捨てるのはもったいない!ナスのヘタに含まれる注目の成分とは【管理栄養士が解説】
ナスを調理する際に、当たり前のように切り落としてしまっている「ヘタ」。実はこの部分に健康に役立つ成分が含まれていることをご存じですか? もともと「ナスのヘタ」は民間療法として、ウイルス性の「イボ」の治療に用いられていた背景がありますが、最近は、医学の分野における研究で注目されるようになり「捨ててしまうのはもったいない」といわれ始めています。 この記事では、ナスのヘタに含まれる栄養成分や、ヘタを食事に取り入れる際のポイントなどをご紹介します。
ナスのヘタに含まれる注目成分
名古屋大学の研究によると、ナスのヘタから抽出された天然化合物には、ヒトパピローマウイルス(HPV)が関連する疾患に対する治療効果が期待できることが示唆されました。
HPVが関連する疾患の代表的なものが、子宮頸がんです。ナスのヘタの抽出物に含まれる有効成分「9-oxo-ODAs」には、子宮頸がん細胞の自死を誘導する作用があることが明らかになり、動物実験(マウス)においても抗がん効果が確認されました。
ナスの皮や果肉にも、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種「アントシアニン(皮)」や「クロロゲン酸(果肉)」が含まれています。
これまで取り除いていたヘタごとナスを食べることで、より健康効果が高まるといっても過言ではありません。
ナスをヘタごと食べる際のポイント
「ヘタごと食べる」といっても、ちょっとした工夫が必要です。
そもそもナスの「ヘタ」とは果肉の先端部分、もとは茎とつながっていた部分。一般的にはこのヘタ部分についている、傘のような「ガク」までをヘタと呼ぶことが多いのですが、実は異なる部分なんです。
ガクにはトゲが付いているため、一般的には食べません。ヘタの周りに包丁で切り込みを入れ、取り除きましょう。ヘタごと食べる場合は、ヘタの部分が固いので、加熱調理がおすすめ。ヘタ部分のみ分けて調理するなら、薄くスライスして炒め物や味噌汁にすると食べやすいでしょう。
まとめ
ナスのヘタは取り除かれることが多かった部分ですが、健康に役立つ可能性が報告されています。もちろん、今後の研究が期待される段階であるうえ、通常食事として摂取することでどれだけ効果があるのかについては未解明といえるでしょう。
だとしてもナスそのものは多くの栄養素や、健康に役立つ成分が豊富な野菜。丸ごと食べて損はありません。今まで捨てていたナスのヘタを、ちょっとした工夫で毎日の食卓に取り入れることで、より健康を保ちやすくなるかもしれませんね。
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