「また食べてしまった…」つい間食してしまう人の“やめられる習慣”を管理栄養士が解説
「お腹はすいていないのにまた食べてしまった…」適度な間食は気持ちのリフレッシュや息抜きになる一方、食べ過ぎると体重増加や血糖値・中性脂肪の上昇、肌トラブルなどの不調に繋がることもあります。今回はつい間食してしまう人の「やめられる習慣」を解説します。
『おやつ』と『補食』は使い分ける
『おやつ』と『補食』はどちらも食事と食事の間に食べる"間食"ですが、目的に応じて使い分けることが大切です。
『補食』は栄養を補う
補食は栄養補給や不足を補うための間食です。強度が高い・長時間の運動の前後、妊娠中のつわりやお腹の圧迫で食べにくいときなど、活動を維持したいときに取り入れられます。
小さな子供の補食は『おやつ』と表現されますが、食事で摂りきれない栄養を補うことが目的です。
食事療法においては『分割食』ともいい、糖尿病の方の低血糖予防・妊娠糖尿病の血糖コントロール・肝硬変がある方の就寝前・胃癌の手術後など1度で1食分の摂取が難しい場合に取り入れられます。
『おやつ』は楽しみ
おやつはリフレッシュや息抜きしたいときに食べられる間食です。家族や友人と会話しながらつい食べ過ぎてしまうこともありますが、健康の観点からは控えめにすることが推奨されています。
『補食』のつもりが、つい『おやつ』になっていないか。食べる前にひと呼吸おいてみましょう。
「つい食べてしまう」環境と食事のリズムを整える
「食事は少なめにしている」「おやつは毎日同じ時間に食べる」「飲み物とスイーツはセット」などの習慣は、自然におやつを食べやすい環境を作っています。
間食(おやつ)ルールを決める
見るとつい食べてしまう方は、「視界に入る所に置かない」「よく開ける引き出しに入れない」など目につかない工夫をしましょう。
買い溜めしやすい方は、「収納する場所を狭くする」「スーパーでお菓子売り場は通らない」「消費期限が短い生菓子は買わない」などもマイルールになります。
時間に関係なく食べたいときに食べてしまう方は、「1日1回まで」「21時以降は食べないようにする」など時間や回数を決めましょう。
すぐにお腹がすく人は食生活の見直しから
朝食を抜く・3食の食事量が少ない・早食いするなど食生活に問題がある場合、物足りなさや空腹感から、結果的に間食への欲が高まる原因になります。
規則的な食事リズム「1日3食、主食・主菜・副菜を揃えて適量を食べること」により、満足感が高まり間食を減らすことに繋がります。
水分の不足も間食が増えやすい
「小腹が空いたな」と思っても、「実は水分摂取量が少ない。喉が渇いているだけ。」ということもあります。普段水分摂取が少ない方は、まずはコップ一杯の水やお茶を飲んで様子を見ましょう。
ポイントは甘みがない水かお茶を選ぶことです。無糖の紅茶やフレーバーティーなどで気分を切り替えるのも良いでしょう。
どうしても口さみしいとき
少量のナッツ・ヨーグルト・チーズなど血糖値の急激な上昇は抑え、栄養を補えるものを選びましょう。甘みが欲しいときは適量の果物がおすすめです。
ゼロカロリーや糖質オフの食品も活用できますが、強い甘さに慣れてしまうため食べ過ぎには注意しましょう。特に糖質オフのお菓子には脂質が多く含まれる場合もあり、エネルギーの過剰に繋がりやすいです。
まとめ
間食をやめられないのは「意志が弱い」のではなく、食生活や周りの環境などさまざまな要因が関係します。『やめられる習慣づくり』のために、つい間食してしまう場面を振り返りましょう。
『続けられる具体的な間食ルール』を決め、自分との約束を守ることにより、いざ食べるときに罪悪感なく楽しむことができます。
【参考】
「日本人の食事摂取基準2025」
「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
「糖尿病ネットワーク」
「食生活指針(文部省、厚生省、農林水産省)」0000129379.pdf
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く








