睡眠検査は正常。でも眠れない…意外な理由は?医師が教える、今日からできる不眠リセット術

睡眠検査は正常。でも眠れない…意外な理由は?医師が教える、今日からできる不眠リセット術
Adobe Stock
甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2026-01-09

「睡眠検査では異常ありませんよ」と医師に言われたのに、布団に入ると急に目がさえる。こういった睡眠トラブルの背後にある思わぬ原因とは?医師が解説します。

広告

「検査では問題なし。でも夜だけ眠れない」その不思議の正体

寝ようと思うほど眠れない。朝はドッと疲れが残っているのに、夜になると頭が冴える——。

最近、こうした“原因不明の不眠”を訴える人が本当に増えてきました。そしてその裏に隠れているのが、『デジタル不眠』 と呼ばれる現代型の睡眠トラブルです。

血液検査も脳の検査も心電図も正常。だけど眠れない。

その理由は、病気ではなく光と情報の浴びすぎによる“体内時計の乱れ”にあります。

デジタル不眠とは?

「脳が夜になっているつもりになっていない」状態

デジタル不眠は、スマホやPC、タブレット、LED照明など夜に強い光を浴び続けることで、脳が「今は昼だ」と勘違いしてしまう状態 のこと。

不眠
photo/Adobe Stock

本来、私たちの脳には「夜になったら眠くなる」仕組みがあります。主役は“メラトニン”というホルモン。夕方〜夜にかけて分泌が増え、自然と眠くなるようにできています。

ところが、スマホの光(ブルーライト)はメラトニンを強烈に抑え込んでしまう。

その結果、“昼夜逆転の前段階”のような状態が起きます。

  • 夜なのに眠気が来ない
  • 布団に入るとむしろ冴える
  • 眠ったとしても浅くて回復しない

睡眠検査では、呼吸・脳波・脚の動きなど「機能そのもの」を調べますが、体内時計のズレまでは見えません。だから「検査は正常」と言われてしまうのです。

デジタル不眠でよくある症状

「寝つけない」以外にも、じわっと体調に波及

デジタル不眠は、単なる“寝つきの悪さ”だけにとどまりません。

・夜遅くまでスマホを見るクセが抜けない
寝る前にSNSをチェック → 目が冴える → また見る → さらに眠れない…という無限ループに陥りがち。

・朝のだるさが続く
浅い睡眠が長く続くため、寝ても寝ても疲れが残る。

・日中に集中力が落ちる
体内時計がズレると、脳のパフォーマンスがガクッと下がります。

・夕方以降に突然元気が出てしまう
本来の「昼の覚醒スイッチ」が夜に入ってしまうため。

・眠りにプレッシャーを感じてさらに眠れなくなる
「今日こそ寝なきゃ」と意気込むほど、脳が緊張状態になり悪循環。

この“じわじわ来る不調”が長引くことで、本人も原因がわからず、さらに悩みが深くなるパターンが多いのです。

デジタル不眠のよくあるケース

30代女性・会社員Aさんの場合

Aさんは、睡眠検査では「まったく問題なし」の結果。それでも毎晩、寝ようとすると頭が冴えて眠れない。一度寝ても浅く、朝はだるいまま。

詳しく聞いてみると…

  • 仕事後、ベッドでSNSをチェックするのが習慣
  • 気づくと深夜までスマホを触っている
  • ベッドの真上に強めのLED照明
  • 寝室で動画を見ることも多い
  • 朝はギリギリまで寝ていて、太陽光をほとんど浴びていない

「眠れない理由」が生活の中にぎっしり詰まっていました。

そこで、以下の3つを続けてもらったところ、1〜2週間で「自然に眠気がくるようになった」と驚いていました。

  1. 寝室からスマホを追放
  2. 夜は間接照明(3000K以下)に変更
  3. 朝はカーテンを開けて太陽光を浴びる

体内時計って、ちょっと整えてあげるだけで急に正常に戻るんですよね。

今日からできる“デジタル不眠リセット”習慣

机上の空論じゃなく、実際に効果が出やすい方法だけ紹介します。

① 寝る1時間前はスマホの電源を切る or 別室へ
いちばん即効性があります。手元にあると絶対触るので、“距離”が大事。

オフ
photo/Adobe Stock

② 寝室の光を“暖色(オレンジ系)”に
ブルーライトに近い白い光より、暖色の方がメラトニンの邪魔をしません。

③ 寝る前は画面ではなく“紙の情報”に切り替える
紙の本、ノート、日記など。脳が自然にリラックスモードに入ります。

④ 朝の10分の日光浴は、想像以上に効く
太陽光は最強の体内時計リセット因子。室内灯の100倍以上の効果があります。

⑤ ベッドは「寝るだけ」の場所に
スマホ・PC・ゲーム・動画は禁止。脳に“ここに来たら眠る”と覚えさせるためです。

⑥ どうしても触りたい場合は“夜モード”や“ブルーライトカット”
完璧ではないけれど、やらないよりは確実にマシ。

まとめ

  • 睡眠検査は正常でも、眠れない人が増えている
  • 原因のひとつが、スマホやLEDの光で体内時計が乱れる“デジタル不眠”
  • 夜の光はメラトニンを抑えて脳を“昼モード”のままにしてしまう
  • スマホ断ち・暖色照明・朝の光・寝る前の行動改善が特に有効

少し生活を整えるだけで、驚くほど眠れるようになることが多いので、“デジタル不眠リセット”を取り入れてみてください。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

不眠
オフ