ビタミンEが不足すると何が起きる?抗酸化作用を発揮するビタミンEのすごさとは|管理栄養士が解説
強い抗酸化作用を持つビタミンE。動脈硬化の予防など健康に良い効果を発揮すると言われていますが、具体的にどんな作用を持ったビタミンなのでしょうか? この記事では、体の健康を支えるビタミンEの健康効果や、摂取不足による影響、豊富に含む食品などについて紹介していきます。
ビタミンEってどんな栄養素?
ビタミンEは脂質に溶ける脂溶性のビタミンで、8種類の成分の総称です。
ビタミンEには強い抗酸化作用があり、生体膜の機能の維持や赤血球の溶血の防止、生殖機能の維持などに関与しています。
また、脂質が酸化して発生する過酸化脂質の生成を抑制したり、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)の酸化を防ぐため、動脈硬化の予防に効果を発揮します。
ビタミンEには、4種類のトコフェロールと4種類のトコトリエノールの計8種類があり、最も生理活性が強いのはα-トコフェロールです。
そのため、ビタミンEの摂取基準は、α-トコフェロールの摂取量で定められています。
ビタミンEの不足や過剰摂取による影響とは
ビタミンEが不足すると、神経や筋肉の障害が見られることがあります。
そのため、血行不良や冷え性、頭痛などを起こしやすくなる上、動脈硬化の原因となる可能性もあります。
ただし、ビタミンEは一般的な食事をしていれば基本的に不足することはありません。
また、ビタミンEは脂溶性のビタミンですが体内に蓄積しづらいため、通常の食事で過剰性が見られることはまずありません。
しかし、サプリメントなどによる過剰摂取では、健康障害が見られる可能性があるため注意が必要です。
ビタミンEの摂取目標量とは?
ビタミンEの必要量は、「特定の集団の栄養状態を維持するのに十分な量」とされる「目安量」という数値が定められています。
他にも、過剰摂取を防ぐために「健康障害がないとみなされる習慣的な摂取量の上限」である耐容上限量も定められています。
また、体内にあるビタミンEの殆どはα-トコフェロールのため、食事摂取基準ではビタミンE量=α-トコフェロール量として基準値を定めています。
※α-トコフェロール以外の7種類の成分は考慮されていない。
ビタミンEの必要量(mg/日)
<男性>目安量/耐容上限量
18~29歳:6.5/800
30~49歳:6.5/800
50~64歳:6.5/800
65~74歳:7.5/800
75歳以上:7.0/800
<女性>目安量/耐容上限量
18~29歳:5.0/650
30~49歳:6.0/700
50~64歳:6.0/700
65~74歳:7.0/700
75歳以上:6.0/650
2019年の調査では、ビタミンEの平均摂取量は6.7mg/日という結果が出ています。
目安量に近い数値であるため、一般的な食事を心がけていれば不足する心配はありません
ビタミンEを豊富に含む食材とは
ビタミンEは、種実類や油脂類、穀類、魚介類などに豊富に含まれています。
普段我々が目にする食品の中でビタミンEを豊富に含む食品について紹介していきます。
ビタミンEを豊富に含む食品
食品名/100gあたりのビタミンE量(mg)
ひまわり油/39.0
アーモンド 乾燥/30.0
らっかせい 乾燥/11.0
オリーブオイル/7.4
うなぎ/7.4
たらこ/7.1
かぼちゃ/4.9
にら/2.5
ぎんなん 生/2.5
まとめ
強い抗酸化作用をもつビタミンEは、生体膜や赤血球の維持、動脈硬化の予防など様々な効果を持っているため人体に欠かせない栄養素です。
一般的な食事をしていれば摂取不足になることはありませんが、バランスの崩れた食事や摂取量不足などによっては不足するリスクも0ではありません。
今回紹介した食品を普段の食生活に取り入れながら、健康的な生活を心がけましょう。
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