冬になると肩も心も固まる…その不調、朝と夜の“1杯”で変わるかもしれない|管理栄養士のアドバイス

冬になると肩も心も固まる…その不調、朝と夜の“1杯”で変わるかもしれない|管理栄養士のアドバイス
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松田 真紀
松田 真紀
2025-12-23

晩秋から冬にかけて増える「ウィンター・ブルー(冬うつ)」。これは日照時間が大きく影響しています。急に気温が下がり、肩や首がキュッと縮こまって、頭がズーンと重くなる朝もあります。そんな”ゆらぎ”にこそ、発酵食。 「あたため」「ゆるめ」「ととのえ」全てを果たしてくれるのが味噌汁。今回は、季節の食材を使って、やる気が出ない時でもストレスにならない!「だし要らず」「美味しい」「すぐできる」朝夕にぴったりな味噌汁をご紹介します。

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冬うつの原因は、「日照時間」にあり

体がだるくて重い、頭痛や倦怠感……そんな症状はありませんか?

冬は健康な人でも、セロトニンの分泌が減りやすい季節。
冬うつは、決して特別なことではありません。

冬うつの大きな原因のひとつは、日照時間の減少。
秋から冬至にかけて、1年のうちで最も日照時間が短い期間に入ります。

日照時間が減ると体内時計が後ろにずれやすくなり、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌リズムが乱れやすくなります。
その影響で、脳内神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンも減少しやすくなり、さらに朝晩の寒暖差によって自律神経が乱れがちに。
心と体がついていきにくい、そんな「ゆらぎの季節」でもあるのです。

気がついたら、ぎゅっと肩に力が入りっぱなしだったりしませんか?

“ゆらぎ”には、季節の食材。ビタミンD―「鮭」「干し椎茸」

そんな冬うつの“ゆらぎ”に寄り添ってくれるのが、季節の食べ物です。

寒くなると美味しくなる「鮭」は、“ゆらぎ”を整える栄養素として知られる「ビタミンD」を多く含む食材。免疫機能をサポートする働きもあります。

ビタミンDは、太陽の光に当たることで体内でも合成されますが、秋から冬はどうしても不足しがち。
鮭はビタミンDの含有量が非常に多く、切り身1切れで1日の推奨量に近い、あるいは満たせる場合もある優れた食材です。
手軽な鮭の水煮缶はストックしておくと便利。上手に活用してみてください。

もう一つの食材が「干し椎茸」。
きのこ類もまたビタミンDを含む食材で、天日干しにすることでその量がさらに増えます。
スーパーやコンビニでも手に入る「スライス干し椎茸」は水戻しの必要がなく、そのまま使えてとても便利です。

発酵食の味噌汁は、「あたためる」「ほぐす」「整える」が叶う1杯に

発酵食もまた、“ゆらぎ”に優しく寄り添う存在です。

その理由は3つ。

「あたためる」

温かい汁物として、体を内側から温めやすくなります。

「ほぐす」

発酵の過程で生まれる成分のひとつ、GABAなどがリラックスをサポートします。

「整える」

大豆と麹を発酵させることで、アミノ酸をはじめとする栄養素が消化吸収されやすい形になり、疲れた内臓に負担をかけにくいのが特徴です。

朝。寒さでぎゅっと力の入った肩に

「ほぐし味噌汁」―『鮭と半熟たまご。生姜を少し』

気温が下がる朝は、ビタミンDを含む鮭がおすすめ。
朝に取り入れることで、体内時計を整えるサポートにもなり、夜の睡眠の質向上も期待できます。

朝といえば卵。特に卵黄にはビタミンDやマグネシウムが含まれています。
半熟にすると食べやすく、朝でも無理なく取り入れやすくなります。
ネギや生姜を加えることで血流を促し、体が内側からぽかぽかに。
ごまにはマグネシウムが含まれ、朝、ぎゅっと固まった肩や頭をやさしくほぐし、1日を穏やかにスタートできますよ。

味噌は、いつもの味噌に発酵力の高い赤味噌を加える「合わせ味噌」がおすすめ。
旨味が増し、リラックス感のある一杯に。
赤味噌はサーモンなど魚類との相性も良く、風味を引き立ててくれます。

<おすすめ味噌>
田舎味噌 + 赤味噌

<具材>
サーモン缶

ねぎ、生姜
ごま

☆メイン食材サーモンの旨味で、だし要らず。焼き鮭をほぐしても美味しいです。

夕。疲れた心と体に

「整う味噌汁」―『椎茸の豆乳豆腐。くるみプラス』

1日頑張って、何もしたくない……。
そんな日でもさっと作れて、やさしく整えてくれる白味噌と豆乳ベースのクリーミーな味噌汁。

ビタミンDを含む「干し椎茸」は、スライスタイプを使えば手軽。
旨味のある出汁が出るので、ぜひストックを。
食物繊維も含まれ、食事全体の血糖値上昇を緩やかにする一助にもなります。

豆腐や豆乳は、タンパク質やマグネシウムが含まれ、夜遅くでも比較的負担になりにくい食材。
温かくすることで胃腸への負担も軽減され、やさしく染み入ります。

仕上げに刻んだ「素焼きくるみ」をパラパラと。
香ばしさとコクが加わります。
くるみにはマグネシウムやオメガ3脂肪酸が含まれ、血流をサポートし、1日の疲れた体を巡らせてくれます。

味噌に豆乳のタンパク質と脂質が加わることで、ほっこりと1日の疲れを整える一杯に。
カルシウムも摂取でき、リラックスした夜時間へとつながるクリーミーなスープです。

<おすすめ味噌>
田舎味噌 + 白味噌

<具材>
干し椎茸スライス
豆腐
豆乳
生姜
素焼きくるみ(なければすりごま)

☆メイン食材「干し椎茸」の旨味で、だし要らず。スライスタイプはすぐに使えて便利。

いかがでしたか?

体がこわばりやすい冬は、夕食の時間をいつもより少し早めにして、食後のリラックスタイムを増やしてみるのも大切です。
ゆっくり入浴したり、軽くストレッチをしてから眠ることで、翌朝の強張りも軽減しやすくなります。

食事も、肩の力を抜いてシンプルに。
そして、ゆとりのある時間を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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