生柿と干し柿、栄養が多いのはどっち?管理栄養士が回答&健康維持に役立つ食べ方も紹介

干し柿
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鈴木亜子
鈴木亜子
2025-10-25

秋の味覚といえば、やっぱり柿。みずみずしい「生柿」も、甘みがぎゅっと詰まった「干し柿」も、それぞれに魅力がありますよね。では、栄養の面ではどちらが優れているのでしょうか?この記事では、生柿と干し柿の栄養の違いについてご紹介します。

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生柿・干し柿の栄養成分と期待できる効果

生柿や干し柿に含まれる主な栄養成分には、ビタミンCやカリウム、β-カロテン、β−クリプトキサンチン、食物繊維などがあります。特に、生柿には100gあたり70mgのビタミンCが含まれており、果物の中でもトップクラスの多さです。

干し柿は、水分含有量が少ない分生柿よりも甘みや栄養が凝縮されているため、100gあたりで比較すると、エネルギーや含まれる栄養成分の含有量は生柿よりも多い傾向です。

ただし、ビタミンCは干し柿に加工される過程で減少するため、生柿よりも低い値となっています。

生柿・干し柿の栄養成分

以下、生柿や干し柿に含まれる栄養成分の働きや期待できる効果についてご紹介します。

ビタミンC

強い抗酸化作用を持ち、免疫機能の維持や風邪予防、肌の健康をサポートします。コラーゲンの生成を助け、シミやくすみの原因となるメラニンの生成を抑える働きも。疲労回復にも関与する大切なビタミンです。

β-カロテン

体内でビタミンAに変わる「プロビタミンA」の一種。ビタミンAとして皮膚や粘膜を健康に保つ働きをするほか、抗酸化作用により活性酸素を除去したり働きを抑えたりすることで老化や生活習慣病の予防に役立ちます。

β-クリプトキサンチン

β-カロテンと同様にプロビタミンAの一種で、抗酸化作用があります。近年、骨代謝のバランスを整えることによる骨粗しょう症リスクの低減、生活習慣病への予防効果などが期待できることが明らかになってきました。

カリウム

体内の余分なナトリウムを排出する作用のあるミネラルです。十分に摂取することで、血圧の安定やむくみの解消が期待できます。

食物繊維

腸内環境を整え、便通を促す働きがあります。血糖値の上昇をゆるやかにし、コレステロールの排出にも役立つため、生活習慣病の予防にも効果的。干し柿には特に豊富に含まれています。

皮付きの柿とカットされた柿
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柿を健康的に楽しむコツ

生柿・干し柿、それぞれにおすすめの食べ方があります。ちょっとした工夫でよりおいしく、栄養をムダなく摂ることができます。

生柿は「皮ごと」がおすすめ

生柿に含まれる栄養成分を丸ごと摂取するためには、皮ごと食べるのがおすすめ。皮ごと食べることで、抗酸化物質であるβ-カロテンやポリフェノール(タンニン)が効率よく摂取できます。

干し柿はヨーグルトと好相性

干し柿は、ヨーグルトと一緒に食べるのがおすすめです。ヨーグルトには乳酸菌、干し柿には食物繊維が豊富に含まれているため、腸内環境の改善に役立ちます。刻んだ干し柿をヨーグルトに加えて、朝食やおやつにいかがでしょうか。

まとめ

生柿はビタミンCの豊富さ、干し柿はビタミンC以外の栄養成分が効率よく摂れることが特徴といえます。旬の柿をおいしく味わうと同時に健康維持に役立てるためには、生柿か干し柿どちらかを選び、1日1〜2個を目安に食べるとよいでしょう。

【参考】

日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年|文部科学省

杉浦 実「国産カンキツ類に多いβ-クリプトキサンチンと機能性食品の開発 生鮮物で初めての機能性表示食品」|公益社団法人 日本農芸化学会.化学と生物.2017年55巻8号p.566-572

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