市販のカット野菜・冷凍野菜の疑問。栄養価が低いってホント?ウソ?管理栄養士が回答

市販のカット野菜・冷凍野菜の疑問。栄養価が低いってホント?ウソ?管理栄養士が回答
by写真AC

市販のカット野菜や冷凍野菜は袋から出してすぐに食べたり、そのまま調理できたり、あるととても便利ですよね。でも、なんとなく栄養価が低いのでは?と思って使うことを躊躇してしまう方も多いのではないでしょうか。そんなカット野菜・冷凍野菜の疑問について、管理栄養士がお答えします。

広告

カット野菜・冷凍野菜の栄養素は生のものより少ないのか?

答えは【生のものと比べて大きな差はない】です。

というのも、加工野菜の工場では、衛生管理が徹底されており、野菜をカットしたあとに洗浄や消毒といった水にさらす、浸すといった加工がされているので、水溶性のビタミンや、カリウムなどのミネラルは一部流出してしまいます。でも、自宅で生の野菜を調理する場合、ナスやごぼうのアクを抜くために水にさらしたり、茹でたほうれん草などの葉物野菜を水にとって冷ましたりしています。生のままで食べない限り、自宅でも少量のビタミン損失は防ぐことはできず、市販のカット野菜・冷凍野菜と結果的には同じことなのではないでしょうか。

by写真
by写真AC

市販のカット野菜・冷凍野菜はどうやって消毒されてる?

 一般的に市販のカット野菜や冷凍野菜の消毒には、次亜塩素酸ナトリウムが使用されています。ごく薄く希釈された消毒液なので人体に害はないですし、栄誉素を壊す心配もありません。細菌やウイルスをしっかりと除菌してくれるので、自宅で除菌されていないまな板を使うより衛生的とも考えられます。カット野菜や冷凍野菜は、病院や学校給食センターなどの大量調理が必要な厨房でもよく使用されています。様々なメーカーが品質管理を徹底していて、価格競争も行っているほどです。悪い噂に惑わされて便利なものを遠ざけてしまい、結果として野菜不足になってしまう方が、もったいないことだなと感じませんか。

by写真AC
by写真AC

カット野菜・冷凍野菜を使うメリット 

生野菜を買ってくるよりも、カット野菜・冷凍野菜を使うことによるメリットはたくさんあります。 

調理の時間が短縮できる

洗う、皮をむく、切る、の手間が省けるものや、下茹で、加熱などの下処理済みのものまで、スーパーに行けば種類豊富にそろっています。調理の時間が短くなることで、食事作りの負担軽減につながります。また、電気代やガス代の削減にもなります。

生ごみを削減できる

野菜の皮やヘタの部分などを処理してあるので、生ごみを削減できて家庭から出るごみを減らすことができます。 

食品ロスを防止

使用する分だけ少量で購入できたり、冷凍ものは保存しておけるので、食品ロスの防止につながります。

価格が安定している

とくに冷凍野菜は、旬の時期に一気に収穫して冷凍している場合が多いので、一年中価格が安定していて経済的です。 

by写真AC
by写真AC

さいごに

もやし、キャベツ、人参などのミックスされたカット野菜はお肉を加えれば肉野菜炒めが簡単に出来上がります。ごぼう、人参などの水煮はきんぴらや筑前煮に。冷凍ほうれん草や冷凍里芋はお味噌汁にさっと入れるだけ。ミックスベジタブルは子供のオムライスに。カット野菜や冷凍野菜をもっと上手に活用して、毎日の食事作りに役立てていってくださいね。

《参考文献》
特集 野菜をもっと食べよう!/農林水産省
体に良い食べ物・悪い食べ物大誤解!/塩野崎淳子

《ライター》やなぎかおり
特別養護老人ホームにて介護食の大量や栄養士業務を経験。働きながら管理栄養士の資格を取得。その後、中学校給食センターにて献立作成、給食管理、食育授業に携わる。結婚、出産を経て、ヘルスケア栄養指導士の資格を取得。子育てをしながら栄養に関する記事執筆を行っている。

広告

RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

by写真
by写真AC
by写真AC