もう「みかんの白いすじ」は取らない。体にうれしい効果を管理栄養士が解説
寒くなると食べたくなるみかん。剝きながら、白いすじを丁寧に取り除いて食べる方は多いのではないでしょうか。今回はあの白い筋の正体と体に嬉しい効果を解説します。
白いすじの正体は?
みかんの白い筋の名前は「アルベド」といい、ラテン語で「白」という意味です。根や葉から吸収した栄養や水分を運ぶ役割があります。果実にとっての血管のような存在です。アルベドがあるおかげでみかんはジューシーに育つんですね。
白いすじ「アルベド」の体に嬉しい効果
1. 血流を改善して冷えを予防
みかんの白いすじには「ヘスペリジン」というポリフェノールの一種が含まれています。ヘスペリジンは冬に嬉しい「血流を良くして体をあたためる作用」や「冷え対策」に効果的成分。手足が冷えやすい女性には特におすすめです。毛細血管を丈夫にし、むくみ予防にも役立ちます。
2. 血糖値の急上昇を抑える働き
白いすじには「ペクチン」という水溶性食物繊維が豊富に含まれています。糖の吸収をゆるやかにしてくれるため、食後の血糖値の急上昇を抑える効果も期待できます。甘いものが好きな人や血糖値が気になる人には特に嬉しいポイント。
3.腸を整え、免疫力アップ
「ペクチン」は腸の中でゼリー状になり、便をやわらかくする働きがあります。善玉菌のエサにもなるため、腸内環境を整えて免疫力アップにもつながります。冬は風邪予防としても頼もしい存在です。
3. コレステロールの調整
「ペクチン」が腸で余分なコレステロールや脂質を吸着して排出してくれるため、生活習慣病予防にも一役買っています。
4. ビタミンCの吸収率を高める
「ヘスペリジン」はビタミンCと一緒にとることで、ビタミンCが体に吸収されやすくなる相乗効果があります。肌のハリやツヤを保ったり、風邪予防としても心強い組み合わせ。つまり、白いすじを一緒に食べることでみかんの果肉のビタミンCパワーがさらにアップするんです。
白いすじを食べやすくするコツ
「すじが多いと食べにくい…」という人は、皮が薄くて袋もやわらかい完熟みかんを選ぶと食べやすくなります。ヨーグルトに混ぜれば食感が気になりにくく、腸活効果もさらにアップするのでおすすめです。
まとめ
みかんの白い筋「アルベド」には食物繊維(ペクチン)とポリフェノール(ヘスペリジン)が豊富。血流改善、免疫力アップ、血糖値やコレステロール値の調整、腸活、ビタミンCの吸収力アップと嬉しい効果がたくさん!みかんの栄養を底上げしてくれる白いすじ、ぜひみかんと一緒に食べてくださいね。
【参考】
ライター/浅野いずみ
行政管理栄養士として保育園や老人ホーム等の施設衛生・栄養管理の指導に従事。その後フリーランスとして特定保健指導やダイエットプランナーとして個人の栄養や健康をサポートしている。食材の持つ力や組み合わせ、効果的な調理法についてのテーマを中心に、食べることが楽しくなるような執筆を心掛けている。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く







