「更年期は恥ずかしいことじゃない」53歳のナオミ・ワッツが語る更年期障害と社会の課題

 「更年期は恥ずかしいことじゃない」53歳のナオミ・ワッツが語る更年期障害と社会の課題
長坂陽子
長坂陽子
2022-06-18

ハリウッドリメイク版映画『リング』などでお馴染みのナオミ・ワッツ。今年53歳になる彼女が更年期障害について語り、女性たちの注目を集めている。

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「更年期」をなぜ怖がるのだろうか?

ナオミはインスタグラムにすっぴんのセルフィーをアップ。「更年期障害って言葉はあなたを怖がらせる?」と問いかける。「私は怖かった。でもどうして? 人生の自然な1フェーズであり、人口の半分は直接、もう半分は間接的に影響されるものなのに(だからちょっと私に付き合って。男性も!)」と綴っている。

「私は30代後半になってようやく家庭を持つことを考え始める心の準備ができた。そのとき更年期という言葉が私の扉を吹き飛ばした。まるで巨大なトラックにぶつかったような感じがした。誰もこのことを話題にしていないのにどうやって更年期について理解すればいいの? 私の場合は他の同世代の女性よりも早かった。私のメンターも母もこれについて話す気配もなかった。私はどうやって助けを求めたらいいのかわからなかったし、彼らはどうやって助けたらいいのかわからなかった。お医者さんでさえも。何世代もそうしてきたのだから我慢して対処するべきだっていう変な暗黙のルールがあった」。

ナオミ・ワッツ
2002年公開のホラー映画『ザ・リング』に主演、当時34歳のナオミ・ワッツ。photo by Getty Images

更年期の女性の存在は、これまで無視されがちだった

ナオミはこの暗黙のルールを壊そうと呼びかけている。「今こそ、人生のこの時期にいる女性、この年齢層の女性をレプリゼンテーションすることが大切だと思う。あまりにも長い間マスコミやストーリー、マーケティングにおいて十分な扱いを受けていなかった」。更年期の女性たちはメッセージの受け手としても、物語の主人公としても無視されがちだったと指摘する。「話しにくい話題に関する会話でもスポットライトを当てることで話しやすくなる。前進する。なぜこの話題にこんなに時間がかかっているのだろう?」。話すことで「更年期は恥。秘密にすべきこと」という意識を克服し、次の世代のために「より健全な基盤を築ける」と指摘している。

「年齢を重ねることは恵み。私たちが積み重ねてきた経験を誇りに思うべきときがきた。悪びれることなく自信を持って。1人でこれを乗り越えようとしない」。ナオミはみんなの話が聞きたいと呼びかけ、同じ思いなら炎の絵文字をコメント欄に書き込んでほしいと訴えている。この声に多くの女性が賛同、6.7万人が「いいね」を送っている。同世代の女優たち、ジュリアン・ムーアやジュリアナ・マルグリーズたちもコメントや絵文字を送っている。

ナオミは今「とても誇りに思うことに取り組んでいる」と綴り、これから何らかのアクションを起こしていくことを匂わせている。日本でも更年期やプレ更年期について語る女性が増えつつある。タブー視することなく話せる環境を作るため、ナオミがどのような提案をしていくのか注目したい。

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長坂陽子

長坂陽子

ライター&翻訳者。ハリウッド女優、シンガーからロイヤルファミリー、アメリカ政治界注目の女性政治家まで世界のセレブの動向を追う。女性をエンパワメントしてくれるセレブが特に好き。著書に「Be yourself あなたのままでいられる80の言葉」(メディアソフト)など。



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