【腸内フローラが崩れる人の共通点】腸に負担をかけるNGな食べ方とは?管理栄養士が解説

【腸内フローラが崩れる人の共通点】腸に負担をかけるNGな食べ方とは?管理栄養士が解説
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西迫祐希
西迫祐希
2025-12-15

日常生活のなかで多忙やストレス、緊張が重なると、便秘、下痢、お腹の張り、肌荒れなどの不調を感じる方もいらっしゃいます。これらの不調は食生活の乱れや、腸内環境・腸内フローラの乱れと結びついています。

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腸内フローラとは

腸には100兆個以上の細菌が存在し、それらはまとめて腸内細菌叢と言われています。腸の中に集まる様子が「お花畑」のように見えることから「腸内フローラ」とも呼ばれています。
腸内細菌は食べたものを分解し、ビタミンの合成や短鎖脂肪酸の生成、免疫の調整、粘膜のバリア機能の維持などの役割を担います。善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類され、日和見菌は、善玉菌・悪玉菌の多い方の味方になります。善玉菌を増やし、悪玉菌を増やさないことが腸内環境を整えるうえで大切なポイントです。

腸内環境が悪化しやすい食習慣

腸内フローラのバランスが乱れやすい食習慣について、気をつけたいポイントを解説します。

朝食を抜く・寝る直前まで食べる

腸にはリズムがあり、朝食を食べることにより消化管が動き始めます。朝食を抜くと腸のぜん動運動が弱まり、便秘に繋がります。
白湯は胃腸は温まりますが、胃に食物が入る刺激は少ないため、消化管の動きとしては小さめです。朝は白湯のみ、という方もいますが、活動のエネルギーを補給するためにも食事をとることがおすすめです。

就寝前は胃腸の動きを休めるリズムをつくるため、就寝の3時間前には食べ終えるようにしましょう。

朝食
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食物繊維が不足している

食物繊維には水溶性食物繊維、不溶性食物繊維に分類されます。
水溶性食物繊維は腸に潤いを与えてスムーズな排便を助け、不溶性食物繊維は便のカサを増やし腸を刺激しながら排便を促します。両方のバランスが大切です。いずれも善玉菌のエサになり短鎖脂肪酸の生成に関わります。
食物繊維は野菜・きのこ・海藻・穀物の皮・大豆製品などに含まれます。
・毎食小鉢2個分の野菜料理をとる
・1日に果物を片手にのる程度とる
・納豆や豆腐を1日1回はとる
・白米に雑穀や玄米を加える、など少しずつの工夫を取り入れてみましょう。

定食
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食物繊維を1度に多量にとる

野菜不足を補おうとして、食物繊維の多い食品を1度に多量にとると、かえって腸に負担がかかることがあります。ごぼう・れんこん・たけのこ・もやし・きのこなどの繊維が硬い食品や、いも・栗などのガスを発生しやすい食品をまとめて摂取する場合は、量や組み合わせに注意が必要です。日常的には適量の摂取が望ましいですが、とくに腸が過敏になっているときには、こうした食品は食べる量を控えめに調整しましょう。主食も穀物の皮が含まれる玄米より白飯、蕎麦よりうどんなどを選択しましょう。

肉・肉加工品を多量にとる

肉・肉加工品の摂りすぎは大腸がんのリスクに繋がることが報告されています。ただし、肉はたんぱく質・亜鉛・鉄・ビタミンB群などの補給源です。肉は1回量80~100g程度まで、1日の中で主菜が肉に偏らないようにするなど工夫しましょう。加工肉は頻度や1回量を減らすことを意識しましょう。

香辛料やアルコールの摂取

香辛料は身体を温める作用もありますが、腸を刺激するためその時々に応じて調整が必要です。
アルコールは利尿作用があり脱水傾向に働きます。腸の水分を吸収してしまうため便秘になる方もいれば、アルコールの刺激によりお腹を下す方もいます。飲酒する場合はお腹の調子や適量を意識し、飲酒量と同量の水の摂取を意識しましょう。

水分の摂取量が少ない

寒さや汗をかきにくい環境、また年齢が上がるにつれ喉の渇きを感じにくくなります。水分が不足すると腸の動きが悪くなります。普段から水分が不足しやすい方は、ペットボトルやマイボトルを活用し、水分の摂取量が分かるようにするのもいいでしょう。

水分補給
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ストレス・睡眠不足にも気をつけて

腸は「第二の脳」と呼ばれ、腸と脳の神経は密接に神経でつながっています(脳腸相関)。ストレスは腸の動きやホルモンの乱れ、腸内フローラの変化に関係します。ストレスを完全になくすことは難しいですが、食事や運動、趣味などでリラックスできる時間を作りましょう。睡眠時間睡眠の質を意識することも腸内環境を整えることに役立ちます。
 

【参考】
・文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
・厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
・厚生労働省「令和5年国民健康・栄養調査」
・日本消化器病学会「腸内細菌叢とは」
・国立がん研究センター「赤肉・加工肉のがんリスクについて」

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