眠る前に不安が増えるのはどうして?実は“あるホルモン”が関係している…医師が解説

眠る前に不安が増えるのはどうして?実は“あるホルモン”が関係している…医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2025-12-12

「最近なんとなく落ち着かない」「SNSを見ても、誰かと話しても、なぜか孤独感が消えない」。こういう“説明しづらいモヤモヤ”、誰にでもありますよね。実はその正体のひとつに、“幸せホルモン”とも呼ばれるオキシトシンの不足が関わっていると言われています。医師が解説します。

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オキシトシンって、どんなホルモン?意外と知らない“心の潤滑油”

オキシトシンは、特別な薬やサプリを飲まなくても、ふだんの生活で自然と増やせるんです。ここでは、オキシトシンの意外な働きと、今日からできる簡単な増やし方をわかりやすくご紹介します。

「オキシトシン=愛情ホルモン」というイメージは有名ですが、じつは役割はもっと広くて深いものです。

安心感が生まれる

誰かに優しくされたとき、飼い犬が尻尾を振ってくれたときの、あの胸の奥が“ふっと緩む”感覚。あれこそがオキシトシンの働きです。

不安やストレスを下げる

オキシトシンは脳の“警戒スイッチ”の暴走を抑えてくれます。なので、オキシトシンが不足すると、ちょっとした刺激にも敏感になり、不安が増しやすくなるんですね。

人間関係をスムーズにする

オキシトシンが出ていると、相手の表情や感情を読み取りやすくなると言われています。「この人と話すとなんか落ち着く」という感覚は、科学的にも一理あるわけです。

孤独感・不安とつながる“オキシトシン不足”のサイン

「自分、オキシトシン足りてないかも?」と思う人は、次のような状態が続いていないかチェックしてみてください。

□人と話していても、なんとなく心が遠い

□SNSを見ると気持ちが落ち着かない、比較してしまう

□ちょっとしたことで心がザワつく

□寝る前に不安が増える

□他人の機嫌や言葉に過敏になる

□疲れているのに休んだ気がしない

もちろんこれだけで判断はできませんが、“オキシトシン不足の気配”があるときによく見られる傾向です。

現代は孤立しやすく、情報に追われやすいので、多くの人が同じ悩みを抱えています。

今日からできる!オキシトシンを自然と増やす習慣

ここが本題。

実はオキシトシンは、ちょっとした“ぬくもり”や“つながり”で簡単に増やせるホルモンです。

① ゆっくり深呼吸して、自律神経を整える

深い呼吸は副交感神経を優位にし、その状態でオキシトシンが出やすくなります。5秒吸って、5〜7秒ゆっくり吐くだけでもOK。

② スキンシップ(人でも、ペットでもOK)

家族と手をつなぐ、肩を寄せる、ペットをなでる——。研究では、犬をなでるだけで人間も犬もオキシトシンが増えることがわかっています。

③ “安心できる声”に触れる

誰かとの落ち着いた会話や、好きな人の声を聞くことも効果的。不思議ですが、声のやりとりだけでもオキシトシンは増えるんです。

オキシトシン
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④ 誰かに親切にする

「ありがとう」と言われる行為は、実は相手以上に自分のオキシトシンを増やします。小さなことで十分。

⑤ 一緒に笑える時間をつくる

友達と笑う、面白い動画を共有する。こうした“共感の瞬間”はオキシトシンのスイッチです。

⑥ あたたかい飲み物をゆっくり味わう

意外ですが、温かい感覚=安心につながり、結果的にオキシトシンの分泌が促されます。

⑦ 自分を抱きしめる(セルフハグ)

「ちょっと恥ずかしい…」と思うかもしれませんが、効果はしっかりあります。胸の前で腕をクロスするだけでもOK。

まとめ:孤独や不安は“性格のせい”じゃない。脳にやさしい環境を

不安になりやすい時期って、どうしても「自分が弱いだけ」だと思いがちです。
でも、実際には脳内ホルモンのバランスや、環境のストレスが大きく関わっています。

オキシトシンは、特別な治療が必要なときもありますが、多くの場合、日常の小さな習慣を積み重ねることで自然と増やすことができます。

焦らず、無理せず、“少し心があたたまる選択”をひとつずつ続けていくだけで、孤独感や不安はゆっくりほどけていきます。

あなたの毎日に、少しでもラクになる時間が増えますように。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

 

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