味噌汁に生姜をプラスするだけ!加熱or生で変わる“温め効果”の正しい取り入れ方|管理栄養士が解説
暑さが徐々に和らいできて涼しくなってくると、夏の残っている疲れが表面化してしまい、体調不良の引き金になってしまうことも。そして、冷えは万病のもとともいわれるくらい、夏の冷やすから秋の温活にシフトが必要な時期でもあります。そこで、今回は管理栄養士的視点の温活としてちょい足し生姜について紹介します。
温活=味噌汁にちょい足し生姜がおすすめな理由
温活には腸内環境を整えることも重要であり、発酵が止まっていない生味噌を使用した味噌汁がおすすめです。生味噌に含まれている乳酸菌や酵母は、加熱により失活してしまいますが、アミノ酸やペプチドなどの栄養素は残るため、消化促進や温活効果を期待できます。そして、味噌汁に生姜を加えることで、温活の相乗効果もおこるでしょう。生姜は加熱すると血流を促して体を芯から温めるショウガオールが増えます。一方で、生の生姜はジンゲロールという消化促進や抗酸化作用が期待できる成分が多いため、温活のためにはちょい足し生姜は加熱のタイミングで入れる方がよいです。こだわる場合には、生姜までちょい足しして火を止めてから生味噌溶くのもよいでしょう。
生姜の使い分けこうやる
朝晩冷え込んだ時
体を温めるためには、生姜を加熱してショウガオールを増やしてあげましょう。 冷え込んでいるからこそ、味噌汁やスープの具材と一緒にすりおろした生姜を加熱して取り入れるのがおすすめです。また、具材には体を温める働きが期待できる根菜やきのこ類がよいでしょう。
食欲不振・胃腸が弱っている時
消化の力が落ちている時は、消化のサポートをしてくれるジンゲロールを豊富に含む生の状態で取り入れるのがよいでしょう。食べる直前の味噌汁やスープに生のすりおろし生姜を加えたり、納豆やなめこ、ボイルオクラなどネバネバ系のモノと混ぜ合わせるとさっぱりとして食べやすくなりますよ。
疲れを感じやすい時
猛暑からの秋の移り変わりは一気に疲れが出やすくもあります。ビタミンB1を豊富に含む豚肉と生姜の組み合わせは疲労回復だけでなく、スタミナ強化にもおすすめです。そのため、豚肉の生姜焼きもよいでしょう。また、鉄分が豊富な小松菜やほうれん草、レバーなどと組み合わせることも疲労回復を期待できます。
生姜を使う時の注意点
生姜は、温活や疲労回復、消化促進など体の不調を防ぐためのサポーターとして心強い食材ではありますが、生か加熱かで栄養成分が変化することで、体調や目的に合わせて食べ方を工夫することも大切です。辛味成分でもあるショウガオールやジンゲロールは、胃に刺激を与えてしまう成分でもあるため、胃腸が弱っている時や空腹時に過剰摂取するのは避けたいです。また、生で食べる時は体を冷やす成分、加熱して食べる時は体を温める成分が豊富に含まれているため、体の状態や目的に合わせて調理方法は変えましょう。
目的に合わせてちょい足し生姜ライフを楽しもう
生姜は使い方を間違えると温活には使えません。が、正しく取り入れることで手軽に温活するにはもってこいの食材です。毎日飲みたい味噌汁とちょい足し生姜で冷え知らずのヘルシーな体を手に入れませんか?
【参考文献】
文部科学省 | 日本食品標準成分表2020年版(八訂)増補2023年
ライター/管理栄養士 亀崎智子管理栄養士×セラピスト(野菜ソムリエ・中級食品診断士 )。食に関する講演や記事執筆・監修、体の本来の機能を取り戻すお手伝いをする整体のセラピストとして、家族丸ごと体の内と外にゆとりをつくるサポートを行っている。また、満月の日に、乾物と塩で作るふりかけと即席スープの素の製造販売も行っています。インスタグラム:kamegohan0528
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