「最近、便が硬い」→秋は便秘になりやすい!?腸活におすすめ【りんご】の正しい食べ方|栄養士が解説
「最近、便の出が悪い、硬い」「2〜3日便が出ていない」というお悩みが当てはまる人も多いのではないでしょうか?秋に旬を迎える美味しいりんごは便秘にお悩みの人には、ぜひ食べてもらいたい果物です。その理由を管理栄養士の視点からご紹介します。
秋に便秘が悪化しやすい理由
便秘の原因は、水分不足や食物繊維不足、運動不足などいろいろなことが考えられます。そして、秋は気温が下がることで夏に比べると水分補給が少なくなりがちです。しっかりと水分摂取があることで、便の柔らかさが保たれるため、水分不足になると便が硬くなり排出するのが難しくなります。また、食欲の秋は食べる量が増えることで、腸が疲弊しやすいです。そのため、秋は意識して腸のケアが必要とされます。
りんごが便秘対策におすすめな3つの栄養成分
ペクチン
水溶性食物繊維のひとつでもあるペクチンは、りんごに含まれており、特に熟成したものに豊富に含まれています。水溶性食物繊維は便や体にとっての老廃物をネバネバで包み込んで、体外に排出してくれます。また、腸内をゆっくりと進むことで、糖質の吸収速度が緩み、急激な血糖値の上昇を防ぐことができるため、体にかかる負担も抑えられます。
セルロース
サクサクした食感の元である細胞壁の成分であるセルロースも豊富に含まれています。セルロースは不溶性食物繊維であり、胃や腸で水分を吸収して膨張することで腸を刺激して蠕動運動を促すことで便通の改善が期待できます。セルロースは、未熟な時に豊富に含まれており、熟成するにつれてペクチンに変化します。
ソルビトール
熟成したりんごを半分に切った時に、芯の周りが黄色く透き通った状態になっているのを見たことがある人も多いでしょう。これは蜜と呼ばれて、糖アルコールのひとつであるソルビトールなどからできています。ソルビトールは、細胞と細胞の間に蓄積することで水分を引き寄せる作用があるため、便に水分を引き込むことで柔らかくして排出を促してくれることを期待できます。
便秘対策におすすめの食べ方
食物繊維はもちろん、他にもりんごに豊富に含まれるビタミンCやポリフェノールも皮に豊富に含まれています。そのため、皮をむかず丸ごと食べるのがおすすめです。そして、胃腸の疲れを感じている時には、皮ごとすりおろすことで、消化吸収の負担を減らすことができるでしょう。加えて、生の時にはペクチンは善玉菌のえさとなり、腸内環境を整えるサポートをしますが、加熱すると分解されます。この分解により消化吸収の負担が減るだけでなく、便の水分保持力が高まり便通を促してくれるのです。秋冬は特に体を冷やさないためにも、加熱して食べるのもおすすめですよ。目的に合わせて決めるのも良いでしょう。
食べ過ぎには要注意!
便秘予防改善に嬉しい栄養素が豊富であると言っても食べ過ぎには要注意です。食べ過ぎてしまうと、逆にお腹が緩くなりすぎたり、カロリーオーバーになってしまうこともあります。そのため、1日1個までを目安に食べるとよいでしょう。
そして、胃腸の疲れやお腹が緩い時などはすりおろしりんごやすりおろしたものを加熱したものを少量ずつ食べてあげるのがおすすめです。
秋のりんごで腸活ライフを楽しもう
秋が旬のりんごは、意外と便秘対策におすすめの栄養素が豊富に含まれています。目的やお好みで生や加熱、そのままやすりおろしなどいろいろな食べ方でも楽しめるため、今年はりんごで便秘しらずの腸活をしてみませんか?
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
ライター/管理栄養士 亀崎智子管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
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