラを観察してみる
「更年期=イライラ」が代名詞になっているので、イライラすると更年期かしら?と思われる方も多いです。もちろん更年期の症状としてイライラはありますし、それに伴う漢方などの処方もあります。
ただ、一つの目安としては「これまでイライラしなかったようなことでもイライラしてしまう」とか「イライラが収まるまでにこれまで以上に時間がかかる」といった変化があるかないかです。
もともとイライラしやすい人はいますから、自分の中での変化があるかどうかはバロメーターになります。
イライラのお話を伺っても「まぁ、そんなことがあったら誰でもイライラするよね」という話も山ほどありますし、イライラはもともと人間に必要とされている怒りの感情なので、イライラそのものをあまりネガティブにとらえる必要はないでしょう。
他方、今までとイライラの質や頻度、時間の長さなど状況が変わってきているな、と思われるのであれば、婦人科にご相談なさってみてください。周囲に「最近イライラしているよね」と指摘された場合も受診の目安かもしれません。
イライラの感情以上に大事なこと
イライラを感じている本人は実は辛いものです。でも周囲にとって一番困ることはあなたのイライラに伴う「行動」です。
本人がイライラを感じていても周りの方が気づかれないようであれば、特に周りに影響を与えているわけではありませんから、イライラしている自分を責めないでおきましょう。むしろ「イライラしてつらいよね」と自分をケアしてあげましょう。
イライラ以上に大事なのは「後から後悔してしまうような行動をしてしまわないか」です。
イライラにまかせて言ってはいけないことを言ってしまう、人を無視してしまうといったことは周囲に影響を与えますし、あなた自身の評価を下げてしまいます。
イライラしたら「私イライラしているんだ」といち早く自分の状況に気づくことが大事です。
その上で「今ちょっとイライラしてて、そっとしておいてほしい」など、自分の取り扱いを周囲に表明しておくことは、お互いにとってプラスになります。
イライラしている自分をダメだと思うのではなく、イライラしている自分をどううまく取り扱えるかに焦点をあててみましょう。辛ければ一瞬休憩をするふりをして外に深呼吸をしにいっても良いでしょう。
イライラが何日も続くようであれば、信頼できる誰かに話を聞いてもらう事も自分のケアになります。
大切なのはイライラに伴う行動を自分でどうコントロールしていくか。ある程度自分の中で行動をルール化していくと、イライラそのものを否定しなくてよくなりますよ。
AUTHOR
高本玲代
フェムテック起業家・社会活動家。自身のウツや更年期の経験から更年期女性のケアプロ グラム「よりそる」を立ち上げる。東京都をはじめとする自治体やポーラをはじめとする 企業向けに研修を実施。NHKをはじめメディア掲載50社以上。「がんばらない更年期」 についてYoutube「更年期アカデミー よりそる」で発信中。
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