未来の私が困らないように|整理収納アドバイザーが親を見送って思ったこと

未来の私が困らないように|整理収納アドバイザーが親を見送って思ったこと
Photo by SUMALI IBNU CHAMID via Canva

親を見送り、家じまいや手続きを進めるなかで、私は何度も立ち止まりました。整える仕事をしていても、いざ自分ごとになると戸惑うことばかり。ベランダの撤去や口座の整理を通して気づいたのは、「未来の私」を困らせないための小さな備えの大切さでした。

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ベランダの荷物をすべて撤去した日、2トントラックがいっぱいになりました。ベランダにあったものだけで、です。ゴミを置いていたつもりはありません。でも結果的には、ほぼすべて処分するもの。その量に驚いたし、そして切なかった。

このベランダは、私の実家の話です。昨年末に父を見送り、母は施設に入り、家じまいを考えているところです。役所関連やさまざまな解約手続きを進めています。大切な人を見送りながら、慣れないことの連続で、普段は整えることを仕事にしている私も、正直、けっこうあたふたしました。いえ、今もまだ少しあたふたしています。

実家のベランダは、洗濯物を干す場所でした。母が好きで集めた、植木鉢や園芸グッズは、できなくなってもそのままに。壊れた電化製品、使わなくなったチェスト、スプレー缶やビン…いつの間にか、捨てにくいゴミの置き場になっていました。「いつか片づけよう」と思いながら、暮らしを優先してきて、その「いつか」が、今回やってきたわけです。

すべて撤去したあとのベランダは、驚くほどすっきりしていました。拍子抜けするほど何もない。切なさと同時に、どこかほっとしている自分がいました。本当は、こういう景色だったんだなあと。

暮らしが変わるということ

母が施設に持っていけるものは限られています。母と一緒に「今の暮らしに本当に必要なもの」を選びました。これまでの暮らしを引き継ぐ部分もあれば、新しい環境に合わせて手放すものもある。暮らしが変われば必要なものも変わる。その当たり前を、身をもって知りました。

ちなみに、実家はすぐに手放すわけではないので、いまも選定は続いています。1人で自由に動けない母を連れての作業は、かなり重労働。それでも自分で選べるうちは、自分で選びたいですよね。選ぶことは、生きることだから。

見えにくいものほど後回しになる

銀行やクレジットカードの解約手続きは、想像以上に手間がかかりました。ネット銀行やネット証券を利用している人は、さらに複雑になるかもしれません。私も一応、銀行やカードは必要最低限にしぼり、口座や保険を一覧にしています。それでも、万全とは言い切れません。

整えているつもりでも、見えにくい場所はつい後回しになってしまう。あのベランダのように。

未来のことを考えるのは少し勇気がいります。でも後回しにすると、自分や家族を困らせてしまうかもしれない。安心のために、整えていけたらいいですね。コントロールできないことは受け止めるしかない。だからこそ、整えられることは整えておきたい。

未来の私のために

ベランダにゴミはありませんか?

ずっと使ってない口座やクレジットカードはありませんか?

どんな保険に入っているか、すぐにわかりますか?

どこから手をつけたらいいのか迷う方は、大切な人と小さな確認をすることから始めるのもいい。

「もしもの時、どうする?」

深刻な会議じゃなくて、ちょっとした世間話くらいでいいのです。それだけでも、未来のあなたはきっと少し助かります。

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