管理栄養士も実践している!すぐに空腹感に襲われる人がやるべき【食べ過ぎ防止対策】とは?


しっかり食事を摂っているのに、『またすぐに食べたくなってしまう』『おやつには甘いものが欠かせない』『寝る前にお腹が空いて眠れない‥』といったお悩みはありませんか。しつこい空腹感と戦うのは毎日大変ですよね。この記事では、管理栄養士である筆者が、どのようにして空腹と向き合い、食べ過ぎを防止しているのかご紹介します。
どうして空腹になるの?
空腹感は、健康な人なら誰しもが経験している体の生理的な反応です。それは、体がエネルギーや栄養を必要とするときに生み出される正常なサインです。食事をしてから時間が経つと、胃から血液中にグレリンという空腹ホルモンが分泌され、血液に送られます。このグレリンが脳の摂食調整部位に働きかけることで、空腹感を感じるようになります。反対に満腹感は、食事の後にお腹がいっぱいだと感じること。十分な食事を摂ると、全身の脂肪細胞からレプチンとよばれる満腹ホルモンが分泌されます。脳に満腹のサインを送り、食べ過ぎを防ぐ働きをしています。空腹と満腹のバランスはこのようなホルモンによって調整されています。また、食事の内容や精神的疲労、感情的な影響によって、ホルモンの分泌バランスも変わるといわれています。

空腹には種類がある?!
実は空腹感には2つの種類があります。ひとつは、人が生きていくために必要な、生体恒常性維持のための空腹【ホメオスタティックハンガー】です。これは、エネルギーが必要なときに生じる身体的感覚です。もう一つは、快楽的空腹【ヘドニックハンガー】といい、楽しみのために食べたいという欲求の感覚のことを指します。おいしい食べ物のにおいを嗅いだり食べたりすると、脳はドーパミンなどの快楽ホルモンを分泌して、それを食べたときの記憶と重ねます。そしてそれをもう一度食べたい、あるいは必要量以上に多く食べたいと思うようになるのです。この快楽的空腹を上手にコントロールすることで、肥満になることを防ぎ、太りすぎからくる生活習慣病などの病気の予防につなげていく必要があります。

管理栄養士も実践【食べ過ぎ防止対策】
食べることが大好きな筆者も、毎日空腹と戦っています。日頃から行っている食べ過ぎ防止対策をまとめてみました。
- 一度立ち止まる
食事を摂ってからあまり時間が経っていないのに、またなにか食べたくなってしまったとき。我慢しすぎるのはストレスが溜まってしまう場合もありますが、一度立ち止まって考えてみませんか。今、体が本当にエネルギーを必要としているのか、それとも実際は快楽のための空腹感なのかを意識するようにしましょう。 - たんぱく質・食物繊維も一緒に摂る
常に感じているのが快楽的空腹なら、食事の満足度が足りていない可能性があります。炭水化物だけでなく、たんぱく質、食物繊維も一緒に摂るようにしましょう。噛む回数が増えて満足度がアップし、空腹ホルモンであるグレリンを抑えることができます。 - 本当に食べたいものを食べる
いつもお腹が空いている人は、ながら食べをしてしまっていることが多いです。この場合は自分が今食事を摂っていることを意識することが大事です。本当に食べたいものを選ぶようにして、きちんと食事の時間を摂りましょう。適量でも満足感を得られるようになり、慢性的な空腹感を防ぐのに効果的です。 - ストレス発散方法を見つける
常に食べていたい、ついついやけ食いしてしまう人は、ストレスを発散する方法が食べること一択になってしまっているのかもしれません。読書や入浴、漫画、テレビ、音楽鑑賞など、食べること以外に楽しみを見つけてみましょう。気を紛らわす手段でも良いのです。 - 運動して気分転換
ダイエットだと意識すると運動は続かないことが多いです。気分転換のひとつだと思って散歩してみるのはいかがですか。季節によって周りの風景の変化を感じたり、近くの公園まで足を延ばしてその時期折々の植物などを観察するのも楽しいですよ。食べ物から意識を遠ざけてみましょう。

【参考文献】
食事と栄養の科学大図鑑/リアノン・ランバード
食欲ホルモングレリンの謎を解明/糖尿病ネットワーク
【ライター】やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量調理や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。
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