【皮膚科専門医Q&A】頭皮マッサージで抜け毛は予防できない?カラーリングは抜け毛につながる?

【皮膚科専門医Q&A】頭皮マッサージで抜け毛は予防できない?カラーリングは抜け毛につながる?
Adobe Stock
増田美加
増田美加
2026-10-03

「カラーリングやパーマが抜け毛に繋がるのでは?」「頭皮マッサージは抜け毛予防に本当に意味があるの?」「ミノキシジルの効果はどのくらいある?」と更年期になると抜け毛や薄毛に対する不安が増えてきます。薄毛、抜け毛治療の専門外来をもつ皮膚科専門医の堀内祐紀先生に聞きました。

Google Newsでヨガジャーナルの記事が見つけやすくなります

Googleに登録する
広告

カラーリングやパーマ剤は薄毛につながる?

Q. 更年期になってから、カラーリングやパーマ剤が、抜け毛や薄毛につながっているのでは?と心配になっています。

A. 「白髪染めを2週間に1回くらいのペースで続けていると、やはり頭皮には少なからず負担がかかります。

ですから、毎回しっかり染めるのではなく、何回かに1回はマニキュアにしたり、白髪が目立ちにくい少し明るめのカラーに変えてみるのもひとつの方法です。思いきってグレーヘアにする、という選択もありますよね。それから、分け目がくっきり出ないような髪型に変えるだけでも、印象はかなり変わります。

最近は、薄毛や脱毛に悩んでいる方のための美容室やメニューもありますので、美容師さんに相談してみるのもとても良いと思います。

東京の新宿御苑近くにある「IRISALI美容室」は、東京医科大学病院皮膚科専門医の入澤亮吉医師が、髪、頭皮、あざ、爪などのアピアランスに悩む方のために立ち上げた完全個室美容室です。脱毛症や薄毛の方に合う髪型やウイッグの相談に乗ってくれます。完全個室でウイッグ技術に精通したヘアデザイナーが担当しています」(堀内祐紀先生)

頭皮ケアやマッサージは薄毛対策に効果があるの?

Q. セルフケアで行う頭皮ケアや頭皮マッサージは、やったほうがいいのか?本当に効果があるのか気になります。

A.「頭皮マッサージは、育毛、発毛効果はあまり実証されていません。しかし、頭皮の血行促進には、適度に取り入れるのはいいと思います。

過剰に行いすぎて、頭皮を擦りすぎたり、傷つけたりないように注意しましょう。また、首、肩も、頭皮とつながっているので、首、肩のコリをほぐすようなマッサージはいいと思います。

育毛剤製品には、さまざまな血流促進成分が入ったものがありますが、どれがいいとは一概に言えません。3か月~半年くらい試してみて、自分に効果があるかどうかを判断しましょう。髪のサイクルは3~4か月なので、それ以上使ってみないと判断は難しいです。使い始めに、頭皮の写真を撮っておいて、3~6か月後の状態と比べて、確認してみるのもいいかもしれませんね。

それから、ブラッシングはやさしく行ってください。力いっぱい行うと、髪の毛ばかりか頭皮まで傷つけてしまいます。

ブラッシング
photo/Adobe Stock

また、紫外線の多い季節には、日傘や帽子で紫外線対策をすることも大事です。長時間、紫外線にさらされるときは、髪用のUVスプレーを使うのもいいでしょう。頭皮の負担にならないように、夜、しっかり洗い流すことを忘れないようにしましょう。

現在、日本で外用発毛剤として科学的根拠があり、一般用医薬品(OTC)として承認されているのは「ミノキシジル」です。ほかには、「アデノシン」も一定のエビデンスはあり、日本では医薬部外品として販売されています。

より効果を実感したい場合には、医療機関でのみ取り扱っている高濃度の「ミノキシジル製剤」へステップアップするという選択肢もあります。医療機関では、5%を超える濃度の製剤を扱っている場合もあり、患者さんの状態に応じて調整することが可能です。ただし、濃度が高くなるほど副作用のリスクも高まるため、必ず医師の管理のもとで使用することが大切です」(堀内先生)

ミノキシジルで約半数以上に効果が!

Q. セルフケアでは効果を感じられない場合、クリニックを受診しようと思いますが、クリニックでは、どのような薄毛治療を行っているのでしょうか?

A. 「薄毛や抜け毛は、生活習慣やヘアケアの見直しによって、進行を緩やかにできる場合があります。それでも改善が十分でない場合は、毛髪外来や薄毛治療を行っている医療機関に相談することをおすすめします。

大切なのは、栄養状態の確認です。当院では、必要に応じて血液検査を行い、栄養状態を確認します。不足している栄養素がある方には、アミノ酸や鉄、ビタミン(特にビオチンなど)の補給をサプリメントでサポートします。髪は体の一部ですから、土台となる栄養が不足している状態では、治療効果も十分に発揮されません。

そのうえで、ミノキシジルの外用薬を第一選択として、提案します。外用で刺激症状が出る方には内服薬を検討することもあります。外用薬と内服薬を併用することによって、効果が高まる場合もありますが、内服薬では血圧低下やふらつき、全身の多毛などの副作用が生じる可能性があるため、慎重に経過をみながら処方します。

更年期以降の方では、ホルモン補充療法(HRT)が選択肢となる場合もあります。

ミノキシジルの治療では、多くの方が一定の改善を実感されます。ただし、期待値が高い場合には“思ったほどではない”と感じられる方もいらっしゃいます。

薄毛治療は、長期的な取り組みが必要です。治療だけでなく、患者さんの不安に寄り添いながら目標を共有することも大切だと考えています。

薄毛治療
photo/Adobe Stock

栄養補給やミノキシジルで十分な効果が得られない場合には、プラセンタ注射や、頭皮に有効成分を直接注入するメソセラピーなどの治療を検討することもあります」 (堀内先生)

最新の毛髪再生医療とはどんなもの?

Q. 最新の薄毛治療について知りたいです。どんな治療があるのでしょうか?

A. 「薄毛治療は、今までさまざまな方法が試されてきましたが、効果が限定的だったり、薬剤の使用を毎日続ける必要があったり、女性が安心して行える治療は、限られていました。そんな中で10年以上の臨床研究を経て、注目すべき最新医療が生まれ、2024年に実用化されたのが『S-DSC毛髪再生医療』です。

『S-DSC毛髪再生医療』は、これらの課題をクリアして、薄毛の悩みを解決する新しいアプローチです。東京医科大学病院、杏林大学医学部付属病院、東邦大学医療センター大橋病院、資生堂が10年以上にわたり、共同で研究を重ねた毛髪再生医療です。このS-DSC治療を大学病院以外で当院でも行えるようになりました。

これは、本来備わっている毛髪を育てる力を活かした再生医療で、自身の健康なDSC細胞(毛球部毛根鞘細胞)を後頭部から10本程度の面積の皮膚を切除します。それを4週間程度培養して毛根部周辺に注射します。

DSC細胞とは、将来、毛乳頭細胞になる予定の細胞です。このDSC細胞を直接補うことで毛乳頭細胞が増え、毛の成長が活発化すると考えられています。培養液は2~3回に分け2~3か月おきに注射(1クール)し、毛の太さ、毛量を増やす治療です。 

S-DSC毛髪再生医療は、女性、しかも更年期以降の年齢の高い方ほど高い効果を発揮するデータがあり、更年期以降の薄毛には期待できます。 治療頻度も数ヶ月おきに、数回受けるだけと簡便です。費用は1クールで220万~300万円が目安です(自由診療のため医療機関によって費用は変わります)。

「私に効くのかな?」「実際いくらかかる?」「 安全に受けられる?」などほかにも気になることがあるかと思います。相談だけでも結構ですので、ぜひ気軽にご来院ください。

「髪の不安は、心の不安」「髪が不調なときは、血行が悪い」と思っています。髪の心配がある方は、一度、美容皮膚科で毛髪外来や薄毛治療を行っているクリニックに相談するのもいいかもしれません。早めの相談で、進行を抑えやすくなり、セルフケアの意識も変わります。

不規則な生活や短い睡眠時間が続くと、髪のダメージに影響します。食事と運動、睡眠は、全身の健康の基本です。髪の健康にとっても、例外ではありません」(堀内先生)

※これらは自由診療(保険適用外)のため、全額自己負担となります。 本記事の治療内容は取材時点の情報であり、最新情報は各医療機関の公式案内をご確認ください。

お話を伺ったのは・・・堀内祐紀(ほりうちゆうき)先生

秋葉原スキンクリニック院長。東京女子医科大学医学部医学科卒業。東京女子医科大学皮膚科学教室入局。JR東京総合病院、埼玉協同病院勤務を経て、2007年、秋葉原スキンクリニック開設。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本医学脱毛学会理事、Aesthetic Medical Academy理事、美容皮膚エキスパートナース育成協会理事、日本メソセラピー研究会理事、Allergan Medical Institute Japan Faculty。

Google Newsでヨガジャーナルの記事が見つけやすくなります

Googleに登録する
広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

ブラッシング
薄毛治療