「ママあれどこ?」が激減した6人家族の工夫。片付けられない家族に苛立つ前にできること【体験談】

『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)より
『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)より

片付けられない家族に苛立つのではなく、その理由を会話のなかから探る——おぐらあんこさんが実践したのは、そんな地道な仕組みづくりでした。ゲームソフトの行方不明事件を解決したアイデアや、「名もなき家事」を家族で分け合うちょっとした工夫まで、『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)の作者であるおぐらさんに、後編ではより具体的なテクニックを伺いました。

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片付けられない理由を会話から探す

——ご自身だけが頑張る状態から抜け出すために、工夫された点を教えてください。

片付けられない人には、片付けられない理由があるんです。「そういえば前にこんなことを言っていたな」と思い出してヒントにしていました。たとえば、子どもが会話の中で「どこに戻せばいいかわからないんだよね」と言っていたので、じゃあ中身がわかれば片付けられるようになるのかなと収納を工夫してみる。夫も「ラベルがあったらわかるよ」と言っていたので、ほかの収納でもラベルを活用することもしました。片付けが苦手な人たちにとって、どうしたらわかりやすくなるのかを工夫しましたね。

改めて考えてみると、片付けってマニュアルのない仕事に似ていると思ったんです。「自分で考えてやって」と言われても、わからないからできない。うちの場合は片付けができる人間が私だけだったので、毎回教えなければいけないのが負担でした。でも一度整備してしまって、「やり方はこうだよ」と言えるようになれば、お互いに楽なんですよね。中長期的に見て楽になると思ったから、仕組みづくりの部分は私が担ってしまいました。

——しっくりくる形にたどり着くまでに、モヤモヤすることはありませんでしたか。

もちろんありました。ただ、ある程度トライアンドエラーを繰り返すのは仕方ないといいますか「合わないこともあるよね」といった諦めのようなものを持っておくことが自分にとって大事だったのかなって。最初から上手くいかないことがあるのは当然なのに、怒ると疲れちゃうじゃないですか。

うまくいった収納と失敗した収納

——あまりうまくいかなかったことがあれば教えてください。

細かいものの収納です。最初は塗り薬や爪切りのような小さいものをまとめてケースに入れて置いていました。そうすると、いつの間にかケースが空になっている。文房具に混ざってどこにしまったかわからなくなっていたんです。チャック付き収納袋という見える収納にすれば、しまう場所がわからなくならないし、なくさないという答えにたどり着くまで、試行錯誤を繰り返しました。

——反対にお気に入りの収納アイデアを一つ挙げるとしたら。

ゲームソフトの収納です。小学生になると保護者抜きで子どもだけで遊ぶ機会が増えてきます。友達がうちに遊びに来て、床にゲームソフトが落ちているけれど「これは誰のだろう」とか、間違えてソフトを交換したままの状態になったり、友達が帰った後で「あのソフトがない」って大騒ぎになったり大変だったんです。

子どもたちはやりたいゲームがなくてイライラしますし、お友達のお家に「間違えて持って帰っていませんか」と聞くのも角が立つ。高価なものですしストレスだったんです。ソフトケースの中にラベルを貼って、どのソフトをどこにしまえばいいか、ソフトの部屋を作ってあげました。そうしたらソフトの行方不明事件が激減して、本当にやってよかったです。

『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)より
『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)より

「持ちつ持たれつ」の部分があると、「仕方ないか」って

——「ママあれどこ?」が激減したことで、生活や気持ちにどんな変化がありましたか。

実は話しかけられる量はあまり変わらなかったんです。「これどこ?」「あれがない」の代わりに、「この動画が面白いから見て」といった感じで、「これ見て」が増えた気がします。探し物をする時間が減って遊べる時間が増えたので、遊びについて話しかけてくる量が増えたのだと思います。

私の苛立ちは減りました。「あれどこ?」って聞かれても「この辺にあるから自分で探して。絶対にあるから」と言えるようになって、それで実際に見つかるんです。どこにどれがあるかがわかれば、4歳でもそのコミュニケーションで済むんです。私が何かやってても中断されなくなりましたし、私がのんびりできる時間も増えてストレスが減ったことは大きいですね。

——片付けの仕組みづくりの部分はおぐらさんが担われたとのことですが、仕組みを考えることは負担が大きいと思います。夫婦間での分担についてはどのように考えていたのでしょうか?

私が苦手な部分を夫にカバーしてもらっていますね。私は数字が苦手で、家のメンテナンスのために見積りをとっても、何が書いてあるのかもどれを選べばいいのかもわからない。その辺りは夫に任せてしまっています。私が「今日はご飯を作りたくない」と言えば「じゃあ作るね」とやってくれたりしますし、持ちつ持たれつの部分があると、相手の苦手なことは「仕方ないか」って思えるかなって。

——片付けから少し派生しますが、トイレットペーパーの交換のように、気づいた人がやることになりがちな家事や、いわゆる「名もなき家事」問題があると思うのですが、どうしていますか?

トイレットペーパーは、芯を抜くところまでやって、新しいものを入れずにトイレを出ています。そうすると、次に入った人が自分で補充することになるので。全部やってあげると「お母さんがやるのが当然」な雰囲気になっちゃうので、自分でやらなきゃいけない状況を作り出していますね。

ほんのちょっとだけ麦茶が残ったピッチャーが冷蔵庫に残されているのも、あるあるだと思います。そういうときは、翌日とか私の機嫌がいいタイミングで蒸し返します(笑)。「そういえば、麦茶がこれくらいしか残っていなかったけれど、あれはどういうこと?」と。お互いに怒っているわけでも、機嫌が悪いわけでもないので、喧嘩にはならないんです。

私が黙ってやってしまうと、家族たちは自分がやらなくていいものだと思ってしまうので、「私がやりました」アピールとか「ほら、言うことがあるよね?」と促して、「ありがとうございます」と受け取る。夫も「これやっておいたよ」と言ってくれるので、私も「ありがとう」と返します。知らずにやってもらっていることってありますし、やった側も一言あるだけで気持ちが違うじゃないですか。だからアピールするのって大事だと思っています。

子どもにも「これ取って」と言われたら、「はい。何か言うことはないの?」と返したり、子どもだけで片付けきれずにいるときに「ほら、お母さんが手伝っているよ。何か言うことがあるよね」と促しています。「やってもらったらお礼を伝える」これはうちの家族の文化かもしれませんね。

 

『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)
『私だけが頑張る片付けはもうごめんだ 家族6人魔窟部屋からの脱出コミックエッセイ』(はちみつコミックエッセイ)

【プロフィール】
おぐらあんこ
関東出身、九州在住。昭和の末裔、4児の母。
育児系コミックエッセイなどを描いてます。

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