36歳で更年期障害になったナオミ・ワッツ、更年期女性向けブランドをスタート「更年期は恥じゃない」

 36歳で更年期障害になったナオミ・ワッツ、更年期女性向けブランドをスタート「更年期は恥じゃない」
Getty Images
長坂陽子
長坂陽子
2022-10-31

2022年6月にSNSを通して「更年期は怖くない」と声を上げた女優のナオミ・ワッツ。このメッセージを広めるため具体的なアクションをスタートさせた。バイオテクノロジー会社「アミリス」と提携し、更年期およびプレ更年期の女性のためのウェルネスブランド「Stripe」をこの秋立ち上げた。

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ブランドとしてこれからさまざまなサニタリーアイテムを発表していく予定だそうだが、ナオミにとってこれはビジネスというよりも女性たちのコミュニティ作り。できたばかりの「Stripe」のサイトのトップでは「あなたの更年期の体験談を聞かせてほしい。喜びや涙、ホットフラッシュから怖かったことまですべてを教えて」と呼びかけている。これから寄せられたストーリーをシェアしていくという。近年更年期について話すセレブリティたちが増えている。ミシェル・オバマ元大統領夫人やグウィネス・パルトロウもその1人。とはいえ一般の女性たちが日常生活の中で堂々と更年期の経験談を語れる機会はまだまだ少ない。ナオミはまずその場所を作っていきたいという。

またこれまで語られてきた更年期のストーリーの方向性を変えたいというのもナオミの願い。たとえばホットフラッシュのつらさ、解決方法、閉経前の月経のトラブルなど先輩たちの体験を聞くことは参考になるけれど、ある種の不安が伴うのは事実。アドバイスにはなっても「更年期はネガティブなもの」というイメージを払拭するものではなかった。ナオミはインスタグラムに「更年期のメリットを教えて」と投稿、ポジティブなものとして捉えようという新しい見方を提案している。

ナオミも率先してメリットを紹介。「生理がなくなること。PMSとおさらばできること。更年期の女性は大人。より賢くて経験も豊富になっている」「まだある? 自分に優しくなった。長い間培った友情がある。本当のことが言える。人が知らないことを知っている」と年齢を重ねてきた強みを挙げている。さらにミラーボールとマイクのイラストと共に「90年代は私たちのものだった」。あの華やかな90年代のカルチャーを作り出し、楽しんでいたのは現在更年期、プレ更年期を迎えている女性たちに他ならないと指摘する。

さらに「セックスが上手? そう、その通り。自分たちが何を求めているのか口に出して言える」とセクシャルなことも忘れずに指摘。「恥ずかしがらずに9時半に眠ることだってできる。つまり気にしないってこと!」。

ナオミはこれからこのサイトで更年期障害のホリスティックな解決策も専門家たちと提案していきたいという。「更年期の持つイメージを変えましょう。更年期は恥でもスティグマでもない。本物の体験談を持っているリアルな人たちをつなぐために、恥やスティグマだという意識を壊しましょう。更年期はバケモノじゃない。それを覚えておいて。更年期を最高な気分になれる時期にしていきましょう」。セレブや専門家だけでなく、女性たちが語り合うことでそれを変えていく。ナオミの姿勢には多くの女性から共感や支持、期待の声が集まっている。

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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