【がんばらない年末準備 】アーユルヴェーダが教える、冬前のメンタルと体の整え方
年末が近づいてくると、手帳は少しずつ埋まり始め、街は年末に向けての忙しさの空気を帯びていきます。そんな雰囲気から、「今年中にやりたいこと」「やらなきゃいけないこと」が頭のなかを巡り、気づけば心だけが先に走り出してしまう。そんな感覚、ありませんか?焦り、なんとなくのそわそわ、理由のない不安をもし感じていたとしたら、それはあなたが弱いからではありません。 アーユルヴェーダでは、季節が冬へ向かうこの時期、心と身体のエネルギーである「ヴァータ」が増えやすい時期だからなのです。今回は、忙しない心を落ち着かせ、穏やかに年末を迎える日々のセルフケアをお伝えします。
冬が近づくと乱れやすくなる「ヴァータ」とは?
アーユルヴェーダでは、私たちは自然界と同じリズムを生きていると考えます。その自然界に存在する性質を「ドーシャ」と呼び、3つのタイプがあります。
・風と空の性質 は「ヴァータ」
・火と水の性質は 「ピッタ」
・水と土の性質は「カファ」
この3つが心身のバランスをつくっています。
秋から初冬は風が強く、乾燥し、気温も変化しやすい季節。これをアーユルヴェーダでは「ヴァータが高まる季節」と考えます。そしてこの自然界の変動は、心にもそのまま影響していくのです。
ヴァータが乱れると、
・なんとなく落ち着かない
・不安や焦りが出てくる
・眠りが浅くなる
・予定を詰め込みすぎたくなる
といった状態が起こりやすくなります。
つまり、今感じているその「忙しさへ走ろうとする感覚」は、心がSOSを出しているサインでもあるのです。
冬に向かう体は「休みたい」と言っている
アーユルヴェーダでは、冬は蓄える季節。
植物が根を深く張り、動物たちが冬眠に備えるように、私たちの身体も、ゆっくりと穏やかに整える時期に入ります。なので、これからの時期に私たちに必要なのは、「もっとがんばる」ではなく、「がんばりすぎを手放す」ことが大切です。年末の忙しさに向けて体力を蓄えるのではなく、今、余白をつくることこそ準備なのです。
今日からできる「がんばらない冬支度」
アーユルヴェーダ的セルフケアをご紹介します。
① 温かいものを食べる
冷えた身体は、不安や緊張をさらに増やします。
・スープ
・煮込み料理
・温野菜
・炊き立てのごはん
これだけでも身体はほっと緩みます。お料理に良質なオイル(ギー)を入れるのもおすすめです。
② 寝る前のあたたかい時間をつくる
・白湯を一口飲む
・照明を暗くする
・スマホを閉じる
そして、耳に少量のオイルを塗り、深呼吸。
それだけでヴァータは落ち着き、眠りの質が変わります。
③ 予定は「詰めない」
これはとても大切です。スケジュールの余白は心の余白。
予定が空いていることに罪悪感を持つのではなく、空いていることを安心材料にする。その視点の転換がポイントです。
「できなかったこと」より「できたこと」を見る
忙しい時期ほど、私たちは「足りないもの」や「できなかったこと」ばかりに意識が向きます。でも、今必要なのは、評価ではなく自分を労わること。最後に、頑張り屋さんのあなたへ伝えたいことがあります。
「今日できたこと、ちゃんとあるよ。」
「私はよくやってる。」
寝る前にそっと自分へ言ってみてあげてください。
たったそれだけで緊張が溶け、身体は安心してゆるみ始めます。
年末だからこそ、走り出したくなる自分を「ちょっと待って」と優しく抱きとめる季節です。今年の冬は、外側の世界に合わせるのではなく、自分の心と身体の声に合わせて生きる冬にしてみませんか?
がんばらなくても大丈夫。
今感じている不安や焦りは、整えていけるものです。
ゆっくり、深く息をして、からだと心をあたためながら、やさしい冬支度を始めてみてくださいね。
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